Intelの次世代チップセットi925X/915で採用される新型インターフェイスのPCI Expressに対応した初のビデオカードが発売となった。NVIDIAのPCI Express対応ビデオチップ「GeForce PCX 5750」を搭載したGIGABYTEの「GV-NX57128D」で、実売価格は17,680円~19,425円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
PCI Expressは現行のAGP/PCIに代わる汎用インターフェイスで、データの送受信を行なうレーンと呼ばれる最小単位を複数束ねることで帯域を拡張することが可能なのが特徴。1レーンは「x1」と表記され、今回の「GV-NX57128D」も対応しているPCI Express x16は、16レーンで構成されるインターフェイスということになる。
チップセット-デバイス間で双方向同時にデータ転送が可能なのも特徴で、例えばPCI Express x16は、各方向で4GB/s、双方向で8GB/sの帯域幅を持っている。AGP 8Xが双方向で合計2GB/sだったのに比べると、これは大幅な進化といえる。
ただし、「GV-NX57128D」が搭載するビデオチップのGeForce PCX 5750は、従来のAGP接続のGeForce FXを、独自のブリッジチップ「PCI Express high-speed interconnect(PCX HSI)」によりプロトコル変換を行なうことでPCI Expressに対応させたもので、PCI Expressネイティブ対応ではない。
ビデオチップ-PCX HSI間の帯域は、PCI Express x16より狭いAGP 16X相当(双方向4GB/s)と言われており、PCX HSI-チップセット間の帯域をフルに使う処理を行なった場合はこれがネックとなってしまう。画面表示の際は主にチップセットからビデオチップの片方向でデータ転送が行なわれるため、通常の使用ではとくに問題はないかもしれないが、パフォーマンス重視派にとってこのPCX HSIチップは少々気になる存在と言えそうだ。
さて、初のPCI Express対応ビデオカードとなった「GV-NX57128D」だが、まず目に付くのはやはり新型のPCI Express x16コネクタ。幅広のPCIコネクタといった、従来にはないルックスが目に新しい。ビデオチップとコネクタの間にはPCX HSIチップが搭載されていると見られるが、ヒートシンクが装着されているためチップ表面は見ることができない。カード自体に奇をてらった部分はなく、コネクタを除けばごく一般的なビデオカードという印象だ。
PCX HSIで既存ビデオチップを流用することにより、他社に先駆けてPCI Express対応ビデオカードの市場投入に成功したNVIDIA。i925X/915シリーズ搭載マザーボードや対応CPUの単体デビューも間近と見られており、発売と同時に導入しようと考えているユーザーにとって「GV-NX57128D」は注目の製品であることは間違いない。
□GeForce PCX(NVIDIA)
http://www.nvidia.com/page/geforce_pcx.html
□GV-NX57128D(GIGA-BYTE TECHNOLOGY)
http://tw.giga-byte.com/VGA/Products/Products_GV-NX57128D.htm
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| (GIGABYTE GV-NX57128D) |
[撮影協力: ZOA秋葉原本店]