| |
【ZPC64】 | 【独自の冷却構造】 |
| |
【内部構造(1)】 | 【内部構造(2)】 |
| |
【背面】 | 【ACアダプタ】 |
Iwillの小型PC自作キット「ZPC」シリーズでnForce3 150チップセットを搭載したSocket 754対応の新モデル「ZPC64」が発売となった。
縦置きのスリムデスクトップPCで、まるで大手メーカー製PCのような質感ある新デザインを採用し、なおかつ冷却構造や拡張カードのスロット位置を独自のアイデアでスマートにまとめ、新たな小型PCのフォームファクタを実現しているのが特徴だ。実売価格は36,540円~37,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
●底面に冷却システム
もともと「ZPC」シリーズと言えば2枚の板アクリルで挟んだ外付けドライブのような小型筐体でおなじみだが、今回の「ZPC64」は同シリーズで初めてAthlon 64に対応したほか、筐体デザインを一新し、まるで大手メーカー製PCのようなスタイリッシュになっている点にまず注目したい。ボディカラーがブラックということもあって、DELL製PCを思い浮かべる人もいるかも知れない。
形状はメーカーPCにもありそうな一般的なスリムタワーだが、ユニークなのは冷却システム。CPUの熱をヒートパイプ伝いに筐体底面に設置したファン付きフィンに逃し、そして筐体内部の熱は側面のファンで排出する構造になっている。スリムタイプの筐体では大型のヒートシンクやフィンを内蔵するのが難しいが、そのスペースを底面に設けることで筐体の厚みを増さないようにしているのがなかなか秀逸だ。
●小型PC用フォームファクタの進化系?
また、ビデオカードをマザーボードの裏面に平行設置するようAGPスロットを用意し、ビデオカード用のスペースを大きく取っているのも特徴だ。裏面のスペースはHDDとAGPビデオカードのみが使用する形になり、ビデオカードは3.5インチHDD使用時で169mm長のものが、2.5インチHDD使用時で201mm長のものが内蔵できる。
冷却機構をケース外側に延長し、ビデオカードとマザーボードを平行設置することで小型ケース内に高性能PCパーツをうまく埋め込むというアイデアは斬新で、キューブ系PCの次にくる小型PCの進化系として注目したいところだ。
●今後はスリム筐体に注目
筐体のサイズは高さ245×幅75×奥行き355mm。ドライブベイはスリムタイプ光学ドライブベイと、2台の2.5インチHDD又は1台の3.5インチHDDが装着できるHDDシャドウベイを備える。フロントのカバーを開くと光学ドライブベイやUSB 2.0、IEEE 1394、サウンド入出力のコネクタにアクセスできる。電源はファン内蔵の外付け小型タイプ(180W)を採用。
スロット数はAGP×1、Mini PCI×1、DIMM×2(DDR400対応、最大2GB)。Mini PCIスロットでは無線LANカードのほか(筐体にアンテナを内蔵)、I/Oパネル部に用意されたコネクタ用スペースを併用することでビデオキャプチャカードが使用可能だ。主な機能はLAN、6チャネル出力サウンド、USB 2.0。VGA機能は持たないので要注意だ。
新たな小型PCの内部構造と、大手メーカーPCにも劣らない外観デザインを採用した「ZPC64」の登場で、キューブ系PCの次の一手として、スリム筐体の高機能型自作PCキットが今後注目を集めることになるかも知れない。
なお、同じ筐体を使ったi865Gチップセット搭載モデルも近日発売される予定。
□ZPC64(Iwill)
http://www.iwill-japan.co.jp/products/ProductDetail.asp?vID=210&CID=143&MID=25
□関連記事
【2004年9月11日】Iwillがイベントで世界初のDual Opteron対応キューブPCをデモ
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20040911/etc_zmaxdp.html
【2003年6月28日】Iwillのスタイリッシュな薄型自作PCキット「ZPC」が発売に
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20030628/etc_iwillzpc.html
| (Iwill ZPC64) |
[撮影協力: 高速電脳]