Ultra 320 SCSIの後継をうたうシリアルインターフェイス「Serial Attached SCSI」(SAS)に対応した初のインターフェイスカード。メーカーはLSI Logicで、Serial ATA-HDDにも対応する。 SASは、ディジーチェーン接続が基本だったパラレルSCSIと違い、Serial ATA同様のポイントツーポイント接続を基本とするもの。コネクタなどの物理面ではSerial ATAを拡張し、通信プロトコルにはSAS独自のものを使う、という複合型で、「ローエンドではSerial ATA-HDDを使い、ハイエンドではSAS-HDDを使う」といったことが容易になるよう、SASインターフェイスでSerial ATA-HDDを利用するための互換機能まで用意されている(SAS-HDDをSerial ATAインターフェイスで利用する、という機能は用意されていない)。なお、SASの接続コネクタはSerial ATAの信号+電源一体型コネクタの裏面にSAS用の追加信号線を付加したもので、コネクタ部分の接点を確認しない限り、まったく同じコネクタに見える。 Serial ATAに対する機能面でのメリットとしては、従来と同じSCSIコマンドのサポートや追加信号線を利用した全2重通信などがある。 今回発売されたSAS3442Xは、同社のコントロールチップ「LSISAS1068」を搭載したPCI-X対応製品。チャネル数は内部4、外部4で、いずれも4チャネルを1コネクタに統合した集約型コネクタを採用、接続ケーブルで分岐する仕様になっている。ただし、付属ケーブルは内部コネクタ用のみのため、現時点で利用できるのは4チャネルのみ。外部コネクタ用接続ケーブルの入荷については「未定」(USER'S SIDE本店)という。また、内部コネクタ用ケーブルはSAS×4コネクタタイプとSerial ATA×4コネクタタイプの2種類が同梱されており、条件に応じて選択して利用可能。このほかの付属品はLowProfile用ブラケットなど。 SASに対応したHDDはMaxtor「Atlas 10K V SAS」シリーズの73GBモデル「8D073S0」が今週発売されているほか、「IBMが同社サーバの保守部品として出荷しているSAS-HDD(2.5インチタイプ/10,000rpm/36.4GB)も取り寄せ可能」(USER'S SIDE本店)という。ただし、「この保守部品は価格が高いため、在庫販売する予定はなく、“どうしても”という人向け」という。価格は応相談。ちなみに、このHDDには「ST936701SS」という型番もついている。 USER'S SIDE本店では、上記の2.5インチSAS-HDDとSerial ATA-HDDを混在させた動作デモを近日中に実施予定。ちなみに同デモでは、SUPERMICROのE7230搭載マザーボード「PDSM4」を使う予定という。 □SCSI Trade Association http://www.scsita.org/ □関連記事 【2003年7月2日】伊勢雅英のIT見聞録(SAS編)(PC Watch) http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0702/it007.htm
[撮影協力:USER'S SIDE本店]
|