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【プレゼン中】 | 【観客】 |
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【デモ機】 | 【ベンチ全勝】 |
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【本題はPen 4との比較】 | 【天野氏登場】 |
Core 2 Duoの登場を機に盛り上がるCPU販売合戦は、ついにCPUメーカー同士の頂上対決が店頭で行われるという事態に発展した。AMDの挑戦を受けるかたちでIntelも急遽比較デモ対決に参戦し、どちらもほぼ同一スペックのPCを利用して互いに自社製品の優位を店頭で訴えるという、前代未聞のCPUメーカーによる店頭直接対決が展開された。
両者とも自社製品の特性にあったベンチマークを持ち込んでのデモのため、優劣の評価は単純にはできないが、全体的な様子としては「挑発的なAMD」「大人のIntel」といった内容となった。
●Intelが喧嘩を買う?
そもそも店頭デモでAthlon 64 X2とCore 2 Duoを比較するというのは、2週間前にAMDが行ったのが最初。CPUメーカーが直接ライバルメーカーの製品を持ち出して比較を行い、かなり挑発的なメッセージまで出してAthlon 64 X2の優位を表明したとあって反響は大きかったようで、Intelも無視は出来なかったようだ。
AMDによる3回目の最終デモ日程が組まれていた27日(日)を迎える直前、Intelもほぼ同様の環境で対抗デモをやると急遽参戦を表明、前代未聞のCPUメーカー直接比較デモ対決が実現した。
●実は大した差がない?
AMD側のデモ内容は前回と同じ。バリューゾーンのAthlon 64 X2 4200+とCore 2 Duo E6300を対決させ、アイドル時の消費電力、3Dゲーム、メモリアクセス、64bit環境でのAthlon 64 X2優位を訴えた。デモ機のスペックは、ビデオカードがGeForce 7900 GTX、HDDはMaxtor 6V250F0 S-ATA2 300(300GB)、電源はSeasonic SS-500HT(500W)、メモリはDDR2 800MHz 512MB×2、OSはWindows XP Home Edition SP2/Windows XP 64-Bit Edition。マザーボードはAthlon 64 X2がASUS M2N32-SLI Deluxe(nForce 590 SLI)、Core 2 DuoがASUS P5W DH Deluxe(Intel 975X)。デモの場所はドスパラ秋葉原本店。
一方、TSUKUMO eX.でデモを行ったIntel側は、ほぼ同じ条件ながらマザーボード(チップセット)だけが異なり、Athlon 64 X2でASUS M2N-E(nForce 570 Ultra)、Core 2 DuoでASUS P5B(Intel P965)を使用した。また、AMDが3DゲームのベンチマークとしてFINAL FANTSY XI オフィシャルベンチマークソフト3とA列車で行こう7を使ったのに対し、IntelはFRONT MISSION ONLINEを使用、結果はE6300が14,229だったのに対して4200+が13,084と僅差の勝利。さらにTMPGEncを使った動画エンコード、Photoshop ElementsとSILKYPIXを使った画像編集の連続補正動作デモでは、最大30%近い差でCore 2 Duoが勝利するという結果になった。
もっとも、AMDに引きずり出された格好のIntel側は、しきりに「Athlon 64 X2もCore 2 Duoもどっちもいい製品です」「エンコード速度など一部を除けば、このクラスのCPUではそんなに差があるわけではない」と余裕のあるコメントも。AMDから64bitが弱いと言われた点については、あらかじめ用意したベンチマーク結果を持ち出して、そんなに大きな差はないとさらりとかわすにとどまった。
●消費電力では食い違う結果
ベンチマークソフトでは互いに得意な分野のものを用意しているため、単純比較はできないが、互いに決定的に違っていたのは、消費電力の計測実験結果。
AMDではアイドル時の消費電力がAthlon 64 X2よりCore 2 Duoの方が高いということを市販のワットチェッカーを使って実演していたが、これに応えてIntelも同じワットチェッカーを使って実演し、どちらも120W前後で実はほとんど差がないと訴えた。AMDも認めるように、高負荷時には144Wと172Wという結果で、むしろCore 2 Duoが有利であることが実証された。Intel側のデモを請け負った代理店の旭エレクトロニクスによると、そもそも市販のワットチェッカーは誤差もあるので、AMDのデモで出ていた10%の差(122Wと132W)は、単にその誤差による可能性が高いという。
●AMD曰く「イベントまでAMD互換に」
Intelのデモは実のところ、後半部分はPentium 4との比較で、実は本当にやりたいことはAMDへの反撃ではなく、Core 2 Duoへの買い換えを渋っているPentium 4ユーザーを刺激することにあったようだ。彼らとしては、Pentium 4で満足している人たちを何とかしてCore 2 Duoに買い換えてもらうことが売り上げ貢献につながる、というわけだ。
デモの途中ではIntelの天野伸彦氏も登場して、「AMDさんがやるならということで、こっちもやってみました。微妙な性能差で戦っているので、好きなものを買ってもらえればいいんじゃないかな。」と余裕の姿勢を見せつつ、「Intelの64bitはAMDのコピーだと向こうは言っているが、それを言うなら、80386以降の互換性もこっちはライセンスしていないので同じじゃないかな。」と応酬。
一方、デモの内容は前回と同じだったが、挑戦的な姿勢を崩さないAMDは、この日のイベントでも挑発を忘れなかった。「Core 2 DuoはAthlon 64 X2のコンセプトを踏襲しており、64bit命令もIntelはAMDの互換、そして今日はイベントまでほぼ同じ内容のことをやって、とうとうIntelさん、イベントまでAMD互換になってしまいました」と発言。この皮肉に観客からは笑いが漏れた。
□インテル
http://www.intel.co.jp/
□日本AMD
http://www.amd.com/jp-ja/
□関連記事
【2006年8月12日】AMDが対抗デモ実施「円周率計算したい人はCore 2 Duo」
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20060812/etc_amdevent.html
| (Intel Core 2 Duo) |
| (AMD Athlon 64 X2) |
[撮影協力:ドスパラ秋葉原本店とTSUKUMO eX.]