NASとしても利用可能なLinuxサーバキット「KURO-BOX/PRO」のイベントが10日(土)にツクモパソコン本店IIで行われた。会場には玄人志向おなじみのサングラス男のほか、同製品の開発に携わったという“謎のサングラス男”も登場して動作デモなどが披露された。
カスタマイズ性の高い自作NASキットとして大ヒットした“玄箱”こと「KURO-BOX」がNAS組み立てキットとして販売されていたのに対し、今回の「KURO-BOX/PRO」は組み込み機器向けLinuxサーバとしての機能性を高めてLinux-Box組み立てキットという位置づけになっており、今回のイベントでもそれを強調した内容となっていた。
拡張コネクタとして用意されているPCI Express x1スロットに玄人志向のGigabit Ethernetカード「GBE-PCIe」を刺し、将来発売する予定というUSB-シリアルコンソールケーブルを介してLinuxのコンソール画面をPC上に呼び出して動作状況を見せるというのが主なデモ内容。コンソール画面では、Linuxカーネルが立ち上がるとアスキーアートで玄人志向のロゴであるサングラス男のイラストが現れるシーンや、各種デバイスドライバやデーモンの表示メッセージ、Gigabit Ethernetカードの動作状況などがコマンドで確認できた。HDDレスでPCI Express x1拡張カードやUSBデバイスを利用したサーバが簡単に作れるというのが、このデモの大きな意味。一般のPCユーザーが期待しているSerial ATA標準対応NASとしての動作デモはなかった。なお、会場に来ていた人からの質問もLinuxを使った組み込み機器としての開発に関する質問が多かったという。
玄人志向としては、当面は学校や組み込み機器系のあるユーザーや法人に使ってもらい、さまざまな活用例が出てくることを期待しているという。フラッシュメモリでLinuxカーネルをブートでき、USB以外にPCI Express x1も利用できる仕様になっいてるため、ハードウェアとデバイスドライバの組み合わせでさまざまな活用例が考えられ、「KURO-BOX/PRO」をプラットフォームとしたユーザーレベルでの開発が盛り上がることを期待しているという。
先週発売されたばかり「KURO-BOX/PRO」はすでに人気で品薄状態。当面はこの状態がしばらく続きそうで、上級者のニーズが一巡して一般的なユーザーが気軽に入手できるようになるのは「ゴールデンウィークくらいじゃないですかねぇ」とはサングラス男の弁。
□KURO-BOX/PRO(玄人志向)
http://kuroutoshikou.com/modules/display/?iid=966
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http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20070303/etc_kuroto.html
| (玄人志向 KURO-BOX/PRO) |
[撮影協力:ツクモパソコン本店II]