「1台に8 OS!?」のキャッチコピーで、その名の通り1台のPCで仮想OS環境を利用して8つのOSを同時に動作させるというデモが31日(土)にTSUKUMO eX.で行われた。これはIntel代理店の旭エレクトロニクスが実施したクアッドコアのXeonをアピールするためのイベントの中で行われたもの。
2006年11月に発売となった「Clovertown」ことクアッドコアのXeon 5300シリーズをアピールするためのイベントで、司会役は同社社長の梶谷直史氏。Xeonの概要を説明した後、まず最初のデモとしてデュアルコアとクアッドコアのスピード差を体感させるため、Xeon X5355(Quad Core,2.66GHz)とXeon 5160(Dual Core,3.00GHz)をデュアルで搭載したPC上でCINEBENCH 9.5を同時に実行させ、その違いを見せた。秒数などは明示されなかったが、クアッドコアのデュアル(4×2=8)とデュアルコアのデュアル(2×2=4)の環境ではほぼ倍近い差があった。
仮想OS環境で8つのOSを同時動作させるデモが行われる前に、まず仮想OSについてユニークな解説が行われた。秋葉原の一般ユーザー向けにわかりやすくするため、忍者をテーマにしたアニメーション「ナルト」を題材に、ホストOSを主人公の「うずまきナルト」とするとゲストOSは分身の術で作りだされた「影分身」と定義、内部構成はCPUやメモリなどの実体ハードウェアを「チャクラ」(ナルトのエネルギー)、Virtual Machineを「九尾」(ナルトに封印された尾獣)、その上で動作するゲストOSは「うずまきナルトの分身」だと例えた。
8つのOSの同時実行デモはこの後に行われた。ハードウェアは、Xeon X5355×2、マザーボードIntel S5000XVNSATA、メモリFB-DIMM 667MHz 8GB、ビデオカードGeForce 7900 GTX、HDD 400GB 10,000rpm SATA。仮想OSの環境はWindows XPをホストOSにVirtual MachineはVMware Workstationで構築され、その中でゲストOSとしてWindows XP(1)、Windows XP(2)、PC-BSD、Solaris 10、Windows Vista、SUSE Linux Enterprise Desktop 10、Fedora 7の7つのOSを次々と起動させ、同時実行させることに成功した。さらに仮想環境のWindows VistaでWindows Media Playerによる動画再生がスムーズにされるところを見せた。ホストOSを合わせると、これで計8つのOSが動作したことになる。
一般ユーザーにはここまでの環境は必要ないとはいえ、開発現場などでは仮想OSを利用するのが当たり前になってきており、同社としてはクアッドコアのXeonのパフォーマンススケールをわかりやすく明示するためにこうしたデモを行ったという。秋葉原の店頭で行うイベントということで、ナルトまで利用して一般ユーザーにアピールするつもりで実施したものの、イベント後には仮想OS環境を仕事で使っているユーザーなどから、もっと深い内容でやって欲しいというリクエストが複数あり、それが意外な反響だったとは同社の弁。
5月には“神様”こと天野伸彦氏が登場してQuad Core関連のイベントが行われる予定という。
□旭エレクトロニクス
http://www.aec.co.jp/
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http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20061125/etc_xeon.html
| (Intel Xeon 5300シリーズ) |
[撮影協力:TSUKUMO eX.と旭エレクトロニクス]