AMD初のクアッドコアCPU「Quad-Core Opteron」の低消費電力モデル(TDP 65W)。発売されたモデルはモデルナンバー 2346 HE(クロック1.8GHz)と同 2344 HE(同1.7GHz)。 Quad-Core Opteronは4つのコアを搭載した65nm SOIプロセス製造のCPU。IntelのCore 2 QuadやクアッドコアXeonなどが、デュアルコアのダイを2つ搭載することで4コアを実現しているのに対し、Quad-Core Opteronは1ダイで4コアを実現しているのが特徴で、日本AMDはこれを指して「ネイティブクアッドコア」と呼んでいる。 対応ソケットはSocket F。キャッシュ容量は2次キャッシュ2MB(1コアあたり512MB)、3次キャッシュ2MB(4コア共有)。DDR2 400/533/667メモリをサポートする点は従来のデュアルコアOpteronと同様だ。 CPUコアの改良点としては、新命令「Rapid Virtualization Indexing」の追加などにより性能が向上した仮想化技術「AMD Virtualization(AMD-V)」を搭載したほか、CPUの負荷状況に応じて電圧/クロックを変化させる「Independent Dynamic Core Technology」、きめ細かな電力管理を行なう「Dual Dynamic Power Management」などの省電力機能を搭載。 このほか、命令フェッチバンド幅、データキャッシュバンド幅、メモリコントローラ-キャッシュ間バンド幅の倍増、メモリレイテンシの短縮などにより、大幅な性能向上を実現しているという。 現時点のラインナップは、8way対応の8300シリーズと2way対応の2300シリーズの2タイプで、それぞれに通常版(TDP 95W)、低消費電力版(同68W)、高性能版(同120W)が用意されている。これらのTDPは従来のデュアルコアOpteronと同じ。 なお、同社は今回から、実際の運用時に近い消費電力が把握できるという新指標「Average CPU Power(AP)」も表示しており、ACPは通常版が75W、低消費電力版が55W、高性能版が105Wになるという。 対応マザーボードについては、「対応BIOSを導入すれば現行のSocket Fマザーボードで使用できる」(USER'S SIDE本店)とのこと。ちなみに、同店は9月にQuad-Core Opteronのデモを行なった際、最新BIOS(当時)にアップデートしたTyan製nForce Professional 3600チップセット搭載Dual Socket Fマザーボード「Thunder n3600M」(2月発売)を使用している。 Quad-Core Opteronとしては、2way対応の低消費電力モデルで最上位の2347 HE(クロック1.9GHz)や、標準消費電力モデル(TDP 95W)の2350(同2.0GHz)、2347(同1.9GHz)などもラインナップされている。USER'S SIDE本店の予価は2347 HEが51,240円、2350が52,290円、2347が42,840円。これら3製品よりも早い時期に2346 HEと2344 HEは再入荷するという。
[撮影協力:USER'S SIDE本店]
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