【 2007年11月3日号 】
セカンドライフの快適動作環境を探ろう!
~あなたのマシンは人並みの生活が送れるのか~
Text by 保坂陽一

 
 話題のセカンドライフだが、ゲームではないだけに快適なPCスペックの基準はあいまいだ。

 実はかなりの低スペックでも動作するこのセカンドライフをさまざまなマシンで検証してみよう。

□セカンドライフ
http://jp.secondlife.com/
□Impress Watchセカンドライフ特集
http://www.watch.impress.co.jp/headline/secondlife/

 
セカンドライフが動く?動かない?


オンボードグラフィックス機能を使用する多くのマシンで起動しないセカンドライフ。やってみよう!と思ってもこれでは悲しい。
 「セカンドライフが動かないんだけど」。

 ホームページを作ったり、町内会の写真をCD-ROMに焼いて配ったりと、使いこなしに関しては自分より上なんじゃないかと思う実家の母からの電話はこんな内容であった。どちらかと言えば、普段ゲームをしないユーザーのほうが関心深そうな話題のセカンドライフ。確かに好奇心旺盛なうちの親ならとりあえず手を出していてもおかしくはなさそうだ(問題が起こったときだけ電話されるのも困るのだが……)。

 筆者もそれなりにセカンドライフ内を歩き回ってはいるが、自分のマシンにおいてはそれほどマシンスペックを気にしたことはなかった。マシンのスペックがプレイヤーの勝敗や生死に関わるFPSやMMO RPGなどとは違い、セカンドライフは基本的にコミュニケーションがメインであるため、高速なレスポンスの必要性を感じなかったということもある。

 ちなみにセカンドライフを動作させるための必要最低限スペックは、

【セカンドライフの必要最低スペック】
OSWindows XP SP2およびWindows 2000 SP4
CPUPentium Ⅲ 800MHz以上
メモリ256MB以上
グラフィックス機能NVIDIA GeForce 2/ATI Radeon 8500(ビデオメモリ32MB)以上
接続回線ADSLまたはケーブルテレビ


 ……などとなっている。OSに関してはMac OS XやLinuxなども対応しているので興味のある方はチェックしてみていただきたい。

 ここではWindows環境についてのみ触れることとするが、この必要スペックだけ見れば、5年以上前のPCでも動作することになる。筆者が現在メインマシンとして使用しているCore 2 Duo E6600+Radeon HD 2400 PROという環境では、Windows Vista Ultimateでもとくに問題なく動作しているので、正式サポートではないが最新のマシン環境ならひとまずOKと言えそうだ。

 ただ、うちの実家の環境を聞くに、Windows Vista Home PremiumでCore 2 Duo E6300という、この春買い換えたものだそうだが、国内大手メーカー製のスリムデスクトップタイプで、グラフィックス機能がG965チップセットのオンボード機能となっている。このオンボードグラフィックス機能で動作しないというのが、セカンドライフのネックになっているというのは、何かとウワサでもよく聞くところなのだ。

 

 
近くにあるマシンで片っ端から
セカンドライフを試してみた


「編集」メニューの「環境設定」しだいで、セカンドライフの動作環境は大きく変わる。ここでは解像度を1,280×1,024ドットの画面フルサイズ表示を基本とした。「グラフィック1」などのエフェクトの設定はマシン環境によって自動で変化するが、とくに記載のない部分はデフォルト設定としている。
 ということで、気になり始めたセカンドライフの快適環境を探るべく、いろいろなマシン環境で動作テストを行ってみた。

 ここではその中から8台をピックアップしているが、とくに記述のない限り、画面解像度は1,280×1,024ドットで動作させている。セカンドライフそのものには明確な数値を提示してくれるベンチマークなどは存在していないため、ここでは筆者の体感を書くことにするが、同時に「3DMark06 Build 110」と「PCMark05 Build 120」(ともに1,280×1,024ドット/32bitカラー)の数値も計測してみたので、合わせて見てみてもらいたい。

 また、このセカンドライフが普通のRPGなどと違うのは、マップをすべて接続毎に毎回ダウンロードして読み込むことだ。クライアントのインストール容量は少なくて済むが、アバターや建物などのオブジェクトとテクスチャデータを読み込みながら、移動することになるため、回線速度は非常に重要。全体的にプログレッシブダウンロード(ダウンロードしながら同時に表示を行う)になっており、テクスチャはサムネールで読み込まれた後、高解像度で表示される。

 さらに処理が遅いと、目の前にオブジェクトがあっても、テクスチャが見えず、透明なオブジェクト(壁)に当たって右往左往、などということもあるが、処理もダウンロードも早いとサムネールを見ることなく瞬時に正しいオブジェクトが表示される。

 ただ、このセカンドライフではDirect Xを使用していないため、最近の3Dゲームなどと違い、グラフィックスチップのDirect Xの対応だけで動作が蹴られることはない。興味のある方は、とりあえずお使いのマシンでセカンドライフを起動してみることをお勧めする。

   
PCその1 ( Celeron 1.2GHz / Radeon 9200 SE )
▼CPU:
 Celeron 1.2GHz
 (Socket 370、Tualatinコア)
▼メモリ:
 512MB
▼グラフィックス:
 Radeon 9200 SE(32MB)
▼OS:
 Windows XP Professional

▼3DMark06:
 N/A

▼PCMark05:
 CPU Test Suite:1,432
 Memory Test Suite:1,125
 Graphics Test Suite:N/A
 1台目はもはや懐かしくすらある、Socket370時代の最終スペック的マシンなもの。今となってはかなりの低スペックだが、それにWindows XPをインストールしている。「Webページの編集には問題ないッス」と言うのは、持ち主のAKIBA PC Hotline!編集S氏(*1)

 セカンドライフを起動してみると、必要最低限スペックを満たしているだけあって、確かに動作はする。しかし、さすがにその動作は厳しいと言わざるを得ないだろう。環境設定で各種エフェクトをオフ、さらに「霧/視界率」などを下げても移動はカクカク、1分経ってもサムネールのままロードされない看板のテクスチャなど、非常にストレスが溜まる。

 チャットだけなら問題かもしれないが、チャット相手と見ている景色には雲泥の差がありそうだ。ちなみに、3DMark06にいたっては動作環境を全く満たしていない。

*1 編注:画像編集は別PC(PCその2)でやってます。


ビデオメモリが少ないこともあって、いつまで経ってもロードされないテクスチャ。さすがに厳しい環境だが、オブジェクトそのものは表示されるし、移動もチャットも楽しめることは楽しめる

   
PCその2 ( Athlon 64 X2 6000+ / AMD 690G内蔵 )
▼CPU:
 Athlon 64 X2 6000+(3GHz)
▼メモリ:
 2GB(1GB×2)
▼グラフィックス:
 AMD 690Gチップセット内蔵
  (オンボード)
▼OS:
 Windows Vista Ultimate(32bit)

▼3DMark06:
 303 3DMarks

▼PCMark05:
 CPU Test Suite:5,995
 Memory Test Suite:4,748
 Graphics Test Suite:N/A
 AMDではハイエンドクラスのデュアルコアCPUを搭載。しかし、グラフィックス機能はAMD 690Gオンボードという非常にアンバランスなマシンである。

 とりあえず起動してみたところ動作せずにエラーが表示される。やっぱりAMDでもオンボードグラフィックス機能ではダメなのか?と思いつつ、最新のドライバ(Catalyst 7.10)に更新してみたところ、今度は見事に動作した。ただ、起動時のデフォルトで描画距離が64と短く(ほかのマシンでは128がデフォルト)、各種エフェクトがオフにもかかわらず、なぜか全体的にフレームレートが低く感じる。

 このストレスのある動きは、CPUでは明らかに劣るPCその3やPCその4以上。テクスチャの表示などは高速で、静止画としては申し分ないので、立ち止まってチャットしているだけならよいかもしれない。まぁ、ATXやmicroATXのAMD 690Gマザーボードなら、まずPCI Express x16スロットは備えている。ビデオカードの増設を考えるのが妥当だろう。


CPU性能だけで見ればかなりのマシンなのだが、動いてみると明らかに重い。ちなみにグラフィックスのシェアメモリは128MB設定で、256MB設定にすると起動できなかった

   
PCその3 ( Pentium 4 2.4GHz / GeForce 7600 GS )
▼CPU:
 Pentium 4 2.4GHz
▼メモリ:
 1GB(512MB×2)
▼グラフィックス:
 NVIDIA GeForce 7600 GS(256MB)
▼OS:
 Windows XP Professional

▼3DMark06:
 1,447 3DMarks

▼PCMark05:
 CPU Test Suite:2,645
 Memory Test Suite:2,318
 Graphics Test Suite:N/A
 CPUやメモリは4年くらい前のWindows XP全盛期のものだが、ビデオカードは3Dゲームでもまだまだ現役のGeForce 7600 GSを搭載。

 オブジェクトの読み込みそのものはPCその1と大して差が感じられないが、ビデオメモリが256MBということもあって、テクスチャの読み込みは段違い。基本的に動作はまず合格点と言えるが、オブジェクトの多い場所での移動や視点変更ではかなりのもたつきが感じられる。この辺りはCPUパワーの問題だろうか。


描画距離などを上げても、動作はそれなりにスムーズ。オブジェクトの多い場所でもたつくことをガマンすれば……といったところ

   
PCその4 ( Pentium 4 3GHz / Radeon X300 )
▼CPU:
 Pentium 4 3GHz
▼メモリ:
 1GB(512MB×2)
▼グラフィックス:
 ATI Radeon X300(128MB)
▼OS:
 Windows XP Home Edition

▼3DMark06:
 279 3DMarks

▼PCMark05:
 CPU Test Suite:N/A
 Memory Test Suite:N/A
 Graphics Test Suite:1,132
 シングルコアCPUとしてはまだまだ使えるCPUだが、ビデオカードは古めのエントリークラス。3DMark06の値などは動作するだけマシといったところである。

 しかし、セカンドライフを動かしてみると意外に悪くない環境。エフェクトを追加したり、解像度を上げるのは厳しいが、しっかりとしたCPUパワーと、性能は低くてもビデオカードを搭載していれば、動作するというよい例だろう。

 なお、このマシンはチップセットにIntel 915Gを採用していたため、ビデオカードを抜いてセカンドライフの動作を確認。スペックはさらに落ちて、PCその1よりは多少マシ、といったレベルになる。


グラフィックス性能は低いのだが、エフェクトさえ増やさなければ、体感的にはPCその3と大差はない印象だ。快適セカンドライフ環境にはCPUパワーのほうが大きいということだろう

   
PCその5 ( Athlon 64 3200+ / GeForce 6600 GT )
▼CPU:
 Athlon 64 3200+
▼メモリ:
 1GB(512MB×2)
▼グラフィックス:
 NVIDIA GeForce 6600 GT(128MB)
▼OS:
 Windows XP Professional

▼3DMark06:
 1,471 3DMarks

▼PCMark05:
 CPU Test Suite:2,908
 Memory Test Suite:3,511
 Graphics Test Suite:3,131
 2台目のAMDマシンだが、こちらはシングルコアのAthlon 64。年代的にはPCその3などと同じで、当時なら十分なハイエンドクラスだ。

 実際に動かしてみて感じるのは、オブジェクトがやや多い場所でも視点の回転などがスムーズなこと。どうやらビデオメモリが128MBと、今となっては少なめなのが逆にバランスがよいようで、PCその4と並んでそこそこ快適である。

 ちなみに3DMark06および、PCMark05の値では同じグラフィックスチップを搭載しているPCその6より高い値が出ているが、これはOSが違うのであまりあてにはならない。


オブジェクトが多くなっても、動きは比較的スムーズ。快適さの基準はそれぞれだろうが、CPU性能などが伴なわない場合、ビデオメモリ容量は単純に「多ければいい」と言うものでもないようだ

   
PCその6 ( Pentium D 805 / GeForce 6600 GT / 64bit版Windows Vista Ultimate)
▼CPU:
 Pentium D 805(2.66GHz)
▼メモリ:
 2GB(1GB×2)
▼グラフィックス:
 NVIDIA GeForce 6600 GT(256MB)
▼OS:
 Windows Vista Ultimate(64bit)

▼3DMark06:
 885 3DMarks

▼PCMark05:
 CPU Test Suite:3,779
 Memory Test Suite:3,001
 Graphics Test Suite:1,673
 まだ記憶に新しい、ハイコストパフォーマンスで話題になった低価格Pentium Dを搭載したマシン。2年ほど前の人気スペックと言ったところだ。

 このマシンの注目点は、何と64bit版のWindows Vistaであることだ。サポート外OSもいいところだが、意外に問題なく動作している(もちろん、この記事がすべてのWindows Vista環境での動作を保証することはできない点はご理解いただきたい)。

 その動作は低クロックモデルでもデュアルコアの効果がはっきりと出ており、オブジェクトの多い場所でも動作はなかなかスムーズで、テクスチャの読み込み速度も気にならない。表示解像度を1,280×1,024ドットから上げていくと、やはり重さを感じるようになるが、それでもPCその3、その4のSXGA環境と大差がない印象である。3DMark06の値では負けているのだが、Direct Xが関係なければこのクラスのビデオカードも純粋に力を発揮できるようだ。


解像度を上げると動作は重くなるものの、低スペックのマシンを見た後では、これでも十分と感じるレベル。デュアルコアの効果もあるが、ビデオカードとのバランスもよいのだろう

   
PCその7 ( Core 2 Duo E6750 / GeForce 8500 GT )
▼CPU:
 Core 2 Duo E6750(2.66GHz)
▼メモリ:
 2GB(1GB×2)
▼グラフィックス:
 NVIDIA GeForce 8500 GT(256MB)
▼OS:
 Windows Vista Ultimate(32bit)

▼3DMark06:
 2,256 3DMarks

▼PCMark05:
 CPU Test Suite:6,758
 Memory Test Suite:5,808
 Graphics Test Suite:4,443
 FSB 1,333MHzのCore 2 Duoに、エントリークラスのビデオカードを組み合わせた環境。最新のビデオカードではあるが、3D性能だけで見ればPCその3やその6には一歩譲る感じだろうか。しかし、CPUパワーは不足なしで、高解像度表示でも動作に不満は感じられない。

 ビデオメモリは多いほうがよいだろうが、ビデオカードに関しては現在のエントリークラスならセカンドライフには十分と言えるだろう。CPUパワーもあるので、クライアントの二つ、三つの多重起動(セカンドライフ内でのポピュラーなお金稼ぎ方法である“キャンピング”などに便利。クライアントの多重起動方法に関してはここでは書かないが、とくに禁止されているわけではない)をするにもよいだろう。ただし、当然ながら起動数を増やせば、それだけ全体の動作は重くなる。このスペックだと現実的なのは三つ程度であった。


CPUがこのクラスになると、ビデオカードがエントリークラスでも複数クライアント起動がそれなりにOK。メイン以外は環境設定を下げるというのもよいだろう

   
PCその8 ( Core 2 Quad Q6600 / GeForce 8600 GT)
▼CPU:
 Core 2 Quad Q6600(2.4GHz)
▼メモリ:
 4GB(1GB×4、使用可能領域は3.5GB)
▼グラフィックス:
 NVIDIA GeForce 8600 GT(256MB)
▼OS:
 Windows Vista Ultimate(32bit)

▼3DMark06:
 5,291 3DMarks

▼PCMark05:
 CPU Test Suite:7,697
 Memory Test Suite:3,708
 Graphics Test Suite:7,156
 クアッドコアCPU+3Dゲーマー定番のミドルレンジビデオカードという、今回試した中では一番のハイスペック。自作PCユーザーにとっては現在人気の鉄板構成。

 さすがにここまで来ると1,900×1,200ドット表示でもシングル動作ならばとくに不便を感じない。オブジェクト&テクスチャだらけの人気ショップ内でも動作にストレスを感じないのはクアッドコアの効果ならでは。環境設定ですべてのエフェクトをオンにして、「霧/視界率」を最大の4.0、描画距離も最大の512にするとさすがに重くはなるが、それでも許容範囲だ。

 ビデオメモリがさらに多いビデオカードならもう少し変わるかもしれないが、ここまで来ればあとは回線の問題か、セカンドライフのサーバーの混雑具合か、と言ったところではないだろうか。


さすがにエフェクトをすべてオンにすると少し厳しくなるが、この大解像度でも満足のゆく快適環境。

 
結局どれくらいのスペックがあればよいの?


環境設定で使用するビデオメモリ容量を下げると、移動などは快適になる。ただし、テクスチャを読み込める数が減るので、凝った景観を眺めるには向かない。


回線やサーバーの混み具合によっては、どんなスペックでもやっぱり重いところは重い。そういうときほどテクスチャなどの再読み込みを減らすため、メインメモリ、ビデオメモリは多いほうがよさそうだ
 こうしていろいろなPCで試してみると、チャットするだけならばかなりの低スペックでもOKということが分かるので、ビデオカードの搭載など、安定動作環境さえクリアすればひとまずは合格ということになる。

 ただ、このセカンドライフ内での最大の楽しみは何かと考えると、やはり作られたきれいな街並みを見たり、凝ったアバターを見せ合ったり、といったグラフィックを楽しむ部分が大きいのは間違いないだろう。それを快適に楽しめるだけのスペックは欲しいところだ。チャットを楽しむのに、会話相手と見えているもののきれいさが違うのではやっぱり楽しめず、セカンドライフ内で生活するモチベーションが違ってくるだろう。

 ちなみに、Intel G965やG33チップセットなどのオンボードグラフィックス機能では、起動はしてもやはり非常に不安定。それ以前の945Gや915Gチップセットなどでは動作を確認できたが高解像度での動作は厳しい。これらはドライバの対応の問題が大きいと思われるので、今後改善される可能性がないわけではないが、いずれにせよデスクトップPC、ノートPCを問わず、現状でのオンボードではなく、専用のグラフィックスチップ(ビデオカード)を搭載したものを選ぶのが、セカンドライフを始める上での基本と言える。

 今回テストした環境から見ると、CPUにCore 2 DuoなどのマルチコアCPUでミドルレンジ以上、ビデオカードはNVIDIAではGeForce 8500/8600クラス、ATIではRadeon HD 2400/2600クラスのものは欲しい。今となってはミドルレンジ~エントリークラスのマシンなので、HDDやメモリに少し奮発しても、デスクトップPC単体で見れば10万円以下で手に入るレベルである。シングルコアのPentium 4以前のマシンをお使いならば、そろそろ買い換えを検討するのも悪くないだろう。マルチコアCPUの効果も大きいので、デュアルコアのCore 2 DuoやAthlon 64 X2はもちろん、低価格化が進んでいるクアッドコアCPUもお勧めだ。

 なお、セカンドライフの環境設定では、使用するビデオメモリ容量の変更が可能となっているが、試してみたところ、これが意外に大きな存在。

 ビデオメモリが256MBなどで、視点を素早く回転させたときなど(=大量のオブジェクトを一気に画面内に表示させるとき)に画面がもたつく場合は、このビデオメモリを減らしてみてもらいたい。するとテクスチャの保存量が減る分、処理するオブジェクトのサイズが軽くなるため、スムーズに画面が動くようになるはずだ。もちろん、その分テクスチャを毎回読み込むことになるため、どちらがよいかは自分しだいといったところではある。

 最後に今回の内容をまとめてこの記事を終わりたいと思うが、筆者にとっての問題は、実家にマシンのパワーアップをどう説明するかである。スリムデスクトップマシンでもLow Profileタイプのビデオカードを増設できればセカンドライフを楽しめるようになると思われるが、それをあの親に説明して理解してもらえるのかどうか……(実家にはここ数年帰ってないんです!)。いずれにせよ、オンボードグラフィックスの問題が一番厄介なセカンドライフであった。


■“快適”セカンドライフ動作環境のまとめ■
●Core 2 Duoなどの現行デュアルコアCPUなら基本的に問題なし
●ハイエンドである必要はないが、ビデオカードの搭載は必須レベル
●ノートPCでもNVIDIAかATIのグラフィックチップ搭載が必要
●ビデオメモリは基本的に多いほうがよいが、CPUパワーとのバランスが悪いと逆にネックに
●サポート外だがWindows Vistaでも動作可能
●低スペックでも動作するが、遅い描画では生活に張りが出ない

 (セカンドライフ関連製品)

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。

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