【 2009年1月10日号 】
AMDがPhenom IIお披露目イベントを実施、OC指南も
 Phenom IIの発売をアピールする日本AMDの一般向けイベント「Don't think ~ 兄貴と紳士のお正月だよAMD」が、10日(土)にカフェ ソラーレ リナックスカフェ秋葉原店(ブロックD2-[e2])で開催された。

 イベントでは、おなじみの「兄貴」や「紳士」が登場、Phenom IIのデモやロードマップアップデートを行ったほか、OVERCLOCK WORKS 渡辺氏によるOC指南、液体窒素での6GHz実績報告が行われた。このほか、GPGPUの共通API「Open CL」のアピールや各社のセッション、購入者向けのプレゼント配布、じゃんけん大会なども実施されている。


  
パフォーマンス向上や
省電力をアピール
i7比較やOC指南も
     
 

●パフォーマンス向上と省電力をアピール
 Core i7との消費電力比較も

 イベントでメインとなったのは、「兄貴」こと土居 憲太郎氏が行ったPhenom IIの解説。

 解説では「Phenom II X4 940とPhenom X4 9950を比べると、トータルで20%前後、ソフトによっては45%向上している」(AMD)というパフォーマンス向上の内訳を「実行効率の改良で3%、クロックで12%、3次キャッシュの増量で5%」と説明。とくに高解像度のゲームなどで効果が高いとアピールした。

 また、省電力性能も向上、低消費電力モードの数を増やすことで、アイドル時のCPU消費電力を69W(Phenom X4 9950)から49Wに減少させたことも解説。ちなみに、この実例をデモするはずのPCではなぜか「Phenom X4 9950 < Phenom II X4 940」という結果に。デモ機の設定ミスと思われるが、あわてて「……今のはなかったことに(笑」という一幕も見られた。


 消費電力についてはCore i7-920との比較も行われた。それによると、PC全体の消費電力はPhenom II X4 940 Black Editionがアイドル時145W、高負荷時246Wで、Core i7が同178W/322Wになるとのこと。なお、比較されたのは消費電力面のみで、パフォーマンスに関しては特に言及がなかった(CPUのパフォーマンス比較に関しては僚誌記事を参照のこと)


 ちなみに同社では従来のPhenomを“Phenomクラシック”と呼んでいることも披露。さらにPhenom IIを使ったプラットフォーム「Dragon」のロゴにワールドワイド版とアジア版があること(日本国内はワールドワイド版を使用)や、今回のキャッチコピー「Don't Think」が「(考えないで)感じて欲しい」の意であることも明らかにしている。


●OC指南も実施、3.2~3.6GHzは常用レベル?
 液体窒素なら6GHz超?

 また、「空冷なら4GHz、液体窒素なら6GHz超が視野」と噂され、注目を集めているオーバークロック性能に関しては、セッション中に3.8GHz動作(コア電圧1.55V)がデモ。

 その後、オーバークロックを得意分野とするPCショップ「OVERCLOCK WORKS」の渡辺氏が登壇、「AMD非公認」としながらも、「3.2~3.6GHzが常用クロック」「3.6GHz~4GHzがチャレンジクロック」「4GHz~がクレイジークロック」とする同氏のテスト結果を説明した。

 同氏は、「倍率固定解除」を特徴とするBlack Editionでのオーバークロックが有利であることも解説。「チップセットへの負担」「CPUのFSB限界」「メモリの限界」と例に挙げてオーバークロックの考え方や手法などを説明した。

 このほかでは、BIOSとAMD Over Driveユーティリティ(以下AOD)を併用する際の注意点として、「BIOS側で電圧を変更しても、AODでの表示に反映されないが、実はちゃんと変更されており、AODでの±はBIOS設定値に対しての±として作用する」といった具体的なTipsも披露している。

 なお、同店では11日(日)に液体窒素を利用したPhenom IIオーバークロックイベント「Extreme Cooling Overclock Party2009 1st」を開催予定。同イベントでは著名オーバークロッカーが液体窒素と独自のノウハウでCPUを冷却、6GHz超えを目指すという。一般来場者が液体窒素を使ってオーバークロックを行なえるという体験コーナーも設置予定で、「兄貴」も13時ごろに来場予定。

 ちなみに、「先行テストでは既に6GHz超を達成した」(渡辺氏)とのことで、会場では証拠のスクリーンショットや、液体窒素冷却の手順解説も披露されている。

 予定されているイベント詳細は別記事も参照のこと。



次ページ→:CPUロードマップも更新45nm版CPUダイは3種類

□Don't think ~ 兄貴と紳士のお正月だよAMD(日本AMD)
http://www.amd.co.jp/shinshun/

□関連記事
【2009年1月10日】Phenom IIが10日(土)発売、Phenom初の45nm版
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20090110/etc_amd.html
【2008年12月27日】AMDが年明けにイベント実施、OpenCLなどをデモ
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20081227/etc_amd.html
【2009年1月8日】AMD、45nmプロセスクアッドコアの「Phenom II」を正式発表(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0108/amd.htm

AMD Phenom II

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。

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