発売されたばかりのPhenom IIを液体窒素で冷却、オーバークロックを競うというイベント「Extreme Cooling Overclock Party2009 1st」が、11日(日)、OVERCLOCK WORKSで開催された。
著名オーバークロッカー、AMDの「兄貴」こと土居 憲太郎氏、そして一般参加者と入り乱れた会場では、「空冷OCでは4GHz程度まで行ける」(AMD)とされるPhenom II X4 940 Black Edition(3GHz)を使った6GHz超の記録が続出、一時は世界記録も飛び出す盛り上がりをみせた。
●最高記録は6,235MHz、一時は世界の頂点に
【6,231MHz】 |
【6,231MHzを達成したPC】 |
【6,204MHz】 |
【会場の模様】 |
【会場で改造中】 |
【会場で改造中】 |
【ものすごい霜】 |
【自作温度計】 |
さて、記録そのものは、ネット各所での噂どおり「6GHz超え」という普段見られないクロックが続出。
参加したオーバークロッカーは、むしろ「6GHzを超えてからが勝負」といった風情で、わずか1MHzでも高クロックにしようと試行錯誤。頻繁に「今何Hz?」「今、1M何秒?※(Super PI 104万桁のこと)」などの会話がやりとりされる状態に。
結果として、開始4時間近くたった16時前、ついに6,231MHzで世界記録を更新。直後には6,235MHzという新記録も続けて飛び出し、会場はどよめきと拍手で盛り上がった。原稿を書いている現時点では、もうこの世界記録は抜かれてしまった(6,405MHz)が、その場では本人だけではなく、全員が喜びや達成感が味わえた。
ちなみに、会場で行われた「世界記録が出るほどのオーバークロック」の手法だが、まず、冷却には一度は聞いたことがあると思う冷却材「液体窒素」と専用の筒状クーラーを利用。さらにマザーボード自体も改造し、電圧コントロールつまみなどがついていたりする。これらは実際にマシンの状況や調子を見てコントロールする必要があるためで、記録を出すためには、これらを活かすオーバークロッカーの経験や勘も非常に重要だ。
なお、そうした改造でマシンをオーバークロックするのは当然のごとく保証なし。万が一ケガなどしてもすべて自己責任なので気をつけて欲しい。
●イベントは一般にも公開、一般参加者も液体窒素でOC体験
【一般参加者の様子】 |
【説明するスタッフ】 |
【一般参加者向けのOC機材】 |
【用意された液体窒素】 |
【興味津々な兄貴】 |
【撮影中】 |
最新CPUを使ったオーバークロックイベントはCore i7発売時も同店が行っていたが、今回は一般参加も可能なオープンなもの。希望すれば一般参加者も液体窒素でオーバークロックできるというおもしろい企画だ。
実際、オーバークロックのやり方を真剣に聞く人も多かったが、「液体窒素」というハードルの高さからか、「我こそは」という人は少数。液体窒素を注入するのを交代で行うなど、(オーバークロックではなく)「液体窒素を扱ってみる」という点に絞ってチャンレンジする人が多かった。
ちなみに、会場にはAMDの「兄貴」もこっそりと参加。液体窒素でのPhenom II オーバークロックに興味津々だった様子。兄貴のブログも更新するそうなので興味のある方は見てみると良いかもしれない。
同店では、「機会があれば今後も同様のイベントを開催したい」とのことなので、液体窒素でオーバークロックしてみたい人は注目しておくと良さそうだ。
□OVERCLOCK WORKS
http://www.ocworks.com/
□兄貴と紳士の遠吠え(仮)
http://blog.amd.jp/
□The AMD 6GHz 倶楽部(オーバークロックワールドレコードデータベース)
http://jp.ripping.org/database.php?club=6GHz&brand=AMD
□関連記事
【2009年1月10日】Phenom IIが10日(土)発売、Phenom初の45nm版
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20090110/etc_amd.html
【2008年11月22日】Core i7のOCイベント実施、液体窒素で5GHz越え
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20081122/etc_ocworks.html
(市川健太郎)
| | AMD Phenom II |
[撮影協力:OVERCLOCK WORKS]