【 2009年5月23日号 】
「フリーオ」が初の店頭販売、地デジ/BS放送などに対応
謳い文句は「デジタルコピーフリー」、取り締まりに関する法的議論も
 “デジタルコピーフリー”をうたう地上デジタル放送対応チューナ「フリーオ」が初めて店頭発売されている。

 実売価格は、ExpressCard/34接続カードモデルが15,800円、CS/BSデジタル放送専用/地デジ非対応のUSB接続モデルが20,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 ただし、販売数には限りがあり(数量は不明)、次回入荷については「現在は未定」という。また、USBモデルは三月兎3号店(ブロックE1-[a6])では完売している。

●秋葉原での店頭販売は初

 フリーオは以前から通販サイトなどで販売されていたが、秋葉原での店頭販売を確認したのはこれが初めて。PCで受信したデジタル放送の番組を「個人で制限なくデジタルコピーできる」として当初から注目され、さらにB-CASカードを使わなくても番組を視聴できるなど、一般的な地デジキャプチャ製品とは大きく異なる仕様になっている。

 B-CASカードはパッケージ同梱されておらず、ExpressCardモデルにはカードリーダーすら装備されていない。USBモデルはカードリーダーを備えているものの、Webサイトの製品情報では「ご自身でお取り寄せ下さい」とされている。ただ、BSデジタルの契約チャンネル(WOWOW等)を見るにはB-CASカードが必要だが、契約が不要のチャンネルはB-CASカードなしでも見られるという。

●ARIBのコンテンツ保護規定違反品
 取り締まりに関する法的議論も

 ただし、このような仕組みはARIB(社団法人 電波産業会)が定めるコンテンツ保護規定に違反するもの。こうした機器は「不正チューナ」「無反応機」(コピー制御信号に反応しない機器の意)とも呼ばれている。現時点で法的に取り締まることは困難、という見方もあるが、総務省の情報通信審議会では違反を取り締まるための法制度に関する議論も行なわれている。こうした背景は覚えておくべきだろう。

 ショップ側も、今回の販売開始については「実験的な販売」としており、「地デジの電波を研究するために使ってほしい」と話す。今後については「何かあったらやめるかもしれないし、問題がなければ続けていくかもしれない」という。


□フリーオ
http://www.friio.com/
□Friio BS/CS USB 2.0 ISDB-S Digital TV Receiver/friio Express Card ISDB-T DTV Receiver(三月兎)
http://www.march-rabbit.jp/index.php?main_page=product_info&cPath=22_100&products_id=3267
http://www.march-rabbit.jp/index.php?main_page=product_info&cPath=22_100&products_id=3266

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Friio

[撮影協力:三月兎2号店と三月兎3号店(ブロックE1-[a6])]

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。