異なるGPU、たとえそれがAMDとNVIDIAであっても、2枚差しで性能強化できるというユニークなLGA1156マザーボード。メーカーはMSIで、同社のハイエンドマザーボードになる。 最大のウリは、LucidLogixの技術「Hydra Engine」を搭載する点。このHydra Engineはブリッジチップ「Hydra 200」とドライバで構成されるマルチGPU技術で、AMD/NVIDIA両者のGPUを混在(X Mode)、あるいは同メーカーの異なるGPUを混在(A Mode/N Mode)させるという柔軟なマルチGPU環境が構築できるという。 ブリッジチップはPCI Express 2.0 x16インターフェイスを2基のPCI Express 2.0 x16スロット(x8モードまたはx16モードで動作)に分岐し、各スロットに装着されたビデオカードに処理を分散させることで負荷の低減(=パフォーマンスの向上)を実現する仕組み。 具体的な負荷分散方法は、CrossFireやSLIで一般的なフレーム別(AFR)や描画エリア別(SFR)ではなく、「リアルタイム解析を行い、描画機能別で行っている」(Lucid)とのこと。詳細については公開されていないが、具体的には「アンチエリアス/ステンシル/色深度などに分けて処理を行っている」(同)とされる。また、DirectXによる3D描画以外のアクセラレーション、例えばビデオ再生などのアクセラレーションは、プライマリビデオカードのものがそのまま利用されるという。 MSIでは「性能の異なるビデオカードを混在してもパフォーマンスは向上する」と説明しており、異種混在による性能強化のほか、ビデオカード買い替え後の旧カード活用方法としても有用だという。 なお、混在できるGPUに制限があるほか、使用するGPUによっては旧バージョンのブリッジチップドライバを導入したほうが良いとされている点などに要注意。 組み合わせ可能なGPUなどの情報は、MSIが公開しているPDF資料「Hydra Graphic Card Combination Table」で確認することができる。 なお、MSIでは「当面、このLucidの技術はMSIが独占利用することになる」とアピールしており、「LucidといえばMSI」を合言葉に製品を展開していくという。 このほか、オーバークロック性能の高さもウリで、全コンデンサに、高い信頼性と耐久性をうたう「Hi-c CAP」を採用する点や、各種ステータスの監視などが可能な外付けLEDディスプレイ「OC DASHBOARD」が付属する点、ボタンを押すだけでオーバークロックが可能な独自機能「OC Genie」を搭載する点などがうたわれている。 マザーボードの仕様はスロット数がPCI Express 2.0 x16×3(x16+x16またはx16+x8+x8で動作)、PCI Express x1×2、PCI×2、DIMM×4(DDR3 1333/1066/800、最大16GB)で、主な搭載機能がGigabit Ethernet(2ポート)、Serial ATA(10ポート、RAID 0/1/5/10/JBOD対応)、IEEE 1394、8チャンネルサウンド(サウンドカード「Quantum Wave」が付属)。
□LucidLogix http://www.lucidlogix.com/ □関連記事 【2010年1月8日】エムエスアイ、AMD/NVIDIAのビデオカードを混載して、性能向上が図れるマザーボード(PC Watch) http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20100108_340991.html
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