【 2010年5月22日号 】
東プレがRealforceシリーズの体験イベントを開催、
静音モデルやミニキーボード試作機を展示

当日会場の入り口には、同イベントの概要を示した看板が設置された

同じく入り口の看板。Realforceシリーズのキーの構造を図解したものだ
 5月16日(日)、高品質キーボードとして知られるRealforceシリーズの体験イベントが、IT・レンタルルーム@秋葉原にて開催された。主催は、同シリーズの開発元である東プレ(株)。

 Realforceシリーズは、東プレが開発した「静電容量無線点方式」と呼ばれる、接点自体を接触させずにスイッチをオン/オフできる構造のキーを採用している点が特徴。そのため耐久力が高く、またキー荷重(キーを押し下げる際に必要な圧力)を幅広く調整できる。

 同イベントは、現行製品や発売予定となる新製品をユーザーに直接触れてもらうことで、入力の快適さやキー荷重の違いといった、同シリーズの特徴を実際に体験してもらおうというものだ。


●8月発売予定の静音タイプが登場


従来モデル(左)と静音モデル(右)の比較。自由にタイピングしながら、打鍵音の違いを確認できた

Realforceならではといえる、4種類の荷重の異なるバリエーション展示。実際の打鍵感の違いに驚いたり、納得したように頷く来場者の姿も見られた
 今回のイベントでの注目製品のひとつは、8月に発売予定(スタッフ談)の静音タイプ。

 外観は従来モデルと変わりないのだが、従来のキーで問題となっていた打鍵音を軽減したタイプだ。スタッフの方に伺ったところ、実は同シリーズの打鍵音はメカニカルキーボードなどと異なり、キーが押された時ではなく、キーが戻る際にキートップが支えに接触して発生していた。そこで静音タイプは、接触した際の衝撃を吸収するためのダンパー材を設けることで衝撃音の低減を図ったという。

 パーツと組み立て工程が増すため、価格は現行モデルより上がる見込みとのこと。しかし耳を近づけてみても、同シリーズ独特の入力音が減少しており、効果は非常に高く感じた。会議中での入力などに大きな威力を発揮しそうである。

 また、一部ショップでの限定モデルとして登場していた、キー荷重を55g/45g/30gで統一したモデルも展示。標準モデルである可変荷重モデルと合わせて違いを体験できた。スタッフにこれまでの人気を尋ねてみたところ「アメリカだと55gが、日本では30gが好まれる傾向にあります。また、30gモデルを発売したことで、女性ユーザーが増えました」と、面白いコメントがいただけた。


●ヘビーユーザー待望?のミニキーボード試作機


ミニキーボード試作機。狭いキーピッチを活かし、可能な限り多くのキーを搭載することを目的とした配列となっている

ケーブルは汎用のmini Bタイプ(USB 2.0コネクタ用)が使える仕様だ。動作インジケーターの取り付け方にも注目
今回の試作機は日本語モデルだが、言語仕様に関してもユーザーからの意見を募集中とのことである試作機でありながら、Realforceロゴもしっかり印刷されていた。実際に触ってみても完成度の高さが印象的だった
 そして今回の目玉と言えるものが、現在開発中のミニキーボードの試作機。

 これは「現在開発中だが、ユーザーの意見を聞きたいので出品した」(スタッフ談)というモデル。キー以外の部分の面積を徹底的に削り、小型化を追求したタイプのキーボードである。

 この試作機の特徴は、17mmキーピッチの小型キーを搭載し、小さなサイズでありながらカーソルキーやファンクションキー、テンキーを省略せずに搭載している点と、キーボード側のUSB端子がminiBコネクタとなっており、汎用USBケーブルで接続が可能な点。

 同種の小型高級キーボードとしては、19mmピッチのキーでありながらキー数を最小限としたPFU製「Happy Hacking Keyboard」(HHK)シリーズがあるが、コンセプトとしては完全に対称的になる。なお厳密な比較ではないが、幅・奥行きとも、HHKシリーズに比べて1〜1.5cmほど大きいという。

 今回の試作機は、アルファベットのキーなどは、同社製のキーを搭載した「μTRON Keyboard」を流用し、一部キーや外装を特注試作した仕様。そのためもし発売が決定したとしても、発売までにはかなりの時間がかかる(スタッフ談)とのこと。

 もともとヘビーユーザーに人気の高いミニキーボードである点に加え、Realforceならではのキーの打ちやすさを備えたこの試作機は、来場者が自由に触れられるとあって、非常に熱い視線を浴びていた。


●超激レア?企業向けカスタム製品の展示も


(株)アイロベックスのオリジナルカラー版。展示は今回だけ、かつ非常に目立つ色ということもあり、興味深く見ていたユーザーが多かった

企業向け特殊キーボードの例。このように、キーフォントのカスタマイズも可能とのこと。特殊な配列にも注目

通信業界向けのキーボードとして、こんな超大型キーボードも展示。同社の技術が伺える一品である

これがプレゼントのストラップ。スイッチこそないものの、打鍵感は実際の製品とほぼ同じに調整されている
 また、ヘビーユーザーの注目を集めていたのが、企業向けのオリジナルキーボードの展示コーナー。

 東プレは1ロット100台からオリジナルキーボードの受注を受け付けており、キーや本体の色をはじめとする各種のカスタマイズが可能になっている。会場ではそうした事例として、(株)アイロベックスのオリジナルカラー版や、航空業界や通信業界で使われる特殊配列キーボードなど、各種のキーボードを展示。初めて見る専用キーボードに興味津々という入場者もいたのが印象的だ。

 なお当日は、アンケートに答えることで、同シリーズのキースイッチで造ったストラップのプレゼントが実施された。

 このストラップのキーは打鍵が可能で、なおかつRealforceシリーズのスイッチがほぼそのまま組み込まれていることから、現行ユーザーを中心にアンケートに答える熱心なユーザーも見られた(筆者含む)。

 なお、スタッフにアンケートの回答について伺ったところ、「ワイヤレス版の発売要望を山というほど聞かされました」とのこと。この回答項目はあらかじめ用意されていたものなので、将来製品への展開も期待できるかもしれない。


□東プレ
http://www.topre.co.jp/

□リアルフォース 体験イベント@秋葉原(東プレ)
http://www.topre.co.jp/news/20100429/event.html

(橋本 新義)

東プレ Realforce

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。