安値モデルの4GB×2枚セットが2,500円を割り込むなど、過去最安水準となっているDDR3メモリ。激安品が注目されがちだが、普段なかなか手を出しにくい高品質モデルも値下がりしている。実は今が高品質なメモリを手に入れるチャンスだったりするのだ。

　そこで、現在秋葉原の店頭で販売されているメモリで、お買い得かつ高品質だと思われるメモリを探してみた。何を持って高品質とするかは難しいところだが、今回はメモリチップに重点を置いて選択している。絶対的な指標ではないが、購入時の参考にしてもらえれば幸いだ。

●チップメーカーの刻印は信頼性の証

大手チップメーカーの刻印

　高品質なメモリかどうかのポイントとして、メモリチップに大手メモリチップメーカーの刻印があるかどうで筆者は判断している。これはメモリに詳しいショップスタッフから聞いた話だが、市場に流通するメモリチップは大きく分けると3つに分類される。

• チップメーカーが厳しい検査を行い、品質を保証する証としてメーカーの刻印を施したもの
• チップメーカーが検査を行わず、未検証品として無刻印で出荷される物
• チップメーカーの厳しい検査には落ちたが、通常用途では問題ないと判断され無刻印で出荷される物

　現在大手とされるメモリチップメーカーは、エルピーダメモリ、Samsung Electronics、Hynix Semiconductor、Micron Technologyの4社のみ。この4社の刻印のあるメモリチップは少なくともメーカーの検証をパスしたものなので、高品質かどうかの判断材料になる。ちなみに、サーバー向けメモリなどはこの4社のチップが使われるのが通例となっている。

　ちなみに、無刻印のものは、販売メーカーやモジュールメーカーが独自に刻印を行い販売される例が多い。品質チェックをどの程度行うかは販売メーカーのさじ加減次第。大手チップメーカーの刻印のないものは、超高品質なものから低品質なものまで玉石混淆だ。

●ヒートスプレッダ付きメモリは高品質？

冷却性能重視のCORSAIR製メモリ

ブランドネームをアピールするCrucialのメモリ

　　店頭で販売されているメモリには、ヒートスプレッダやヒートシンクが装着されている製品も数多く流通している。ヒートスプレッダやヒートシンクが付けられるのは、冷却性能を高めたり、高級感やブランドの個性を出すためだ。

　ヒートスプレッダなどを備えるのは、OCタイプを含む高級メモリや、その逆の激安メモリに多い。メモリチップを直接確認できないため、これらの製品は搭載チップではなく、ブランドなどで判断すべき製品といえる。

　なお、最安値付近で売られているような激安メモリの場合、ヒートスプレッダの下にあるのは前述のようなブランド品メモリチップではない例がほとんどだ。

●筆者独断、チップメーカー刻印のある割安メモリ

今回購入したcrucialのメモリ

もちろんMemtest86+でもエラーは見られない

　上記のことを踏まえて、品質が高そうで割安感のあるメモリを探してみた。筆者的には4GB×2枚セットで5千円前後というのが割安感を感じるラインだ。

　なお、高品質なメモリを販売するメーカーとしては、サンマックス・テクノロジーズや、センチュリーマイクロなどがよくあげられる。大手メモリチップメーカーの純正モジュール、Kingston Technology製の大手メーカーチップ採用品、Micron Technology子会社のcrucialが販売するメモリなども高品質なものに分類される。

　ちなみに、筆者は今回crucialブランドの製品を購入した。大手メーカーのチップ搭載品は、初期不良を除けば問題が出ることはまれ(定格動作では)。使用者の好みで選んで問題ないケースが多い。

DDR3 DIMM 4GB

[撮影協力:パソコンショップ アークとクレバリー インターネット館]