1998年1月10日号
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年明けは一転してメモリの価格が急上昇!情報も混乱
昨年末に5,000円を切ったはずのEDO 32MBが一気に7,000円に
【EDOメモリ急騰】 | 【品切れ目立つ】 |
象徴的なところで、プライスリーダー店の調査結果を簡単に紹介しよう。昨年末に4,900円にまで落ちていたEDO 32MBの価格は、結局10日(土)の段階で神和電機が6,200円、キョードー半導体店が7,000円、スリートップとピーシーアドバンスドが品切れ、という状態になっている。神和電機にしても、9日(金)には品切れで、価格表は空白となっていた。ほかのショップも、9日(金)に5,000円台付近をつけていたところは10日(土)になると軒並み「売り切れ」の表示にバタバタとオセロのように変わっていき、有力店全体では在庫しているショップは5割程度しかないという印象をうける。Flip-Flapでは、ときおり見られる「業者による買い占めを防ぐため、しばらくの間、メモリの販売をお1人様あたり4本までとさせていただきます」という張り紙がまた復活しているありさま。
ショップ関係者、メーカー筋などに話を聞いてみると、いろいろと情報が錯綜している様子で、「なにか知りませんか?」なんて逆に聞かれてしまうこともしばしば。おおよそ共通している話というのは、 (1)とにかく品不足で商品が入ってこない (2)新年明けてからどこの流通ルートも急騰している (3)韓国ルートのDRAMチップの供給が絞られて価格が上がったのが要因(韓国の経済危機のあおりで韓国メーカーが資金不足に陥り、資材調達できなくなっている、との噂が海外で出ている)、というあたり。メーカー関係者でもこの急変は予想できなかったらしく、ある大手のメモリメーカーは緊急対策会議も開いたそうだし、本来はライバル関係にある別系列の流通筋からも「緊急で注文したい」という話が来ているとか。
さて、一番気になる「この先どうなる?」という話だけれども、これがまたさらに話がバラバラで、どうも関係者でもハッキリわからないらしい。ただ、少なくとも短期的には、円安の影響と便乗値上げもあって値上がりする、SDRAMがこれから急騰しそう、といった上昇説が有力のよう。国内メーカーからの工場直送でメモリを販売しているあるショップも「このままだとEDO 32MBは8,000円台もありうるかも」と話している。ただ、その一方で、これは一時的なもので長期的にはやっぱり下げ基調に変わりはない、と楽観視する大手ショップもある。
今のところ、品不足と急騰の動きは商品の回転の早いEDO 32MBだけに顕著に現れている状況で、ほかのメモリの実売価格にはまだそれほど影響は出ていない。今後この動きがほかにも広がるのかどうかは、しばらく様子を見ないとまだわからない。ただ、メモリ価格の「リトマス試験紙」と言ってもいいアキバのプライスリーダーでのEDO 32MBの価格は、確実に「真っ赤」な反応を示している、ということだけは言える。
[撮影:DCR-PC7+DVBK-W2000]