1998年2月28日号
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AladdinV搭載マザーボード「MS-5169」がついにデビュー
期待のSocket 7 100MHzマザーが一部のショップに少量入荷
【ベースクロック】 | 【電圧設定】 |
【MS-5169】 | 【パッケージ】 |
MS-5169の販売開始一番乗りはパソコン工房秋葉原1号店と同3号店。ただし、入荷数はごく少数のため、この土日のうちに売り切れになることは必至。価格のほうは両店で異なり、前者は24,800円、後者は19,800円(この価格差については、前者は昼、後者は夕方に調査したという時間差が関係している可能性あり)。いずれの価格にしてもSocket 7としては高価な部類に入るものの、マザーボード全体がベース100MHzを前提として設計されたものと考えれば、これも仕方のない範囲かもしれない。ほかのショップでも予価19,800円として予約を受け付けていたことから、今後出回る製品も実売価格はやはり2万円程度ということなりそう。
マザーボードはATX/PBSRAM 512KB/PCI×3/(ISA/PCI)×1/ISA×2/AGP×1/DIMM×3というスペック。ベースクロックは66/75/83/100MHz、CPU電圧は2.2/2.5/2.8/2.9/3.2/3.3/3.5Vをサポートしている。チップセットはNorthBridgeとしてM1541(A1 STEP)、SouthBridgeとしてM1543(B1 STEP)が搭載されている。この2チップ構成のAladdinVには、SuperI/OとTAG RAMも内蔵されているため、マザーボード上に載っているチップ部品は数が少なく、あとは2次キャッシュとBIOS ROMが目立つ程度。
気になる100MHzのサポートについては、ショップ側の説明によれば、マザーボートとしてのサポートは基本的には66MHzまでで、Cyrixのみ75MHzまでだという。とは言っても、83MHzと100MHzのサポートをうたっていないのは、単に現在までに対応CPUがまだ出ていないためという当然の理由によるもので、対応CPUが出た時点で100MHzサポートをうたう予定になっているとのこと。
今のところはサポート外として使うしかないものの、MS-5169での100MHz安定動作には期待をかけずにはいられない。すでにネット上ではサンプル品のMS-5169とMMX Pentiumを使ったベース100MHz動作テストの内容が公表されているほか、ネックになりがちな2次キャッシュもWinbond製4.5nsの高速なPBSRAMが搭載されている。100MHz設定を持ったマザーボードとしてはSiS5591チップセットを搭載したEliteのP5SD-Bが先に出ているものの、こちらは「人柱」達のテストによって2次キャッシュが100MHz動作で追いつかないこと、市販のPC/100対応メモリとの相性があることなどが問題点としてすでに判明している。また、複数の台湾メーカー関係者の証言によれば、やはり現行のSiS5591(A2 STEP)は100MHzを正式サポートしておらず、100MHzはB0 STEP以降でサポートされることになっているという話だ。つまり、残念ながらP5SD-Bではフルスペックでの安定動作は期待できない(もともとP5SD-Bは100MHzについては非公式サポート)。そのぶん、余計にこのAladdinV搭載のMS-5169には大きな期待がかかるところだが、これも時を待って「人柱」たちの大いなる挑戦による結果が出てこなければ、確実なところはわからない。
とにかく、この最初のMS-5169に対する人柱達の評判しだいでは、今度こそ100MHz Socket 7 100MHz時代の真の火付け役になる可能性が大。目下のところは、自分自身がMS-5169(AladdinV)最初の人柱となるのか、あるいはひとまず待つのか、それが問題だ。
□Microstar
http://www.msi.com.tw/
・MS-5169
http://www.msi.com.tw/product/5169/5169.htm
□マイクロスター
http://www.micro-star.co.jp/
[撮影:DC-2E 協力:パソコン工房秋葉原1号店と同3号店]