1998年3月28日号
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Ultra2SCSI対応HDDと7,200rpm IDE HDDがついにデビュー
SeagateからBarracuda 9LPとMedalist Pro登場
【Barracuda】 | 【Barracuda】 |
【MedalistPro】 | 【MedalistProデモ中】 |
Ultra2(Wide)SCSIとは、LVD(Low Voltage Differential)で信号をやり取りし、データ転送を最大80MB/sにまで高め、さらに信号ケーブルが最長12mまで引き延ばせるというSCSIの最新規格(Point to Pointの接続では最長25m)。先にAdaptecとIOI TechnologyからUltra2SCSI対応カードが発売されていたことから、対応HDDの登場が長らく待たれていた。ここ最近になって複数のショップが予約を始めたことで、QuantumのVikingIIが対応HDDとして先陣を切るのではないかと見られていたが、意外にも実際にトップを切ったのはほとんどノーマークのSeagate Barracuda 9LPだった。
このHDDは、9.1GB/7,200rpm/Ultra2WideSCSI/1MB Cache/5Disc 10Headというスペックをもつもので、SCSI派のパワーユーザーにとっては注目の製品。唯一入荷して在庫を持っているBLESSでは、Ultra2SCSI対応カードと一緒に注文する人などが相次ぎ、すでに残りがわずかになっているという。なおUltra2SCSI対応カードとしてはAdaptec AHA-2940U2Wが6万円前後、IOI Tecnology IOI-4206LVDが2万円前後で出回っているが、Ultra2SCSI対応のケーブルとターミネータが単独で入手できない現状を考えると、すぐにでもUltra2SCSIの環境を構築したい人にとっては、これらが同梱されている前者の方が確実な製品と言える。
さて、すべての環境をそろえると超高価になってしまうUltra2SCSIと違い、Medalist Pro 9140はインターフェースがおなじみのIDEなので、初期投資の面で圧倒的に安く、誰にでも手の出せる製品。もちろんUltra ATAにも対応し、なによりIDEでは初めて7,200rpmの高速回転スピンドルを採用しているという点が注目される。9.1GB/7,200rpm/IDE,Ultra ATA/512KB Cache/4Disc 8Headというスペックを持ち、内部データ転送速度は24MB/sを超える。29日(日)から販売を始めるというショップを含め、在庫ショップは計3店ある。価格は5万円台。実際にどれだけ体感で速いかを知りたいという人は、ソフトクリエイトFM館が自由に触れるデモ機を用意しているので、実際に触れてみるのがいいだろう。店内の環境で確認した限りでは、動作音も意外に大きくないので、自宅の環境でも気軽に使えるHDDかもしれない。ちなみに、デモ機で実行していたHDBENCHでの実測スピードは、参考までにREADが約10MB/s、WRITEが6.5MB/sだった。また、海外では「The Storage Reveiw」などのページで詳しいレビュー記事があがっているので、興味のある人はこちらも参考にするといい。このほかの、4.5/6.5GBのモデルも今後近いうちに出てくると見られる。
まだ不完全な状態にあるCPUのベースクロック100MHz環境に手を出すよりも、HDDのスピードアップの方が現実的、という考え方もある。給料日直後のこの週末、マシンのスピードアップのためにHDDを投資対象にしてみるのも一つの選択肢だ。
【ST39173LW 価格表】 | |
ショップ | 価格 |
BLESS | 138,000円 |
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【ST39140A 価格表】 | |
ショップ | 価格 |
ソフトクリエイトFM館 | 51,800円 |
ぷらっとホーム | 54,800円 |
パソコン工房秋葉原1号店 | 29日(日)販売予定 |
[撮影:DIJEとDC-2E 協力:BLESSとぷらっとホームとソフトクリエイトFM館]