1998年4月4日号
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CyrixのMediaGXmは実はSocket 7対応だった?
サンプル展示されたMediaGXm搭載マザーボードに唖然..
【MediaGXm on Socket 7】 | 【MediaGXmの裏】 |
【GCT-MGXM】 | 【パッケージ】 |
このセットを評価サンプル用として入手したのはA-Masterで、メーカーに直接出向いて技術説明を受け、そののちに持ち帰ったものだそうだ。マザーボードはBabyAT/PCI×2/ISA×2/DIMM×2/Award BIOSというスペックで、セットのMediaGXmは180MHz対応のもの。製品はマザーボードとMediaGXmがセットになった形になっており、同店で販売を始めるとすれば、MediaGXm 200MHzとセットになったタイプからになるとのこと。日本語Windows 95を動作させるための技術的な調整作業が完了しだい販売開始する予定で、価格はまだ未定。
MediaGXmは従来のMediaGXにMMX機能を搭載するなどパフォーマンス向上を図り、コンパニオンチップも新しい「CX5520」に変更された新型タイプ。このマザーボートにはさらにNational SemiconductorのSuper I/Oチップも載り、このシステムだけで、CPU/ビデオ/USB/IrDA/ほか周辺I/Oが全て内蔵された状態になっている。基本的には、あとはメモリとHDDやFDDなどを付け加えれば、すぐに1台のパソコンが完成する、というわけ。サウンドは従来通りSoundBlaster 16/Pro互換で、ビデオは1,280×1,024ドット×256色まで対応。サンプル品には用意されていないが、モデルによってはTV出力(NTSC)の機能もあり、最大800×600ドット 60Hzで表示できる。BIOS表示の段階からTV出力が可能だ。
気になるMediaGXmの形状はSocket 7とフルコンパチ。話によると、この直前のバージョンのMediaGXmでは、Socket 7から最外周1列のピンを取り去った形になっていたものの、最終的にはSocket 7とフルコンパチの形状になったそうだ。ただ、ここは誤解してはいけないのだが、Socket 7といってもあくまでも形状が互換であるというだけで、信号的にはまったく互換性はない。いわば「メカニカル・コンパチ」ということで、このマザーボードにK6やMMX Pentiumを載せても動くわけはなく、逆にMediaGXmを一般のSocket 7マザーボートに挿しても、やはりまったく動かない(どころか、壊れる可能性大)。では、なぜSocket 7なのかと言えば、それは差し替えアップグレードを考慮してのことらしい。というのも、今までのMediaGXはマザーボードに直接実装するかたちをとっていたため、新しいクロックのMediaGXが出てきてもアップグレードは不可能だった。なんらかのZIFソケットを使えば、MediaGXm 180MHzから200MHz、233MHzと差し替えてアップグードが可能になる。ZIFケットならなんでもいいわけだが、そこはコストや実績を考えてSocket 7をそっくりそのまま採用することになった、ということらしい。
すでに、このマザーボードとMediaGXmのセットは台湾で販売の実績があるものの、BIOSなどの問題で日本語Windows 95 OSR 2.1でインストールできないという問題が発生しており、現在はそれを修正すべくメーカーと連絡を取り合っているところだそうだ。同店では、MediaGXmの単体販売も行えるよう調整中とのこと。
注釈付きではあるが、アキバにまたSocket 7関連の商品が増えそう、ということに間違いはない。同店で現在実物を展示中だ。
□Global Circuit Technology(GCT)
http://www.icon-gct.com/
□Cyrix
http://www.cyrix.com/
・MediaGX
http://www.cyrix.com/process/prodinfo/mediagx/mediagx.htm
[撮影:DIJE 協力:A-Master]