1998年4月11日号


発表目前にして440BX搭載マザーボード情報が混沌状態に
売っただの予約開始OKだの14日からだの遅れるだの..

6BTMNC-market
【6BTMデモ中】【ASUS 440BXマザー価格表】
謎のNewチップ山積み
【謎のNewチップマザー?】【EPOX BXマザー山積み】
パルテックデモ中
【パルテック】【デモ中】

 Intel米国本社から、新型PentiumIIを含む新製品の発表が15日に行われるとのアナウンス(Media Alert)が正式に出された。ここでベースクロック100MHz対応のPentiumIIのほか、440BXチップセットやCeleronも同時発表されることになる。

 正式発表まであと数日というこの状況の中、国内はどうなっているのかというと、これがもう440BXマザーボードに関する流通情報を中心に混沌状態になっている。やれ、どこのショップではもう売っただの、販売開始の解禁日は14日だ、いや16日、15日正午からだの、代理店が「今売っていい」と言っているだの、あるメーカーは出荷直前で延期になっただの、ある製品は品質が悪いだの、Celeronは来週にも入荷するだの...もはや、聞いてる方は何が本当で何が間違いなのか判断することが難しく、とてもまとめられる状況ではない、というのが正直なところ。さまざまな思惑が絡んでいるようで、一つ一つの情報にかかっているバイアスもそうとうなもの。また、ネット上では「440BX Rumor Room」という440BX関連の製品情報や流通情報などを集めて掲載している「噂」のページもある。

 というわけで、今回はいくつかのテーマに絞って知り得ている情報を簡単にまとめておくことにする。短期間の間に集中的に多種多様な情報が駆け巡ったため、真偽のほどがはっきり確認できなかったものも多いが、その点はあらかじめここでお断りしておく。

440BXマザーボートはもう入手が可能?

 440BX搭載マザーボードがいつ手に入るのか、というのがもっとも気になるところだが、実はもう入手しているという人がすでに数人現れている。そのうちの何人かは、驚いたことに詳細なテストレポートまでパソコン通信の会議室やWeb BBS上に掲載しており、人によってその入手方法を「借用」したものとしていたり、ショップで購入したものとしている。また、「440BXマザーボードを購入しました。購入したショップは..」、「A-Open AX6Bを地方のショップで26,000円で買った」とわざわざメールで編集部に知らせてくれてきた人もいる。

 少なくともアキバではまだおおっぴらに売っているところは出ていないが、それでも4月第2週の間には、A-OpenのAX6Bを「29,800円~」という値札をつけてショーケースに展示していたショップを確認したほか(ただし、11日(土)までにはなくなっていた)、ソフトクリエイトFM館では11日(土)現在、EPOXのEP-61BXA-Mを店内に山積みにし、「まもなく販売開始」、「31,800円」というPOPまで張り付け、ほとんど半分フライング気味の状態にさえなっている。

 アキバ以外のショップも含めると、ほかにも予約を開始したところ、製品をデモ中のところ、価格や製品仕様、型番を掲示しているところなどいろいろある。確認できている範囲では次のショップがある。

ショップ名 内容
ソフトクリエイトFM館
(秋葉原)
EPOX EP-61BXA-Mのパッケージを店内に山積み。「なぞのIntel Newチップマザー近日発売予定の新製品」、「Intel NewチップセットBX搭載!!まもなく販売開始!!くわしくはレジ係まで」、「31,800円」といった張り紙あり。また、このマザーボードを使ったマシンにWindows95 OSR2.5をインストールし、動作デモ中(誰でも操作可能)。
NC-market
(秋葉原)
ASUS P2Bシリーズの予価を店頭の掲示板に表示中。P2B(28,200円)、P2B-L(LAN/34,200円)、P2B-S(SCSI/46,200)、P2B-LS(LAN+SCSI/51,200円)、P2B-D(Dual/48,000円)、P2B-DS(DualSCSI/64,000円)。また、ASUSの440EX搭載Celeron用マザーボードP2L-N(37,800円)の予価も掲示。さらにSUPERMICROの製品仕様リストを掲示中。P6DBS(Dual CPU/Dual SCSI)、P6DBE(Dual CPU)、P6SBS(SCSI)、P6SBAの4種類あり、「16日発売決定、予約受付中」となっている。
ソフトアイランド秋葉原店
(秋葉原)
CHAINTECH 6BTMを動作デモ中。BIOSではベースクロックは133MHz、内部倍率は5.5倍まで用意されている。4月中に入荷予定。価格未定。
ピーシーアドバンスド
(秋葉原)
A-Open AX6Bを展示中。
フロンティア神代東京秋葉原店
(秋葉原)
A-Open AX6Bを使用したマシンで動作デモ中。
高速電脳
(東京・西早稲田)
ASUS P2Bシリーズの予約受付中。P2B(28,200円)、P2B-LS(51,200円)、P2B-L(34,200円)、P2B-S(46,200円)。各製品の仕様もホームページで公開中で、SCSIオンボードモデルはUltra2SCSI対応、LANオンボードモデルは10Base-T/100Base-TX対応とのこと。ほかにも、GIGABYE GA-686BX(28,800円)、Microstar MS-6116(29,800円)などの予約を受け付けている。
HappyCat
(北海道・旭川)
FIC VB-601の価格を23,800円とホームページに掲示中。Microstar MS-6116(29,800円)、MS-6119(価格未定)の予約を受け付けている。
FreeTime
(東京・蒲田)
「各社の440BXマザーボードは16日?販売開始」とアナウンス中。A-Open AX6B、ASUS P2B、P2B-LS、P2B-L、P2B-S、EPOX EP-61BXA-M、GIGABYTE GA-686BX、SOYO SY-6BAの入荷予定あり。製品情報もホームページ上で一部公開中。
PC Flex
(栃木・御幸ケ原)
ABIT BX-6の予約を受付(一次入荷分の予約は10日で締め切り)。価格は12日公表。
PC STAFF
(埼玉・浦和)
SOYO SY-6BA(24,000円)、Microstar MS-6116(24,800円)の予約受付中。いずれも16日入荷。
Able
(静岡・浜松)
ASUS P2B(28,800円)、P2B-LS(48,800円)、P2B-L(33,800円)、P2B-S(48,800円)の価格と製品仕様をホームページに掲示中。
パルテック町田店
(東京・町田)
EPOX EP-61BXA-M、A-Open AX6Bを店内でデモ中。マシン上ではFINAL FANTASY VIIが動作している。
MouseComputerJapan
(静岡・梅名)
SOYO SY-6BA(24,800円)、A-Open AX6B(24,800円)の価格をホームページに掲示中。

国内の440BXマザーボート販売解禁は「15日正午説」が有力

 前述のように、すでに価格を掲示したり予約をとっているショップも多数あるが、正式な販売開始の解禁日についてはまだ諸説飛び交っている。ただ、いままでは16日説が有力視されていたものが、ここ数日の間になんらかのアナウンスがあったのか、ここにきて急速に「15日正午説」が浮上し、流通関係者の間ではほぼ確実視されている。ある流通筋によると、「マザーボードメーカーの代理店に、いつから販売開始できるのか?という問い合わせがあまりにも多くきたため、その代理店がIntelに確認をとったところ、国内でも15日の正午から、と答えた」という話がひとつの根拠になっているらしい。ただし、現在までに公開されているショップの案内をみると、いまでも「16日販売開始」とアナウンスしているところがほとんど。どうもこれは「安全策」の意味もあるようだ。

 このほか、いくつかのメーカーの代理店がフライング承知で「即販売OK」として、製品をショップに卸している例を確認している。なかには「何の問題もないので、ぜひ売ってください」とフライング販売をすすめるところもあったそうだ。すでに購入したという人たちの例は、こうした代理店経由の製品を入手したものではないかと推測できる。

価格は意外と安め?Ultra2SCSIオンボードも

 さて、価格については「440LX登場時のときより安い」というのが定説。今アナウンスされているショップの予価から判断すると、標準的な製品では安いもので2万円前半からあり、およそ2万円後半から3万円前後が相場になりそう。

 製品ラインナップはどうなっているかというと、これも現在公開されているショップの案内から判断すると、今回もまたASUSのラインナップの多さとハイスペックぶりが目に付く。わかっているだけで440BXが4種類、440EXで1種類のマザーボードがあり、高速電脳やAbleらが公開している製品情報によると、P2B-LSとP2B-SのオンボードSCSIモデルは、どちらもAHA-2940U2Wと同等のUltra2SCSIインターフェースを搭載しているそうだ。SCSIチップは「AIC7890&3860」とあり、これはまさにAHA-2940U2Wと同じ構成。7890がUltra2SCSI用、3860がUltraSCSI用のチップだ。また、LANインターフェースのオンボードは、Intel 82558チップとあり、これは10Base-T/100Base-TX対応のチップ。P2Bのあとの「L」型番がLANインターフェースオンボード、「S」型番がSCSIオンボードという意味と解釈できる。P2B-LSはどちらもオンボードなので、10Base-T/100Base-TXとUltra2SCSIの両方がオンボードという強力なスペックを持ったモデルということになる(ただし、値段も5万円台と高いが)。

なんとCeleronと440EXマザーボードが早くも流通開始か

 2次キャッシュなしの低価格PC用のPentiumII「Celeron」に関しては、一部で早くも流通が始まっている。まず、アメリカの通販ショップ「Express Upgrades」と「Priceware」では266MHzのCeleronをそれぞれ212ドル、200ドルで販売中だ。また、国内でも来週早々には少量入荷する予定があるというショップもある。

 NC-marketによると、Celeron用の440EXチップセットを搭載したマザーボードも、ASUSからP2L-Nという製品が出ることになっており、すでに同店では予価(37,800円)も出している。マザーボードの入荷時期はまだはっきりしないが、アメリカで流通が始まったことを考えればCeleronの国内流通は間近と考えてよさそうだ。440EXマザーボードがでるまでの間は、ひとまず440BXか440LXマザーボードで動かすしかなさそうだが、Celeronがもし0.25ミクロンの製造品ならば、むしろネックになりやすい2次キャッシュがなくなったことでクロックアップなどで遊べる可能性もある。CPUコアがむき出しのため、冷却も簡単そうだ。

15日正午にPentiumIIはシステムバス100MHzの世界へ

 440BXマザーボードの販売解禁が「15日正午」で正しいとすると、おそらくPentiumII 350MHzと400MHzも同時解禁となり、これで一気にPentiumII(Slot 1)はベースクロック(システムバス)100MHzの世界に突入するということになる。今はまださまざまな情報が飛び交って混沌としているが、それも来週にはすべてが明らかになるはずだ。

 あとはひたすら待つべし。

□MEDIA ALERT: Intel Debuts New Pentiumョ II And Celeron Processors At San Francisco Event
http://www.intel.com/pressroom/archive/alert/dp040798.HTM
□Masashi's Maniacs
http://www.kk.iij4u.or.jp/~masashik/index.shtml
・440BX Rumor Room
http://www.kk.iij4u.or.jp/~masashik/440BX.html
□Express Upgrades
http://www.expressupgrades.com/
□Priceware
http://www.priceware.com/

[協力:ソフトアイランド秋葉原店NC-marketソフトクリエイトFM館パルテック町田店]


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