1998年4月25日号
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Socket 7 CPUもついに300MHzへ突入!K6/300現る
ベースクロックは66MHzのまま、I/O電圧は3.45Vと3.3V
【K6/300】 | 【最安値は35,800円】 |
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25日(土)時点でK6/300の在庫ショップはすでに20店を超えており、登場直後にしては流通量は潤沢な方といえる。そのせいもあってか、アキバを歩き回れば、あちこちのショップで「K6/300入荷!」の張り紙を目にすることができる。価格は35,800円~39,800円で、実際にはほとんど39,800円か38,800円に集中している(「今週見つけた新製品」参照のこと)。面白いのは、この状況は3月第3週のK6/266デビュー時にソックリということ(価格はやや下がっているが)。つまり、たった1ヶ月でK6最上位モデルの座が価格帯とともにK6/266からK6/300にスルリと移行してしまった、というわけ。
さて、現在出まわっているK6/300については、仕様で謎な点があるということをお知らせしておこう。事前に流れていた情報では、K6/300はコア電圧については2.2VでK6/266と変わらないものの、I/O電圧は3.3Vから3.45Vに変更されていることになっていた。確かに、ショップで確認できるもののほとんどはその通りだったのだが、実は一部のショップでは3.3Vと記されたロットのものも流れていることが判明している。CPU表面に印刷されている文字は、確認の取れたところでそれぞれ【表1】のようになっており、製造時期の記述を読むと、3.45Vが'98年第13週で、3.3V版が'98年第12週と、3.3V版は製造時期が1週早いことがわかる。また、コア電圧の表記が前者では「2.20V」となっているのに対し、後者は「2.2V」となっているという違いもある。
I/O電圧が3.3Vということは、電圧の仕様はK6/266とまったく同じということで、単純に考えればこちらのほうが従来のマザーボードとの互換性がとれてよさそうなものだが、新しい製造ロットのものが3.45Vであることからも想像できるように、基本的には3.45Vが公式な仕様のようだ。逆に、あるショップの話によると、ここ最近はK6/266を使った場合でも、GIGABYTEのマザーボードで電圧値の自動認識を実行させると、3.4Vまたは3.5Vと識別するものもよくあるのだそうだ。このあたりは、Cyrixも含めてSocket 7 CPU特有の仕様の「揺れ」が垣間見えて面白いといえば面白いが、実際に購入しようとしている人にとっては、自分の所有しているマザーボードで安定動作するのかどうかという点で、大いに不安になるところではある。ただ、電圧に関しては、おそらく3.3V版は一時的な流通ですぐ消えると考えられるため、K6/300を買って使おうとしている人は、利用するマザーボードがI/O電圧3.45Vに対応しているのかどうかだけを気にしておけば充分だろう。
気になるクロックについては、残念ながらやはり公式にはベースクロックは66MHzのままで(内部倍率は4.5倍)、期待されたベースクロック100MHzのサポートはなし。Socket 7用の100MHz対応チップセットやマザーボードも出まわり始め、Slot 1も15日の時点で100MHz時代に突入したという中、Socket 7はこのあたりまだモタモタしていて少々もどかしい。時を同じくして、100MHzサポートのMVP3チップセットを搭載したSocket 7マザーボードの新種がアキバでいくつか出まわり始めていることもあり、ここはやはり「At Your Own Risk」でK6/300を100MHz×3=300MHz動作させる、というあたりががマニアの楽しみ、ということになりそうだ。
【表1】 | |||
I/O 3.3V版 |
AMD-K6/300AFR 2.2V CORE/3.3V I/O A 9812GPLW |
AMD-K6/300AFR 2.2V CORE/3.3V I/O A 9812FPAW |
AMD-K6/300AFR 2.2V CORE/3.3V I/O A 9812EPBW |
I/O 3.45V版 |
AMD-K6/300AFR 2.20V CORE/3.45V I/O A 9813DPAW |
□AMD
http://www.amd.com/japan/index.html
・K6
http://www.amd.com/japan/K6/
[撮影協力:BLESSとUSER'S SIDE秋葉原店とFlip-Flap]