1998年5月1日号
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6x86MX PR233が仕様変更、ベースクロックが66MHzに
同時にナショセミが6x86MXの大宣伝キャンペーンを開始
【6x86MX PR233】 | 【6x86MXロゴシール】 |
【Cyrix消しゴム】 | 【6x86MXポスター】 |
6x86MXは、以前にも事前アナウンスなしにベースクロックが突然変更されて混乱した過去があり、「またか!」という感想も当然沸くところだが、今回ばかりは少し冷静に受けとめて考えてみる必要がありそうだ。単純に見ると、今回の新ロットでPR233が従来の75MHz×2.5=188MHzから66MHz×3=200MHzに切り替わっただけのことだが、Socket 7ではごく標準的な66MHzに落とされたという点には重要な意味があると考えられる。こうすることで汎用性が高まり、Cyrixとしては今まで実現しなかった大規模OEMも望めるし、リテール市場にも「じゃじゃ馬」のイメージが取れる(かも知れない)。複数の流通筋の話によると、このあとPR266も66MHzに変更され、事実上PR200以下については縮小されていくとの説明が代理店側からなされているそうだ。また、先ごろ発表された新型のM II-300 Processorもベースクロックは66MHzで実クロックは×3.5=233MHz。つまり、Cyrixは現行のCPUから次に出荷するCPUまでを全て標準的なベースクロック66MHzで統一する考えのようで、そして、M II-333 Processor以上から初めてベースクロックを次のトレンドである100MHzに引き上げる。今まで異端な仕様が特徴だった6x86MXは、ようやくここにきてベースクロックの点ではごくごくまっとうな仕様に切り替わることになるわけだ。
そんな戦略転換と一致した動きなのかどうか、Cyrixの日本法人であるナショナルセミコンダクタージャパンは国内で大規模な6x86MXのキャンペーンを開始している。驚いたことに、6x86MXを宣伝するためのポスターがJRや一部地下鉄の路線の各駅で大きく張り出され、車内吊り広告もあるほか、さらにショップにはオリジナルグッズとして消しゴムやボールペン、ロゴシールを配布している。これらがマニアたちの心をグッとつかむ点は、全てに開設したばかりのCyrixの日本語ホームページのアドレス(http://www.nsjk.co.jp/cyrix/)が印刷されていること、そして、ポスターはあくまでもロゴと子供達の写真がついただけのイメージポスターで、「わかる人にわかる」内容になっていること。技術説明やら、社名をことさら訴えていないところがスマートな印象を受ける。以前の、Intelロゴに打消しマークをつけてシールを配布していた頃とはずいぶんと趣が変わっているのが、なんとも興味深い。これは経営母体がNational Semiconductorに移ったことと関係があるのかも知れない。
今回の仕様変更で、一時的にはこれでまた6x86MXに関する混乱もおきそうだが、背景を理解すれば致し方なしというところか。今までにはありえなかったキャンペーンの実施も突然始まり、驚くことが多いという点ではいつも通りだが、最近のCyrixの急速な変わりようにはしばらく目が離せそうにない。
ショップ名 | 価格 | 備考 |
DOS/Vパラダイス秋葉原2号店 | 12,200円 | |
A-Master | 12,700円 | 購入者にCyrixグッズプレゼント |
DOS/Vパラダイス本店 | 13,000円 |
□Cyrix
http://www.cyrix.com/
・The Cyrix 6x86MX Processor
http://www.cyrix.com/process/prodinfo/6x86mx/6x86mx.htm
・The Cyrix M II Processor
http://www.cyrix.com/mii/mii-main.htm
□Cyrix Japanese HomePage
http://www.nsjk.co.jp/cyrix/
・6x86MX & M II Main Page
http://www.nsjk.co.jp/cyrix/6x86MX/mxidx_fs.html
[撮影協力:A-Master]