1998年5月9日号


早くもCeleron 266MHzにリテールパッケージ版登場
純正クーラーと保証書付で最安値23,480円は安い?

CeleronCeleron
【パッケージ】【純正クーラー】
CeleronCeleron
【ヒートシンク】【裏側】
CeleronデモCeleronデモ
【100MHz×4=400MHzデモ】【Celeron耐久テスト中】

 大手メーカー製PCでの採用製品も市場にはまだなく、440EX搭載マザーボードもないという状況で、もうIntelからCeleron 266MHzのリテールパッケージが投入された。この時期にリテールパッケージを出荷するというのは、マーケティング的に考えて、一体誰に対して売ろうということなのか謎な感じがしないでもないが..。

 現在アキバでのリテールパッケージの取り扱いショップは3店で、実売価格は23,480~29,800円とややバラつきがある(「今週見つけた新製品」参照のこと)。ちなみに、バルクの方は、やはり取り扱いショップが3店で実売価格は25,800円~27,800円。リテールパッケージには、もちろんIntelの保証書と純正のクーラーが同梱されているので、これはコストパフォーマンスではバルクよりかなりいいと考えてよさそうだ。特に、もともとCeleronは低価格で投入されてSocket 7潰しの武器になるといわれていただけに、今までのバルクの価格ではあまり実感もわかなかったものの、リテールパッケージで最安値が23,480円(Flip-Flap)で出てきたというのは、いまさらながら驚きではある。これはK6/266単体の実売最安値付近とほぼ同程度で、もろにバッティングする。440LX搭載のマザーボードの価格が安くなってきていることもあり、マザーボードとのセットで考えても一挙に価格的にはSocket 7と勝負できそうなところまで落ちてきたわけだ。

 化粧箱のパッケージデザインは基本的に今までのPentiumIIのものを踏襲してるものの、側面の配色が従来の紫から水色と白のツートンカラーに変更されているのが目新しく、涼しげな印象を受ける。側面の製品型番シールには、動作電圧が「2.0V」と書かれているため、Celeronが0.25ミクロンルールによる製造品であることがわかる。ちなみに、製造国のプリント欄には「Made in Costa Rica」とあった。クーラーはPentiumIIのものと一見すると外見上は似ているものの、中のヒートシンクは横一列に配列された単純なもので、比較的シンプルなつくりになっている。

 性能の点で注目すべきは、やはり条件さえ整えば100MHz×4=400MHzでも動作するということで、実際にコムサテライト1号店では、店内で「Celeron耐久テスト」と題してAbit BX6(440BXマザーボード)とCeleron 266MHzを使って400MHz動作のデモを実施している(動作保証をしているわけではない)。デモマシンには、Diamond Monster 3D II(Voodoo2カード)もインストールされ、そのうえで3DゲームのQuake IIが動作するという環境になっている。同店では「体感上はPentiumII 400MHzと変わらない」と話している。実際、3Dゲームを動作させる場合は2次キュッシュのヒット率の関係か、同クロックのPentiumIIと比較してもさほどベンチマーク結果はかわらないというレポートがネット上の各所にあがっているので、この話はそれと一致する。ビジネスアプリユーザーならともかく、ゲーム系のホビーユーザーにとっては、これはまた魅力の一つになりそうだ。

 440EXチップセットを搭載したマザーボードも、早ければ来週にも販売できそうと話す流通関係者が複数いることから、この5月~6月にかけてはIntelの言う「Basic PC」の環境も急速に整いそう。もしかすると、このままIntelのCeleronを武器にしたSocket 7潰し作戦が一挙に進行することになるのかも知れない。

[撮影協力:T-ZONEミナミコムサテライト1号店]


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