1998年5月23日号
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そのほか今週気になった新しいモノ/動き
パソコン工房秋葉原1号店では、IWV500MICROというMicroATXケースを、GIGABYTEの440EXチップセット搭載MicroATXマザーボードGA-686EX2とセットにし、1セット限定で販売している(27,600円)。要望が多ければ、ケース単体でも取り寄せることも可能だそうで、単体での価格は9,800円になるそうだ。MicroATXは小さいことが特徴だけれども、実際にこのケースは奥行きが短く、高さもBabyAT用小型タワーケースとそれほど変わらない程度になっている。ただ、逆に言えば、一見すると今までにもあった低めのタワーケースにしか見えず、ほとんどインパクトがないといえばない。超小型デスクトップとして使えるSocket 7用のNLXケースのほうが、よほど「小型」という意味では価値が高い。また、BLESSでも、FIC製のMicroATXケースと同社440EXチップセット搭載MicroATXマザーボードVL-603とをセットにしたベアボーンキットを1組だけ販売したそうだ。こちらのケースは5インチベイも1つしかなく、かなり背が低い。また、省スペースとメンテナンス性を考慮し、電源が開閉式の扉に取りつけられているという特徴もある。
いまのところ、MicroATXはマザーボードとケースをセットにして販売するのを前提として考えているショップが多いようで、このほかにもベアボーンキットとしてセット品販売を検討していると話しているショップもある。いずれにしても、まだ一部のショップが一時的に少量扱っただけで、MicroATXケースが潤沢に出回るようになるにはまだしばらく時間がかかりそうだ。
(注:写真左は、MicroATXケース(左)、ATミニタワーケース(右)の比較。写真右はFICのMicroATXケース)
[撮影協力:パソコン工房秋葉原1号店とBLESS]
このシリーズは、内部ディスク1枚あたりの容量を向上させ、衝撃保護の機能を持つ「Shock Protection System」を採用した最新モデル。シークタイムの性能はFireBallSEと同じ9.5ms。面白いのは、今までSCSIとIDEと両方のインターフェースに対応していたFireBallシリーズも、このELからはIDEのみのラインナップになっていること。これからは、よりSCSIとIDEの棲み分けがハッキリする方向に進むのかもしれない。価格は、5.1GBが約3万円、2.5GBが約2万円といったところ。アキバでは、すでにHDDは4GB以上が売れ筋になっているので、このあとの7.6GBと10.2GBタイプの登場が待たれるところ。
このほかにも、HDDは新製品ラッシュが続いており、Seagateの高速SCSI HDD「Cheetah」の新モデル、12.7mm厚で6.4GBもの容量を持つIBM製2.5インチHDD、IBMのUltra2SCSI 9.1GBモデルなど、今週も続々と新顔がデビューしている(「今週見つけた新製品」参照のこと)。
□Quantum
http://www.quantum.com/
http://www.quantum.co.jp/
・Fireball EL
http://www.quantum.co.jp/products/fiball_el.html
[撮影協力:コムサテライト1号店(COM/1)]
WaveTable音源としてハードウェア32音、Aurealオリジナルの3Dサウンド技術「A3D」に対応、SoundBLASTERとSoundBLASTER Proとの互換性など、スペック的にはさほど目新しいところはない。このカードに限らず、最近のPCIサウンドカードはハードウェアスペック的にはさほど差がなく、価格差もほとんどないというのが実状で、あとは実際に使ってみて音質やCPU負荷率の違いがどうなるかが重要な評価点になっている。
同店では、そうした背景を考慮して、近いうちにYAMAHA YMF724、ESS Maestro-2、S3 SonicVibes、VORTEX AU8820、ENSONIQ AudioPCIチップを搭載した5種類のカードを1台のマシンに積み、それぞれ音質や負荷率の違いを誰でも体験、確認できるように店内にデモ機を設置する予定があるそうだ。考えてもみれば、「サウンドカードは音で選ぶ」というのはごく自然なことではある。
□Labway
http://www.labway.com.tw/
・D50
http://www.labway.com.tw/labsound%20pci.htm#D50
[撮影協力:Flip-Flap]
今回出てきた製品の中では、注目株は2つ。まず、本家のIntelからは「Express 3D」が登場。このカードの最大の特徴は、i740チップ上に冷却用ファンが装着されていることで、そのファンはもちろんIntel CPUでも採用されている山洋製のもの。コンシューマー向けのビデオカード製品で、ビデオチップ上に冷却ファンがつくというのは極めて珍しい(ヒートシンクをつけたものや、Voodoo2カードの一部にはファンがついたものもある)。i740は熱が出ることで有名だけれども、本家Intelの解決策は冷却ファンを付けることだった。ちなみに、この山洋製のチップ用冷却ファンはアキバで同時に単体で販売が始まっており、価格は3,200円~3,800円(「今週見つけた新製品」参照のこと)。この価格から想像すればわかるように、ビデオカードとしてファンを付けるのは大変なコストアップになるようで、Express 3D自身の販売価格もSGRAM 4MB搭載で19,800円(ぷらっとホーム)とかなり高い。Diamondから出た「Stealth II G460」は、ヒートシンクがつき、SDRAM 8MBで14,800円~19.800円(「今週見つけた新製品」参照のこと)。このカードは、純粋にメジャーなビデオカードメーカーから登場した製品としては初めてということで、注目度は大。海外のPC系ニュースサイトで大きく取り上げているところもある。
ただ、すでに「i740だらけ」のアキバからすると、実は山洋製のチップ用冷却ファンが登場し、流通したということのほうが重要だったりする。コムサテライト1号店が店内でデモを始めたように、このファンをVoodoo2カードに搭載することの方がよほど関心が高いからだ。
□Intel
http://www.intel.com/
・Express 3D
http://channel.intel.com/business/ibp/graphics_cards/exp3d.htm
□Daimond Multimedia Systems
http://www.diamondmm.com/
・Stealth II G460
http://www.diamondmm.com/products/current/stealth2-g460.cfm
最近では、アキバのショップでも何気にmp3の音楽データをデモ用PCで再生しているケースがチラホラ見かけられ、mpmanもmp3も徐々にメジャーになりつあるようだ。アキバのショップでPCから音楽が流れていたら、CD-ROMドライブのアクセスランプを確認してみよう。もし、点いていなかったら、それは音楽CDを再生しているのではなく、mp3で再生している可能性が大だ。先日、アキバでは高額ソフトを大量にCD-Rに焼いて売っていた海賊版ソフト露天商が摘発されたばかりだけれど、そのうち大量のmp3音楽データを焼いたCD-Rをアキバの路上で売る輩も出てくるかも知れない。
□mpman
http://www.mpman.com/
たとえば、「インド産HDD」として知名度急上昇中のJTS製IDE HDDは、コントローラー基板を小型化し、ドライブの筐体内部におさめる構造にしてある。こうすることで、外側からのショックや接触、静電気などから保護できる。しかも、ソケット形式を採用して外から簡単に抜き差しが可能になっているため、メンテナンス性もバッチリというわけ(故障してもコントローラー基板の問題ならばすぐに解決できる)。JTSは、この構造をかなりウリにしていて、内部構造を見せるためのスケルトンタイプのHDDもデモ用に用意しているほど。また、Seagateも以前からこうした構造を一部のハイエンドHDDに採用しているほか、最近ではMedalistシリーズも、HDD裏面のコントローラー基板上に金属製カバーを覆って保護する構造がとられている。
いざショップでHDDを購入しようと商品棚を見ても、HDDの裏側や内部まではチェックできないけれど、実はこんなところにも製品による違い(もしくは進化)が最近は出てきているらしい。
□JTS
http://www.jtscorp.com/
・Champion 3.5-inch Hard Disk Drives
http://www.jtscorp.com/championdiskdrives.html
□Seagate
http://www.seagate.com/
・Medalist
http://www.seagate.com/disc/medalist/med.shtml
それは中国製の'98年サッカーワールドカップ開催記念特別スピーカーなるもので、メーカー名は不明。ハンドボール程度の大きさのサッカーボール型スピーカーが2つあり、その下にはスタンド兼用のアンプがつき、そこに「'98世界杯足球賓特別記念」という文字などが書かれている。サッカー好きならずとも思わず物欲を掻き立てられてしまう変なスピーカーだ。いまのところ、「6月にも入荷するかも」という状態で、最終的にはデモの反応を見てから決めるそうだ。販売する場合の価格も今のところ未定。
需要なくして供給なし。欲しいと思う人は店員さんにリクエストすべし。直接お店に行くチャンスのないという人はメールでリクエストするというのも手だ(メールアドレスは同店のホームページを参照のこと)。
[撮影協力:Flip-Flap]
WinChip 2は現行のWinChip C6の改良版で、弱点といわれていたMMX命令の処理や浮動小数演算などを強化、そしてベースクロックは100MHzに対応した。240MHzは、60MHz×4と100MHz×2の動作クロックをサポートすると発表されているけれども、サンプル品の表面プリントを見る限りは、「60MHz Clock」とだけ書かれている。電圧は「3.52 VCC」、型番としては「WINCHIP2-E240GA WINCHIP2-240MHz」と2行にわたって記されている。外見上は特に変化はなく、現行のWinChipと同じセラミックパッケージ。ロゴも変わっていない。
残念ながら、今回は外見の写真だけの紹介になるけれども、ほかではなかなか見ることができない貴重な資料として、じっくり見ておいて欲しい。WinChip 2は、AMD 3DNow!に対応したWinChip 2 3Dとともに、夏ごろに量産出荷される予定だ。
□IDT
http://www.idt.com/
・WinChip
http://www.winchip.com/
・IDT WinChip 2 Processors Bring Optimized Performance to Value Computer Market
http://www.winchip.com/49_pressreleases_13.html
[撮影協力:TWO-TOP]