1998年5月23日号
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非Intel製Slot 1チップセット搭載マザーボードがついに姿を現す
Aladdin Pro II搭載「PC CHIPS M725」のサンプル品が上陸
【PC CHIPS M725】 | 【BIOS画面】 |
【ALi M1621】 | 【ALi M1543】 |
ご存知の通り、Intel以外からも製品発表レベルではALiから「Aladdin Pro II」、SiSから「SiS5601/5595」および「SiS5600/5595」、VIAから「Apollo Pro」といったSlot 1用チップセットが発表されており、あとは出荷を待つばかりとなっていた。各社ともIntelの特許ライセンスにからむ問題がつきまとってはいるものの、数日前にはIntelが一部チップセットメーカーにライセンスを供与したことが明らかにされるなど、確実に状況は進展している。
そして、COMPUTEX TAIPEIの開催時期が迫っているせいもあってか、実際に動作可能なサンプル品も出まわり始め、アキバにはまずAladdin Pro IIを搭載したマザーボートのサンプル品が上陸している。Aladdin Pro IIは、North BridgeのM1621、South BridgeのM1543(もしくはM1533)という2チップで構成されており、ベースクロックは100MHz、メモリはSDRAM/FastPage/EDO、AGPは1x/2xモードに対応している。つまり、Intelの440BXチップセットと同クラスの製品ということになる。ちなみに、発表自体は440BX(4月)よりAladdin Pro II(3月)の方が早い。
M725のサンプル品を入手したのはA-Masterで、日本の代理店から何の知らせもなく、何の説明もなく、何の資料もなく、突然モノだけが22日(金)に送られてきたそうだ。M725は、AT/AGP×1/PCI×3/ISA×2/DIMM×3/SIMM×4/SoundProチップオンボード/AMI BIOSというスペックの製品で、一見してSIMMスロットがついていることにまず驚く。もちろんチップセットでサポートをうたっているため、SIMMスロットがあってもおかしくはないのだが、少なくとも現状で440BXチップセットのマザーボードではSIMMスロットのある製品はなく(440LXでは存在する)、なにより目新しいところではある。SoundProチップがオンボードになっている点は、いかにもPC CHIPS製らしい。CPUのクロック設定は、このサンプル品を見る限りは全てジャンパ設定で、ベースクロックは66/100MHzの切り替え、CPUの内部倍率は1.5~8倍まで0.5倍刻みで設定することが可能になっている。ただ、同店のテストでは、ベースクロック66MHzでは正常動作したものの、100MHzではうまく動作しなかったそうだ。これについては、ほかにもいくつか用途不明のジャンパが存在しており、それらの設定が関係している可能性もありうる。なにしろ、まだモノが来たばかりで資料もないため、 M725についてはこれ以上の詳しい内容は今のところ不明。発売時期も不明、価格ももちろん不明。同店では詳細な内容調査や動作チェックを現在すすめている真っ最中だ。
おそらく、今度のCOMPUTEX TAIPEIでこうした非Intel製のSlot 1チップセットを搭載したマザーボードが大量に出品されることが予想され、そして、希望的観測で言えぱ、その後に実際に製品の販売が始まる可能性も考えられる。Socket 7も進化してSuper 7の環境となり、Slot 1もSocket 7と同様に各社チップセットが入り乱れて競争となれば、これはまさにマザーボード市場は大混戦になる。このM725のサンプル品上陸は、その前兆なのかもしれない。
□Acer Laboratories(ALi)
http://www.ali.com.tw/
・Aladdin Pro II
http://www.ali.com.tw/ap2.htm
□PC CHIPS
http://www.pcchips.com.tw/
・M725
http://www.pcchips.com.tw/M725.html
[撮影協力:A-Master]