1998年5月30日号
|
そのほか今週気になった新しいモノ/動き
現在動作しているカードは、YAMAHA YMF724、ENSONIQ AudioPCI、Aureal VORTEX、ESS Maestro-2、S3 SonicVibesのチップが載った5種類の製品。実際に聴き較べてみると、それぞれに大きな差があることに驚いてしまう。特にYAMAHA YMF724は、ほかと較べると非常にクオリティが高く、臨場感や音の広がりなども抜群にいいことが誰の耳にもハッキリとわかる。このあたりは実際に自分の耳で確認してみないと実感のわかないところなので、興味のある人は同店に足を運んでみるといいだろう。ちなみに、同店ではYMF724を搭載したカードだけはまだ商品として入荷しておらず、近々LABWAY製のYMF724搭載カードが入荷する予定になっているそうだ。
実はPCIサウンドカードの複数枚挿しのデモは'97年10月以来、同店では2度目。前回はカード3枚で、音の切り替えはデバイスドライバを手動で行うちょっと面倒なものだった。今回はカード5枚+切替機へと大幅バージョンアップし、さらにこのあと「8枚挿し」にも挑戦する予定があるそうだ。サウンドカードを「音」で選ぼうという人にはなんとも頼もしい話だ。
[撮影協力:Flip-Flap]
まず、16MBのEDO DRAM(Hyundai製60ns)がオンボードというのに驚く。知る限りでは、メインメモリ用のDRAMがオンボードになったマザーボードというのは今までに聞いたことがない。EDO DRAMが載っているからといって、メモリが増設できないのかというと、そんなことはなく、ちゃんとSIMM×2/DIMM×1の増設スロットもある。さらに、SiS6215というビデオチップとVRAM 1MB(+1MB)が載り、さらにさらにPC Chipsお得意のSoundProチップが載って、しかも例によってSPDIF IN/OUT端子付きだ。メモリの容量さえ気にしなければ、あとはCPUさえ挿せば基本構成ができてしまうという超お手軽マザーボードというわけ。System-on-a-chipならぬ、System-on-a-motherboardといったところか。搭載しているチップセットは、これまた謎なVXPRO-II。
マニュアルに「Basic PC Waves」というキャッチフレーズもあり、明らかに低価格PC用オールインワンマザーボードを目指した製品。日本では2万円程度で販売される予定とのことなので(仕様は変更される可能性あり)、WinChip C6や6x86MX PR233あたりと合わせるとかなりコストパフォーマンスの高いマシンが作れそう。MediaGXとセットになったマザーボードより、ずっと価値があるかもしれない。現在、A-Masterがサンプル品を評価中。
□PC Chips
http://www.pcchips.com.tw/
・M592
http://www.pcchips.com.tw/M592.html
[撮影協力:A-Master]
1つはASUS初の440EXチップセット搭載マザーボード「P2E-B」。フォームファクタはMicroATXかと思いきや、なんとAT。AT/AGP×1/PCI×2/(ISA/PCI)×1/ISA×1/DIMM×2というスペックで、実売価格は1万円後半(「今週見つけた新製品」参照のこと)。MicroATXではなくてATを採用しているというのは、実は現状では一番賢いのかもしれない。少なくともDIY市場には、MicroATXケースはなくとも小型のATケースならいくらでも見つかる。
ほかに440BXチップセット搭載の製品で、デュアルCPU対応の「P2B-D」、さらにUltra2SCSIインターフェースがオンボードになった最強スペックの「P2B-DS」も出ている(価格は「今週見つけた新製品」参照のこと)。こちらはそうとうなマニアックな人が買うか、企業向けサーバーとして使われるようなハイスペックな製品。
他社からも、Micronicsの440BX搭載マザーボード(AudioPCIサウンドチップがオンボードのモデルもある)や、QDIのデュアルCPU対応440BXマザーボードなどが新たに登場し、Slot 1対応のマザーボードもまさに百花繚乱だ。
□ASUSTeK COMPUTER(ASUS)
http://www.asus.com.tw/
・P2E-B
http://www.asus.com.tw/Products/Motherboard/Pentiumpro/P2e-b/index.html
・P2B-D
http://www.asus.com.tw/Products/Motherboard/Pentiumpro/P2b-d/index.html
・P2B-DS
http://www.asus.com.tw/Products/Motherboard/Pentiumpro/P2b-ds/index.html
なんと実売価格は14,000円前後(「今週見つけた新製品」を参照のこと)で、今まで売られていたバルク品とまったく変わらない価格であることにビックリする。今回の日本語パッケージは、従来のMatrox製品のような英語パッケージに小さな日本語のシールがつけられただけのものとは違い、完全に一から日本語版としておこされたもの。このあたり、いかにこの製品に力がこめられているかがわかろうというもの。日本語対応のマニュアル、デバイスドライバ、サポートがついて、8MBメモリ+AGPのカードがこの値段というのは驚くべき安さ。製品自体の性能も、3Dこそ期待できないものの、2Dでは定評のあるMatrox製品だけにゲームをやらない人には十分な性能を発揮するはず。内蔵RAMDACが230MHzのため、メモリ8MBと合わせ、2Dでは最大で1,920×1,200ドットまでの表示も可能だ(16bitカラー)。
Matroxブランドだけに「安かろう悪かろう」というイメージもなく、企業ユースも含めてかなり売れるかもしれない。もっと安いのが欲しいという人は、この日本語版が出たために、一部でバルク品が投売りになっているのでそれを狙うといい。
□Matrox
http://www.matrox.com/
・Productiva G100
http://www.matrox.com/mgaweb/products/productiva.htm
□コマツソフト
http://www.komatsusoft.co.jp/
・Matrox Productiva G100 新発売
http://www.komatsusoft.co.jp/periph/cg_g100.htm
[撮影協力:BLESS]
予約価格は89,800円。今までの製品と違い、初めての内蔵型DVD-RAMドライブだ。SCSI接続タイプで、SCSIカードのAdaptec AVA2902Iが同梱される。松下製ドライブが使われているとのことだが、Creative側の製品資料を見る限りではPDは読めない。スピードは、CD-ROM20倍速、DVD-ROM2倍速、DVD-RAMは等速で、2MBのバッファメモリ付き。
CreativeはWorldWideでプロモーションを展開し、製品を出荷するので、意外とこのあたりからDVD-RAMも普及することになるのかもしれない。
□Creative Technology
http://www.soundblaster.com/
・PC-DVD RAM
http://www.soundblaster.com/mmuk/dvdram/specs.html
ショップのロゴ入りエンブレムとしては、ほかにもいくつかのショップで販売しているケースがみられる。たとえば、ソフトアイランド秋葉原店では「SOFTISLAND」のロゴ入りエンブレムを現在300円で販売中。また、ショップではないが、PC用ケースなどでおなじみのテクノバードが、自社のロゴ入りエンブレムを一部で販売している例もある。こちらは「T.Biard」の文字と、マスコットキャラクターのゴリラがPCモニタを肩に乗せて歩いているイラストがついている。
いろいろ好き嫌いも分かれそうだが、メーカーやショップのオリジナルロゴ入りエンブレムというのもこれから増えそうだ。
最近ではVoodoo2のカードも潤沢に出まわるようになってきていることから、その影響かもしれない。Voodoo2チップ搭載のカードが出てきたときに、VoodooやVoodooRushのカードは大幅に下がると言われていたけれども、ようやくその動きが本格化してきたのだろうか。願わくば、VoodooRushよりずっとポピュラーなVoodooチップのカードが早く安くなって欲しいものだが..。
現在アウトレットや中古品を中心にパーツ類を販売中で、店内の棚には所狭しと簡易包装のパーツ類が並べられている。他店にはない品揃えが特徴で、アキバ初登場のMicronicsの440BXチップセット搭載マザーボード(新品)や、9,999円のDVD-ROMドライブ+MPEG2デコーダーカードのセット品、4,500円の56Kモデムなどお買い得品が多数揃えてある。ちょっとした掘り出し物を探そうとするならば、要チェックのショップと言えそうだ。
[撮影協力:QC PASS]
そんな状況の中で、特にCPUは売れ筋だったようで、CPUの商品棚に買い物客が多数群がっている様子があちこちで見られた。もちろんK6-2が今週末は最もホットな製品ではあったのだが、実はそれに隠れて飛ぶように売れていたのがCeleron 266MHz。もはや「争奪戦」とも言える状況になっており、ここまで順調に伸ばしてきた在庫ショップの数も、今週末は一挙に2店にまで激減してしまった。ネット上でも「Celeronはどこで売っていますか?」という質問があちこちの掲示板などで飛び交っているほどで、極端な品不足に陥っている。何度も書いたように、Celeronはクロックアップ耐性に優れ、440BXマザーボードとセットで動作させると400MHz超で動くケースが続出し、マニアに人気が出ているのが一つの要因。しかも、バルク品よりもリテールパッケージ品のほうが、Steppingナンバーが1つあがってさらにクロックアップ耐性が良くなっているという情報が流れたものだから、さぁ大変。
ただ、Celeronが急速にここまで品薄になった理由は、Intelの価格改定の時期とも深い関係がありそう。というのも、複数のショップ関係者によると、価格改定が直前に迫っていることから、どこも今はIntel製CPUの入荷数を絞っているのだという。確かに、Celeron以外にも、今週末はIntel製CPUは全般的に品薄傾向になっていた。今度の価格改定で、「Celeron 266MHzは2万円割れで売ることも可能」と証言するショップもあり、実はこの品不足は「K6ショック」ならぬ「Intelショック」の前触れ、なのかも知れないのだ。
[撮影協力:Flip-Flap]