1998年6月13日号
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そのほか今週気になった新しいモノ/動き
同日、ブロックE2にあるジャパンシーコム1号店には「資金繰り悪化のため営業を継続できなくなり、残念ながら本日を持って整理することになりました」と書かれた紙が張り出され、その後に看板も撤去されてしまった。13日(土)の時点では不動産会社の物件問い合わせ用の張り紙も出され、すでに中は空っぽの様子。運営していたホームページもデータが一部消去されている。ブロックB2にあった2号店も今では弁当屋に替わってしまっているため、少なくともジャパンシーコムはアキバからは完全撤退してしまったことになる。ジャパンシーコム株式会社の状況が今現在どうなっているのかは不明だが、張り紙には緊急の連絡先として携帯電話の番号が記されているので、「注文したのにまだモノが届いていない」というような人がいれば、張り紙を確認して連絡をとってみるといい。
店舗を増やすショップがあれば、突如閉店してしまうショップもある。アキバのショップ栄枯盛衰劇は非情だ。
□ジャパンシーコム
http://www.sun-inet.or.jp/~c-com02/
'97年11月のショップオープンから約半年が経ったPC NEXTは、銀座第一青果ビルの1Fに新たに店舗をオープンした。今までは同ビルの4Fのみを使用していたため、これで2フロア構成になったことになる。現在オープン記念特価セールを実施中で、各種パーツ類を特別価格で販売中。特に、同店お得意のGIGABYTEの各種「修理あがりマザー」は必見。430TXや430HXチップセットを搭載した製品を中心に5,000円~6,000円台で在庫あり。早めに行けばきっと格安の掘り出し物をみつけられるはず。
歩道に面した店舗で、ドアも開放されているので気軽に入れるのが嬉しい。末広町方面に用のない人も、ちょっと足を伸ばしてみるといい。
店内はケース、CPU、HDD、マザーボード、アクセサリ類など従来の店舗とさほど変わらない品揃え。オープンしたてのためか明るく綺麗な印象を受ける。今後は、この新店舗を「本店」としてベアボーンキットなどを中心とした初心者向けショップにし、従来の店舗を「支店」としてパーツ主体のショップに性格を分けていく意向とのこと。人気店だけに、従来の小さな店舗スペースでは土日になると満員電車状態だったが、店舗ごとの性格付けをハッキリさせることで客足も整理できそうだ。新店舗のオープンは好調な証でもあり、今後も同店の動向には目が離せそうにない。
パッケージはLabway製品に共通のいたって簡素なもので、脇に小さく型番の書かれたシールを確認することが唯一製品を見分ける手段。中身も、カードのほかにデバイスドライバやアプリケーションソフトの入ったCD-ROMが添付されているのみで、まったくもってシンプル。ただ、CD-ROMの中身は日本語対応版を含めた最新のソフトが入っているので、この点は大いに安心できる。また、マニュアルもオンラインマニュアルとして収録されている。
カードを見てみると、YMF724チップは最新ロットを使っているのか、チップ上には「YMF724C-V」というプリントがある(今までの製品はYMF724-VもしくはYMF724B-Vだった)。これが音の違いに表れてくるのかどうかはわからないが、いずれにしても人気を呼ぶことは確実。もちろん、PC/PCIインターフェースコネクタもあり、これをマザーボード側のSB-LINKコネクタと接続すれば、DOS環境でも利用できるようになる。
先行して発売されたYMF724搭載サウンドカード「A-TREND ATC-6655(Harmony 3DS724A)」も、今では複数のショップで5,000円前後で販売されていることから、こちらもますます売れ行きを伸ばしそう。CreativeからSound BLASTER AWE64DもしくはLive!といったPCIサウンドカードが出荷されるまでは、当分PCIサウンドカードはこのYMF724チップを搭載した製品が人気を独占しそうだ。
□Labway
http://www.labway.com.tw/
・D12(製品情報ページ上はD10となっている)
http://www.labway.com.tw/labsound%20pci.htm#D10
[撮影協力:Flip-Flap]
メモリは24MB搭載、PCIカード1枚だけでSLI機能が使えるという実質2枚のVoodoo2 12MBのカードが1枚になってしまったような強力な製品だ。このカード、性能もすごいが実に見た目もすごい。まずパッケージがでかい。というか、長い。それもそのはず、なんといまどき珍しいフルサイズのPCIカードで、さらにサブボードまで取り付けられているという超重量級。そのうえメモリがカードの裏表に2面実装されていて、これでもか、というくらいさまざまな部品が並んでいる。あまりにもサイズがでかいので、使うPCのケースも選びそう。価格も99,800円と超重量級だが、ハードウェア投資に糸目をつけない3Dゲームユーザーなら、これくらいはおかまいなしか? 現在ソフトアイランド秋葉原店のみで販売中だが、ほかにも数店で取り扱う予定があるそうだ。
対応する高速メモリも含めてチップ供給量が潤沢になったのか、Voodoo2チップを搭載したカードはこのところ一気に増加中で、今週だけでも、Obsidian2以外に「A-TREND ATC-2455(8MB)」、「Diamond Monster 3D II日本語版(12MB)」、「GUILLEMOT MAXi Gamer 3D2 PCI(8MB)」、「SKYWELL Magic3D2(12MB)」と、計5種類も新製品が登場している。このままVoodoo2の流通量が増えると、1世代前のVoodoo搭載カードも一挙に価格が下がりそうで、こちらにも期待したいところ。ボーナスシーズンに突入して、3Dゲーム大好きのホビーユーザーはVoodoo関連製品の洪水に目移りすること間違いなし?
□Quantum 3D
http://www.quantum3d.com/
[撮影協力:ソフトアイランド秋葉原店]
販売を始めたのはツクモパソコン本店IIで、やはりCOMPUTEX TAIPEIに行った際に仕入れたものだそうだ。数は少量。製品は2種類あり、1つはS3 ViRGE DX(2MB)を積んだPCIビデオカード「march天空」、もう1つはESS ES1868Fチップを積んだISAサウンドカード「march進行曲」。それぞれ価格は4,480円と1,980円。
どちらもパッケージに「NISSAN BUSINESS PARTNER」ロゴがついているほか、「march天空」には、さらになんとビデオチップ上にNISSANのロゴシールが張りつけられている。また、BIOS ROM上にも発売元の会社名である「經宏國際」という妙にカラフルなロゴがあり、かなり怪しい雰囲気を醸し出している。性能の点ではまったく期待できないものの、超レア物という意味ではかなり価値が高い。怪しいもの大好きな人は今のうちに買っておくことをお勧めする。なにしろ、いまのところ継続販売する予定はないそうで、そのうえ事と次第によってはもう二度と入手できない製品になるかもしれないからだ。
[撮影協力:ツクモパソコン本店II]
Ruputerとは、SII曰く「ウェアラブルPC」(身につけるPC)だが、日本ではイメージはともかく「腕コン(腕時計型コンピューター)」と言ったほうがあきらかに通りがいい。腕時計の形をしながら、16Bit CPUを積み、ELバックライト付き102×64ドット液晶、IrDAポート、スティック型ポインターなどがついている。メインメモリは128KBで、データ記憶用のフラッシュメモリとして下位モデルのRuputerが512KB、上位モデルのRuputer Proが2MBを搭載している。ドッキングステーション経由でPCとの通信も可能で、内蔵のPIMソフトはPCとの連携ができる。さらには、後日発売される開発環境セットで自由にアプリケーションが作れてしまうというから凄い。
実物を目にしてみると、プラスチックカバーと樹脂ベルトで構成されているためにやや安っぽい感じがするのが気になるといえば気になる。本体の厚みも相当なもので、特にビジネスマンがスーツを着て使うにはかなり厳しい..。デザインとパーツにもっとバリエーションがあってもよかったのかもしれない。内蔵アプリケーションソフトの動きはそこそこ速くて実用に使えそうなので、スケジュールや住所録などのビューワーとしては即戦力として使えそう。とにかく、7月出荷予定になっている開発環境セットが待ち遠しいところ。これでいろんなソフトウェアが開発され、フリーソフトなどとして流通が始まれば、人気がさらに爆発すること請け合い。Ruputer用の秋葉原マップなんてあったら、かなり楽しいことになりそうだが..。
現在T-ZONEミナミ、ツクモパソコン本店IIなど大型店を中心に販売中。Ruputerが29,800円、Ruputer Proが39,800円というのが相場。色はそれぞれシャンパンゴールドとガンメタルの2種類がある。
□セイコーインスツルメンツ
http://www.sii.co.jp/
・Ruputer
http://www.ruputer.com/
[撮影協力:ツクモパソコン本店II]