1998年7月11日号
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ベースクロック95MHzサポートのSocket 7マザー登場
真っ先にK6-2/333に公式対応したのは意外にもTekram
【少量入荷】 | 【Tekram P5MVP-A4】 |
【95MHzのシルク印刷】 | 【333MHz設定】 |
ベースクロック95MHzに対応したマザーボードを真っ先に投入してきたのは、以前から噂のあったASUSやMicrostarではなく、ましてや対応表明したばかりのFICでもなく、意外にもTekram Technology(Tekram)だった。TekramはSocket 7ではしばらく新製品を出していないこともあり、まさに今回は寝耳に水といったところ。製品は「P5MVP-A4」というATXフォームファクタのマザーボードで、チップセットはVIA Apollo MVP3を採用している。スペックはATX/AGP×1/PCI×3/(ISA/PCI)×1/ISA×1/SIMM×4/DIMM×2/Award BIOS。PBSRAMの容量に関しては、Tekramの製品資料では512KBになっているが、店頭では「未確認」の条件で販売されている。価格はPCiN秋葉原で19,800円。
一見すると、何の変哲もないごく普通のSocket 7マザーボードだが、マザーボード上にシルク印刷されているベースクロックの設定一覧を見ると、そこに「95」の数字のあることがわかる。言うまでもなく、これはAMDがK6-2/333で突然採用したSocket 7では初めてのベースクロック「95MHz」を意味する。このP5MVP-A4がマザーボードとしては初めてK6-2/333に公式対応した製品というわけだ。マニュアルにも、きちんとK6-2/333用の設定として「95MHz」が記述されている。
価格は初物ということもあってやや高いが、K6-2/333をきちんとした公式仕様で動かしたいという人には待望の製品であり、今のところほかに選択肢はない。また、95MHzで動作させるとどうパフォーマンスに変化が起きるのか、誰より早く実験してみたいという新しい物好きな人にとっても、これは注目の製品に違いない。同店によると、今回の入荷は少量で、次回の入荷は「月末になりそう」というから、欲しい人は早めに確保に走ったほうがいい。ただ、このあとにもASUSからAladdinVチップセットを採用した95MHzサポートの製品が近々出るのは確実で、Microstarもいくつかの有力店に詳細な製品内容を伝えているほか、FICもVA-503+の最新リビジョンで95MHzと124MHzをサポートすることを表明しており、これから順次製品が出てくることになるはずだ。
60MHz、66MHz、75MHz、83MHz、100MHzと続き、新たにベースクロックに95MHzが加わったSocket 7環境。非公式な仕様では112MHzや124MHzもあって、もはやなんでもアリ。次に出てくるクロックは一体何MHzになるのかは、実はCPUメーカーも含めて誰にもわからないのかも、と思わず邪推してみたくなるところだが、はたして実際はどうなのだろう。
□Tekram Technology(Tekram)
http://www.tekram.com/
・P5MVP-A4
http://www.tekram.com/hot_products.asp?Product=P5MVP-A4
[撮影協力:PCiN秋葉原]