1998年8月29日号
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そのほか今週気になった新しいモノ/動き
パッケージのデザインは従来のPentium IIと同系統ではあるものの、一部配色と大きさが異なっている。動作クロックの表記が白色から金色になっていたり、パッケージ側面の製品名を記した部分が紫色から黒色に背景色が変更されているなど、全体的にデラックスな印象を受ける。また、デラックスさは大きさの点でも同じで、現在のPentium IIのものと比べると、幅も高さも2~3割程度大きくなっている。Xeonそのもののサイズが大きいことから、こうなることは当たり前のことなのだが、さすがは20万円超のCPUという威容さだ。
需要は確実にあるようで、いずれのショップもすでに法人から注文が入っているそうだ。2店とも、高額商品のため大量の在庫はできないものの、注文があればすぐに対応できるようにしているとのこと。50万円近くするキャッシュ1MB版についても、受注発注というかたちなら販売は可能だそうだ。一般のユーザーには関係のない話だが、法人のシステム部門などで必要な場合は、こうしたショップに相談してみるといい。なお、PCiN秋葉原でも、512KBキャッシュ版を198,000円、1MBキャッシュ版を478,000円で予約を受け付けている(9月入荷予定)。
[撮影協力:USER'S SIDE秋葉原店]
価格の方は39,800円~49,800円と、なぜか実に大きな開きがある。平均価格は計算すると約43,300円。先週よりは大きく下がっているものの、これでもIntelを追う立場のAMD製品としてはやや高い印象を受ける。実は日本AMDの発表では1,000個ロットのOEM単価は50,720円となっているので、それよりも安いのだが、Intelからキャッシュ付きCeleronも登場していることもあり、やや苦しい展開。実際、複数のショップで聞いてみたところ、このK6-2/350はかなり反応が鈍いとのことで、「今まで続いていたK6-2人気はなんだったんだ?」と嘆くショップも。
また、気になるところでは、DOS/Vパラダイスがホームページ上でK6-2/350に関連した技術情報として「Windows 95上の動作で不具合が確認され(Windows 98は問題なし)、AMDがMicrosoftに対応ファイルの配布を交渉中」という主旨のアナウンスを掲示している(28日付)。真相の確認は週明けにAMD側へ確認してみる以外にないが、K6-2/350の表面にはしっかり「Designed for Windows 95」とはっきり今でもマーキングされていることを考えると、いささか気になる問題ではある。OS側の問題なのか、CPU側の問題なのか、今はそれすらわからない。
Socket 7最速のCPUとして注目度が高いだけに、価格も含めて今後の展開がおおいに気になるところだが、今はまだ出たばかりで、しばらく様子をみる必要がありそうだ。
[追記]日本AMDは9月1日、K6-2/350がWindows 95を使った場合に問題が起こることを認め、その内容を公開した。「Windows 95の起動時にある割合で停止する現象が発生する」、「ソフトウェア・タイミング・ループの実行が通常よりも速すぎてしまう現象が起こることを確認しており、その結果、Windows 95をブートすることができなくなる」、「K6-2/350側の問題ではない」、「Microsoft側から対策パッチが公開される」というのが、その要旨。
□DOS/Vパラダイス
http://www.dospara.co.jp/
そして、今度はリテールパッケージにも0.25ミクロンルールの製造品が出まわり始め、マニア達の間で新たな標的になっている。今度は266MHzが「SL33D」、300MHzが「SL2YK」。コムサテライト1号店のように、自ら在庫のあることをアピールしているショップもあるが、今はまだ数も少なく、あっても区別なく販売しているショップがほとんど。このあとまたどうなるのかはわからないが、次のマニア達の合言葉が「SL33D」と「SL2YK」になることだけは確実だ。
それにしてもキャッシュ付きCeleronといい、下位モデルのPentium IIといい、最近のIntel製CPUはどれも動作保証以上に動くことが魅力となって大ブレイク中。こうした一連の動きについて、異常なマーケットだと嘆くべきなのか、それともIntelの製造技術の優秀さを誉めるべきなのか…。
[撮影協力:USER'S SIDE本店]
S3の新2D/3D兼用ビデオチップSavage3Dを搭載したビデオカードが、早ければ30日(日)にもデビューする。Savage 3Dを搭載したビデオカードであるHercules Terminator Beast 8MBの入荷を30日(日)に予定しているショップが複数あり、価格はバルク品で2万円前後になりそう。Savage3Dはテクスチャデータの圧縮技術を採用したS3の新チップ。ハイエンドマーケットでシェアを落とし続けていたS3が起死回生を狙って投入する製品として注目されている。Herculesも、Savage3Dを採用したTerminator Beastを同社のパーソナル用製品の最上位に位置付けている。Savage3Dに興味のある人は30日(日)にアキバにGO! □Terminator Beast(Hercules Computer Technology) http://www.hercules.com/presale/specs/beast-spec.htm |
RIVA 128ZXを搭載したビデオカードに、また新顔が登場。今度はLeadtekの「WinFast 3D S3500ZX」(8MB SGRAM,AGP,TV出力あり)で、価格は11,800円~15,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。最安値で考えると、これは先に販売が始まっているGAINWARD(CARDEX)の製品と同等の安さ。あるいは、i740ビデオカード並みの安さとも言える。ASUSの製品も含め、海外製のRIVA 128ZX搭載ビデオカードはこの価格帯が標準のようだ。これらと比較すると、国内製品の高さが際立つ。
□WinFast 3D S3500ZX(Leadtek) http://www.leadtek.com.tw/Es3500ZX.htm |
聞き慣れないMAXLOGICというメーカーから、MVP3チップセット搭載のSocket 7マザーボードが2種類出ている。と言っても、いずれも中身はFICの製品がそのままマニュアルとともに入っているだけのもの。1つは「MVP350」という製品で、中身はATXのPA-2013。もう1つは「MVP98」という製品で、中身はATのVA-503+。特徴は2製品とも、K6-2/333のベースクロック95MHzを新たにサポートしていることで、さらにマニュアルで見る限りでは、MVP98(VA-503+)には112MHzと124MHzの設定も用意されている。新リビジョンの登場というわけだが、本家からまだ正式に出ていないのがちょっと不思議?(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。 □MAXLOGIC http://www.maxlogic.com/ |
Appleから注目のiMacが29日(土)に発売になった。大雨洪水注意報が出ている中、15時ジャストに無事発売開始。iMacを扱う各店ではデモ機に人が群がり、整理券をもらうために列が出来たショップもあった。大型店のLAOX THE COMPUTER MAC館やソフマップ2号店などでは、発売開始直前からカウントダウンも行なわれ、祝福のクラッカーも鳴らされた。売れ行きも上々のようで、夜までには売り切れ店が続出。滑り出しは好調のようだ。カウントダウンの様子に興味がある人は、次ぎの音声ファイルで雰囲気を味わっていただきたい。imac.wav(267KB,33秒)。
□iMAC(アップルコンピュータ) http://imac.apple.co.jp/index.html |
Voodoo2チップ搭載3Dビデオカードに久々の新顔が2製品登場。いずれも特徴のある製品で、1つはメーカー名不明の「PV-820」(8MB)。これは青い色の基板が特徴で、現在販売中の秋葉帝は店内で実物を展示中。価格は21,800円。もう1つは、とにかく安いことが特徴のDCS製「Magic 3D Plus」(12MB)。なにしろ12MBのメモリを搭載しながら価格は23,800円というから、もはや激安という以外に表現のしようがない。販売しているのはツクモパソコン本店II。マザーボードからサウンドカードまで、とにかくこのDCSというメーカーの製品はいつも圧倒的に安い。青いのを選ぶか、安いのを選ぶか、あるいはメジャーブランドの製品を選ぶか、Voodoo2カードの選択肢は広い。 |
先週からZOAで販売が始まっているのがSocket 7用の水冷CPUクーラー「POSEIDON model 7」。今週はFlip-Flapがこの水冷CPUクーラーPOSEIDONの実演デモを店内で始めている。デモ用のPCには、POSEIDONのほかに温度センサーシステムをいくつもつなげ、その効果のほどを目視できるようになっている。実物を見てみたいという人にはいいチャンス。同店は、このデモの反応を見てから販売を始めるかどうか決めるそうだ。 □POSEIDONシリーズ model7発売(コムネット) http://www.cmnt.co.jp/release/poseidon/ |
オープンが予定から遅れていたUSER'S SIDE本店が、29日(土)にようやくオープンした。場所は外神田3-1-15箸勝ビルの4F(ブロックD1)。現在は事務所スペースと共用のため、店舗スペースはそれほど広くはないが、近いうちに拡張する予定とのこと。また、将来的には一般ユーザー向けの店舗は、全てこの本店に集約し、現在のUSER'S SIDE秋葉原店は法人向けショールームなどに転換する予定。開店セール中で、ATケース4,800円、メディア付き230MB MOドライブ 23,800円、440LXマザーボード 5,000円など、多量の格安品を用意している。「早く本店の位置を多くの人に知って欲しい」とは小林社長の弁。Tel 03-5295-1011/FAX 03-5295-1012、営業時間 10:00~19:00、定休日なし。 |
予定通り29日(土)にオープンしたしたのは「デンノーダイレクトストア秋葉原」。場所は外神田3-16-13 日進ビル1Fと2F(ブロックF2)。内容はDennowブランドのオリジナルPCを展示するショールーム。現在は開店オープン記念フェスティバルを開催中で、29日/30日/9月12日/9月13日/9月15日には1日3回のペースでDennowブランドPCをオークション形式で販売する。29日(土)には、オークションのチラシを配るタイミングで人だかりが発生していた。ほかにも、期間中にDennowブランドPCを注文した先着40名にZIPドライブをプレゼントするなどの企画を用意している。Tel 03-5296-9685、Fax 03-5296-9686、木曜定休日、営業時間 11:00~19:00(日/祝日は18:00まで)。 □デンノー http://www.dennow.co.jp/ |