1998年9月5日号
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そのほか今週気になった新しいモノ/動き
この日はもともと「棚卸のため休業」と事前にアナウンスされていたのだが、実際には入り口のドアに同店の運営会社であった(株)ティー・エム・テクノロジーの代理人名で「この施設内にある動産の一切は、裁判所の選任する破産管財人に引き渡すため、みだりに立ち入ることや動産の持ち出しは禁止する」といった主旨の告示が張り出され、財産保全の処置が取られた。4日(金)の時点で、この張り紙が剥がされているのを確認したが、これが債権者への連絡が済んだとして自主的に剥がされたものなのか、あるいは誰かが勝手に持ち去ったものなのかは定かでない。
A-Masterと言えば、DOS/Vブーム黎明期から個性派として知られたショップで、長らくパーツ系ショップではプライスリーダー的存在として有名だった。独自のルートによるマニアックな商品の輸入販売や、新製品の素早い入荷にも定評があった。同店が独自に発掘したユニークなパーツが広まって定番化した例や、どこよりも早く新製品の販売を始めて注目を集めたといった例は数知れない。
池袋で営業していた「Shaft」がアキバの昌平橋通り沿いのビルへ移転し、その後'94年にショップ名をA-Masterと改め、セントラルビル(ブロックE2)へ移転してからが、同店の全盛期の始まり。それがおかしくなってきたのは、'97年10月に現在の恵光ビル(ブロックE2)へ移ってから。店舗のほかに使用していた事務所と倉庫を手放し、スタッフの数は減り、価格や品揃えの点でも急速に魅力が薄れていった。アキバ界隈で経営難の噂が飛び交うようになったのも、ちょうどこのころから。ここ最近になって、急に子供向け玩具を販売するようになっていたのも、ある種の前兆だったのかも知れない。名の知れたショップでさえ、いったん悪い方向に転がり始まるともう止まらない。これもまた、アキバの激しい栄枯盛衰劇を象徴する現実なのだ。
「上級者向け専用のショップとしてB-Masterもやろうかな」などと言っていたのも、これで幻となってしまった。個性派ショップを失ってしまったことには、ただただ残念というほかはない。合掌。
製品はUMAXの「U2DBX-AS」。440BXチップセットのデュアルCPU対応マザーボードで、Dual Ultra Wide SCSIインターフェースとサウンド機能をオンボードで搭載している。スペック的には特別目新しい点はないのだが、なにしろ基板が全面真っ赤というのがユニーク。真っ赤なマザーボードが初めて姿を現したのは、実は今年6月に行なわれたCOMPUTEX Taipeiで、この会場ではUMAXがシングルCPUバージョンの真っ赤な「UDBX-AS」を展示、特に日本人の間で話題を呼んだ。このとき、UMAXは基板が赤いのはあくまでもサンプル品の意味で、製品は通常の色に戻すと当初話していたのだが、あまりにも色に関する問い合わせが多いため、途中から「製品も赤で出すことを検討中」と方針転換を匂わせていた。それが、まずデュアルCPU用マザーボードから本当に製品として出てきたというわけ。
これを販売しているのは、やはりCOMPUTEX Taipeiの会場で「赤で出せ」とUMAXに強力プッシュしていたというぷらっとホーム。価格は59,800円。同店によると、たまたま1枚入荷してみたらこの色だったとのこと。今後も赤のまま入荷するかどうかは、代理店に問い合わせ中でまだはっきりしないそうだ。場合によっては、1枚だけの超レアものになるかもしれない。赤いマザーボードが欲しいという人は(いればだが)、早めに問い合わせてみるのがよさそう。
さぁ、あとは赤いビデオカードとメモリが出れば…。
□UMAX Data Systems
http://www.umax.com.tw/
[撮影協力:ぷらっとホーム]
ケースはUMAXオリジナルデザインのミニタワーで、XeonのRetentionKit用固定穴の対応はもちろん、内部の冷却構造までXeonに対応した作りになっている。中を覗いてみると、Xeonのすぐ後ろには巨大なケース用ファンが取りつけられ、Xeonには巨大なヒートシンク、それにRetentionKitに専用小型ファンも取りつけられ、それらが密集した姿はまるでラジエーター付きの小型エンジンのよう。ベアボーンに含まれるパーツのスペックも半端ではなく、Intel純正440GXチップセット搭載デュアルXeon対応マザーボードMS440GX、Adaptec AHA-2940U2W(Ultra2 SCSIカード)、128MB SDRAM(ECC対応)、350W電源、サウンドと10Base-T/100Base-TXインターフェースはマザーボードにオンボード、といった強烈さ。あとはビデオカードとHDDだけつければ強力サーバー(ワークステーション)が完成するわけだ。
スペックとその威容も凄いが、価格も798,000円と凄い。販売を始めたぷらっとホームでは、すでに数件の見積もり依頼まで来ているというから、これはこれでもっと凄かったりする…。
□UMAX Data Systems
http://www.umax.com.tw/
□Intel
http://www.intel.com/
・MS440GX
http://channel.intel.com/business/ibp/workstn/mspb.htm
[撮影協力:ぷらっとホーム]
ツクモパソコン本店IIは、Number Nineの最新ビデオカード「Revolution IV」の予約を受け付中。このカードはNumber Nine独自開発の最新Ticket To Ride IVチップを積んだ製品で、続々と出てくる3D対応最新ビデオカードの中でも注目度はかなり高い。価格は16MBメモリを搭載した製品が24,800円で、32MB搭載の製品が32,800円。入荷時期はいずれも10月初旬で、16MB版が先に入荷する予定。RIVA TNTの例と合わせて考えると、もはや最新のビデオカードはメモリ16MBが標準といえる。
□Revolution IV(Number Nine Visual Technology) http://www.nine.com/products/revolution4/ |
Flip-Flapは予定通り、福栄秋葉原ビルの1Fに新フロアを開設して5日(土)にグランドオープンした。1Fの外壁は黄色を基調としたカラーのデザインに統一し、看板も一新した。2Fは従来通りパーツ販売を中心とし、1FはオリジナルPCや周辺機器を中心に販売する。激戦区での1Fフロア開設で、集客力アップは確実のようだ。 |
100ページ前後の日本語フルカラーマニュアルがついた「Overcloking Tools(超頻工具箱)」なるものが出まわっている。Socket 7 CPU用とビデオカード用があり、ファンとマニュアル、ジャンパピンなどがセットになっている。パッケージも含めて全て日本語化されているものの、台湾製のため、独特の日本語表現が数多くあり、マニュアルの内容も「指でCPUの温度を測れるように鍛えよう」(要約)といった項目があるなど、かなりマニアック…。発売は国内のロンテックだが、もとは台湾の出版社であるDIY Pressの製品。台湾と香港で大人気になっている製品を日本語化したものだそうだ。パソコンCity本店でCPU用が4,280円、ビデオカード用が2,980円。 □ComputerDIY 3D Overclocking Tools日本語版(ロンテック) http://www.iris.or.jp/member/lontec/itiran.htm#over |