1998年9月5日号


注目のRIVA TNT搭載ビデオカードがCreativeから登場
Savage3D搭載ビデオカードも出て新チップラッシュ続く

RIVA TNTRIVA TNT
【RIVA TNTパッケージ】【RIVA TNTカード】
RIVA TNTRIVA TNT
【RIVA TNT入荷!】【RIVA TNTデモ中】
Savage3DSavage3D
【Savage3Dカード】【バルクで販売中】

 今、とにかくビデオカード市場が熱い。続々と新ビデオチップを搭載した新製品が上陸し、アキバを大いに賑わしている。今週もまた、前評判の高かった新ビデオチップを搭載したビデオカードが登場し、注目を集めている。

●Graphics Blaster RIVA TNT(RIVA TNT)

 Creativeからは、数々の新ビデオチップの中でも特に有力視されているNVIDIAのRIVA TNTを搭載した「Graphics Blaster RIVA TNT」(日本語版)が早くも登場、かなりの人気となっている。RIVAシリーズというと、先日RIVA 128ZXが登場したばかりだが、こちらはあくまでも初代RIVA 128のマイナーチェンジ版で、RIVA TNTの方が大幅に機能強化された新世代ハイエンド向けビデオチップ。2つのテクスチャエンジンによって最大秒間800万ポリゴンの3D描画が可能、また、メモリを最大16MBまで搭載することができ、さらに内蔵するRAMDACを250MHzに高めることによって1,920×1,200ドットの32bitカラーでリフレッシュレート60Hzの画面表示にも対応する。

 4日(金)から販売が始まっている「Graphics Blaster RIVA TNT」は、標準で16MBメモリを搭載し、実売価格は25,000円前後(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。今のところAGP版のみだが、予定ではPCI版も発売されることになっている。前評判が高かっただけに、入荷した各店では「RIVA TNT入荷!」といった張り紙を店先に出すなど、ショップ側の期待度も十分な様子。25,000円前後という価格は最新ビデオカードの中では高価な部類に入るものの、初めからメモリが16MB積まれていることを考えると非常に安い。しかも、最新の3D対応ビデオチップを積んでの価格というから、ショップ関係者の中でもその安さに驚いた人は多い。そもそも、いくつかのショップが入荷を予定していたSTB製RIVA TNT搭載ビデオカードVelocity 4400(16MBメモリ)の予価が、どこも約5万円となっていたため、ほとんどの人はこれを基準に考えていたようだ。

 CreativeはVoodoo2カードでも一番乗りを果たしてスタートダッシュに成功したが、RIVA TNTでも他社に先行するかたちとなり、3D対応ビデオカード市場への並々ならぬ意気込みが伺える。コストパフォーマンスはともかく、さすがに絶対価格が高く、流通量もかなり多いことから、アキバでは「争奪戦」とまではなっていないものの、売れ行きは好調なようだ。売り切り店も出始めており、欲しいという人は早めに入手に走ったほうが無難だ。

●Terminator BEAST(Savage3D)

 もう1つは、Herculesの「Terminator BEAST」。こちらはビデオチップの老舗メーカーS3の新ビデオチップSavage3Dを搭載したカードで、8月30日(日)から販売が始まっている。AGP版のみで、日本語マニュアル付きのバルクだ。Savage3Dは、3D対応の遅れからシェアを落としつづけていたS3の起死回生の製品として投入された最新ビデオチップ。3D性能を高め、特にテクスチャデータの圧縮技術を導入したことにより、省メモリと省バス帯域でテクスチャデータを効率良く処理できるようになったのがウリとされている。

 しかし、こちらはアキバでの動きが少々鈍いらしい。いくつかのショップによると、最初に仕入れた分はすぐに売れてしまったものの、そのあとはほとんど動いていないという。肝心なテクスチャ圧縮技術に対応しているゲームソフトが今現在入手できないこと、直後にGraphics Blaster RIVA TNTの発売アナウンスが出たことなどが影響したようだ。Terminator BEASTは、流通筋に流れていた当初の発売予定からかなりずれ込んでおり、予想外に早く出てきたRIVA TNTと直接バッティングしてしまったようだ。価格は8MBメモリで18,000円前後(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)と、最新3D対応ビデオカードとしては標準的なところだが、時期的にはどうしてもRIVA TNTとの価格差を考えてしまうところだ。ただし、一部では16,000円台という安い価格も出ており、今後の価格の動きや評判次第ではまた変わってくるかもしれない。S3もこのチップでこけるようでは、先がない。

 このあとも、3Dlabs PERMEDIA 3/ATI RAGE 128/3Dfx Voodoo Banshee/#9 Ticket To Ride IVを搭載したビデオカードも投入される予定で、すでに一部の製品は予約販売も始まっている。先行して投入された3D対応ビデオチップ搭載の製品も、ここ最近は急速に実売価格が下がり始めており、まさに今アキバは「3Dビデオカード大戦国時代」の様相を呈し始めている。

 作るほうも売るほうも大変なのだろうが、買うほうも、今は大変な時期を迎えているというわけだ。

□クリエイティブメディア(株)
http://www.creaf.co.jp/
・Graphics Blaster RIVA TNT
http://www.creaf.co.jp/main/hub/press/980831riva.htm
□Hercules Computer Technology
http://www.hercules.com/
・Terminator BEAST
http://www.hercules.com/presale/specs/beast-spec.htm

[撮影協力:BLESSピーシーアドバンスド4丁目店PCiN秋葉原ソフトアイランド秋葉原店]


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