1998年10月3日号 |
Voodoo Bansheeプライスショック!16MB版で1万円後半
圧倒的なコストパフォーマンスでビデオカード市場への影響大か
【3D Blaster Banshee】 | 【カード本体】 |
【HDBENCHの結果】 | 【メルコ WGP-FX】 |
●Voodoo2ベースの3Dエンジンを採用
VoodooBansheeは、Voodoo2チップをベースとした3Dエンジンと、新開発の128Bit 2Dエンジンを統合した3Dfx初の2D/3D兼用ビデオチップ。ただし、3DエンジンはさすがにVoodoo2とまったく同一というわけではなく、Texelエンジンが2つから1つのみになっているため、QuakeIIなどのマルチテクスチャを利用するゲームなどではVoodoo2より若干性能が落ちることになる。しかし、それも3チップ構成だったVoodoo2を2D機能付きで1チップにまとめたと考えれば、この点は仕方がないところ。それでも、3Dの基本性能に関しては折り紙付きと言っていい。3DfxオリジナルのグラフィックAPIであるGlideに対応しているというのも大きなメリット。2Dに関しては、今のところはまだ実績がなく未知数だ。
●16MB搭載で2万円割れは驚異的
アキバで販売開始となっているのは、Creativeの「3D Blaster Voodoo Banshee」(16MB)とメルコの「WGP-FX」(8MB,16MB)。いずれもPCIバス用で、AGP用はCreativeから少し後に出荷される予定になっている。価格はCreativeが17,000円前後、メルコの8MBが22,000円前後で16MBが28,000円前後(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。メモリ16MBの条件で両社の製品を比較すると、かなりの価格差があるが、ハードウェア的にはCreativeがメモリにSDRAMを、メルコがSGRAMを搭載しているという違いがある。また、バンドルソフトの違いや、PC98-NXサポート有無の違いなどもある。
それにしてもCreativeの安さには驚かされる。最新の2D/3D兼用ビデオチップを搭載したビデオカードでありながら、メモリ16MBを搭載して2万円割れとは驚異的。i740搭載のビデオカードが登場して以来、3D機能付きのビデオカードは価格が下がる一方とはいえ、16MBまでメモリを搭載してここまで安くなるとは一体誰が予想していただろう?事前アナウンス通りの性能が出るのであれば、この圧倒的なコストパフォーマンスで、1万円台の8MB搭載ビデオカードなど蹴散らしてしまうかもしれない。現状ではまだ市場に出たばかりで実績がなく、3D部分に関してはGlide対応ゲームとの互換性、初めてオリジナル開発した2Dエンジンの性能など、まだ未知数の面が多く、このあたりの評価が今後の鍵になりそうだ。
入手性に関しては、現状ではメルコ製品は問題ないものの、Creative製品はまだ各店に少量入荷している程度で、「あちらで出ては消え、こちらで出ては消え」といった状態のため、しばらくは探す手間を省けないかも知れない。CreativeはAGP対応の製品がもうじき出荷されることになっているため、あるいはこちらを待つというのも手だ。
とにかく、まず性能が気になるという人がいれば、PCiN秋葉原が店内でCreative製品を実際にデモしているので、参考に見てみるといいだろう。ちなみにデモ用マシンの構成は、マザーボードがAbit BH6、CPUはCeleron 300A MHzを450 MHz駆動(100×4.5)させている。同店によるFinal Realityのテストでは、2DでRIVA TNTよりも速い結果が出たというのが興味深い。
□クリエイティブメディア(株)/Creative
http://www.creaf.co.jp/
・3D Blaster Banshee
http://www.creaf.co.jp/press/980925-3dbb16.shtml
□(株)メルコ
http://www.melcoinc.co.jp/
・WGP-FX
http://www.melcoinc.co.jp/product/multi/wgp-fx.html
[撮影協力:PCiN秋葉原とツクモパソコン本店II]