1998年10月10日号 |
まず目に付くのが製品の外箱パッケージ。デザインが派手なうえ、ショートケーキのように斜めに切られた形をしており、手提げ用の穴までついている。おかげでショップの棚に並んでも人目につきやすく、ちょっとした存在感がある。カードそのものに大きな特徴は見当たらないものの、価格的に競合するCreativeのVoodoo Bansheeカードと比べると、メモリチップがSDRAMではなくSGRAMを使用しているという点が異なっている(メルコもSGRAM)。また、バンドルされているCD-ROMにForsakenやQuake2など14ものゲームが収められているというのも特長のひとつ。ただし、このゲームはデモ版なのか正規版なのかはどこにも書かれていない。気になるVoodoo Bansheeそのものの性能については、発売直後から2Dと3Dともにトップクラスの性能が出るとの評価が固まりつつあり、価格の安さとあわせて追い風が吹きつつある。GALLANTを筆頭にマイナーベンダーからも続々と低価格の製品が投入されるようであれば、ビデオチップとしてはかなりのシェア獲得が実現できそう。
先週から販売が始まっているCreativeのVoodoo Bansheeカードはというと、品薄状況がまだ続いている。各店に少量入荷してはすぐに消えていくという状態で、入手は困難。10日(土)もほとんど姿を見ることがなかった。複数のショップによると、「少量入ってはくるものの、だいたい午前中には売れてなくなってしまう」のだそうだ。そこへいくと、「ILLUSION Voodoo Banshee」は少なくとも10日(土)の時点で5店が確実に在庫を持っていた。手ごろな価格のVoodoo Banshee搭載ビデオカードが今すぐ欲しいという人にとっては、きっとこれがいい狙い目になるはずだ。
□Minton Multimedia(GALLANT)
http://www.minton.com.tw/MM/
[撮影協力:ソフトアイランド秋葉原店]
SCSIの定番「adaptec」と2字違いの笑えるブランドネームを使ったSCSIカード製品が現われ、アキバで大いに話題になったのは1年前の夏のこと。当初は安っぽい茶箱だったが、その後しばらくしてパッケージがカラーの新デザインのものに変わり、それと同時にabaptekの文字も消えてそのままになっていた。それが見事に復活したわけだ。当時、この笑撃的(?)なブランドネームを採用して一気に知名度を向上させたのが、SCSIカードメーカーのIOI Technology。今回の新型abaptekパッケージも当然IOI Technologyの製品で、Ultra SCSIカードのIOI-4203Uと、Ultra Wide SCSIカードのIOI-9100UWと2種類が用意されている。ネーミングは笑えるが、もちろん中身はinitio製SCSIチップを使った実績のあるカードだ。
現在このパッケージを扱っているのはTWO-TOP秋葉原1号店のみで、価格はIOI-4203Uが6,500円、IOI-9100UWが9,700円。コストパフォーマンスは相変わらず高い。相性問題がシビアなCD-Rやスキャナなどの接続はともかく、HDDのみを接続する場合なら、笑いのセンスも評価して「abaptek」のSCSIカードに手を出してみるのもいいかも。
□IOI Technology
http://www.ioiscsi.com/
ここ最近の急激な円高(というよりも、ドル暴落)で、アキバは一部で活発な動きを見せている。輸入パーツが主なPC/AT互換機ショップにとって、為替相場の変化は商品の仕入れ価格に直結する重要な問題。ここ数日は10円~20円もの劇的な変化で仕入れ担当者を大慌てさせている。いまや1ドル=117円(9日)にまで急騰したとあって、直接海外との取引経路を持っているショップは、このタイミングに一挙に輸入してしまえと大号令をかけている。
実際、「CPUとメモリを緊急に大量発注したので、これからビックリ価格を連発する」と豪語しているショップがあるほか、DOS/Vパラダイス本店でも円高によって各製品を値下げしたことをホームページ上などでハッキリと公言し、早くもマザーボードからビデオカード、サウンドカードやメモリなどの価格を下げ、ほかより目立って店頭価格が安くなっている。
円高がこのまま続けば、代理店経由で仕入れているショップにも影響が徐々に出てくるはずで、全体的にパーツ類の価格が下がることになる。市場の競争原理と円高がいっしょになって、またいろいろ驚くような価格が出てくるかもしれない。「時価販売」が基本のアキバでは、為替相場の変化もダイレクトに反映されるというわけで、買う側もこのあたりは要チェック項目だ。
以前から安値で売られていた440BXチップセット搭載マザーボード「COMPOWER AB-641」が、さらに値下がりしてついに13,500円というSocket 7マザーボード並の価格にまで落ちている。このマザーボードは以前からDOS/Vパラダイス本店が力を入れて販売している格安マザーボードで、同店によれば、安いながらノートラブルの使える製品だそうだ。キャッシュ付きCeleronに対応しているかどうかは不明だが、サブマシンの製作や格安Pentium IIの製作にはもってこい。これも円高の影響を大きく受けた動きのようだ。DOS/Vパラダイス秋葉原2号店でも販売中。 □AB-641(COMPOWER GROUP) http://www.compowergroup.com.tw/product/641.html |
クレバリーの店先では、ATIの新型ビデオチップRAGE 128GLを搭載したビデオカードの日本語パンフレットを配布中。ATIテクノロジーズジャパンが製作したもので、16MB SDRAMを搭載した「XPERT 128」と、32MB SDRAMを搭載した「RAGE FURY」の2種類が紹介されている。キャッチコピーは「心拍数は128ビット 新化するパワー、近日登場」。発表当初は10月出荷と言われていたこの製品も、なんとか年内は間に合いそう? □RAGE128 http://www.atitech.ca/showcase/showcase1/rage128/splash.html |
IBM 6x86MX-PR333に新型登場。今まではベースクロック83MHzのバージョンのみだったが、今度は75MHzバージョンが出ている。内部倍率は3.5倍で263MHzの実クロックで動作する。形状はまったく83MHz版といっしょで、電圧もコア2.9VとI/O 3.3Vでいっしょだ。販売しているのはDOS/Vパラダイス本店で、ベースクロック83MHz版も75MHz版も価格は17,000円といっしょ。いっしょでないのは、本家であるはずのCyrixからPR333がいまだに出ていないこと。一体いつになったら出てくるのだろう? □6x86MX(IBM) http://www.chips.ibm.com/products/x86/x86prod/6x86mx.html |
これも円高の影響なのか、i740搭載ビデオカードの価格が一段と下がり、AOpenのNavigator PA740が8MBメモリ搭載で6,000円割れの価格となっている(詳細は「その他のお買い得情報」参照のこと)。i740がもともと安いといっても、8MBでは6,800円程度がこれまでの底値だった。複数のショップで確認できているため、この動きは今後広がる可能性もありそう。8MBメモリを搭載し、3D機能も一通り備えているビデオカードも、今ではたったの6,000円。これを標準と考えれば、Voodoo BansheeやRIVA TNTらの価格もわからないではない?
□Navigator PA740(AOpen) http://www.aopen.com.tw/products/vga/pa740.htm |
コムサテライト2号店では、ASUS製RIVA TNT搭載ビデオカード「AGP-V3400TNT/TV」の予価を表示中。25,800円で、近日入荷予定とのこと。標準でTV入出力機能がついているというのが大きな特長。このまま製品が出てくれば、RIVA TNT搭載ビデオカードの登場はCreative、Diamond、カノープスに続いて4社目になる。 |
TWO-TOP秋葉原1号店の5Fでは、TMC TI6VGA-B1というSlot 1マザーボードのサンプル品を展示中。これはVIAのApollo Proチップセットを搭載したマザーボードで、同社のSocket 7マザーボードTI5VGS+のように、WinbondブランドのPC100 SDRAMを64MBオンボードで搭載している変り種。PCIサウンドチップ(ES1371)もオンボードになっている。また、動作保証外ながら、ベースクロック112/124/133MHzにも対応しているなど、非常にユニークな仕様になっている。価格次第では人気を呼びそうだ。10月下旬発売予定。 |