1998年10月10日号 |
Ticket to Ride IVビデオチップ採用のRevolution IV登場
価格は32MBで早くも3万円割れ
【RevolutionIVパッケージ】 | 【カード本体】 |
【a little help from your friends】 | 【Got to be good looking..】 |
●3Dゲームよりもプロ向けツール用のチューニング
T2R4ビデオチップは、128bitビデオチップの開発に早くから取り組んでいたNumber Nineの最新作。Imagine 128以来、これで4代目の128bitビデオチップとなる。一部を除いて内部構造のほぼすべてが128Bit化されているほか、3D機能の強化やAGPx2モードのサポートなどが新たに盛り込まれている。ただし、ベンチマークの結果や同社の発表などからもわかるように、チューニングはパーソナルの3Dゲーム用というよりもCADやOPEN GLを使ったプロ向け3D CGツールなどに向けられており、OSもWindows 98ではなくWindows NT用に最適化していると同社は明言している。価格の点でRIVA TNTと比較されるゾーンにあるものの、性能的には目指しているマーケットがはっきりと違う点に要注意。2D表示の品質の良さについては、前代のビデオカードRevolution 3Dも含めて定評があることから、Windows NTでワークステーション志向の環境を利用する人にとっては特に魅力ある製品と言えそう。個人で購入できる価格帯の製品の中で、ローカルに32MBものメモリを搭載しているモデルは今のところこのRevolution IVだけ、というのも特定の層にはウケそうだ。
●ビートルズ・マニアらしさは健在
製品の外箱パッケージはRevolution 3Dのものとそっくりで、全体的な色が赤系統から青に変わっているという違いはあるものの、パッケージ中央には3D CGで描かれた男のマネキン頭はそのまま残っており、マイナーチェンジという印象は否めない。ショップで一見すると、安売りされているRevolution 3Dとイメージが重なってしまい、買うほうもこれでは見落としてしまいそうだ。
Number Nineの製品というと、ビートルズ・マニアらしさが必ず盛り込まれていることで知られているが、Revolution IVでもそれは健在。PCの起動時には「Revolution IV a little help from my friends」というリンゴ・スターが歌うビートルズの曲名にひっかけたメッセージが表示される。また、カード基板上にも、目立たぬ場所にちょっとしたメッセージ(Got to be good looking、cause it's Sliver Hammer you see)が隠されているなど、同社らしい遊び心が見受けられる。カードのほかの特徴としては、最近のビデオカードには珍しくビデオチップ上に冷却用部品が一切ついていない点があげられる。最近ではビデオチップの性能向上とともに、発熱も大きくなり、ヒートシンクやファンがついているものが当たり前のようになってきているが、Revolution IVのT2R4には何もなく、ショップのテストなどでもそれほど熱が出ないそうだ。
●新ビデオカードラッシュも一段落
出回っているRevolution IVは日本語パッケージと日本語バルクの2種類(英語版もあったが売り切れ)があり、特に32MBはバルクのみで流通量が少量のため、今のところ入手が難しい状況。32MBモデルが今すぐ欲しいという人は、早めにショップに走ることをおすすめする。
これでMGA-G200、Savage 3D、RIVA TNT、Voodoo Banshee、T2R4と新ビデオチップを搭載したビデオカードは一通りデビューした。年内にはこのほかにも12月中に発売されるとみられるATI RAGE 128VR/GLもあるが、それまではこれらのビデオチップを搭載したビデオカード製品で大混戦ということになりそう。
□Number Nine Visual Technology
http://www.nine.com/
・Revolution IV
http://www.nine.com/products/revolution4/index.html
□ダイヤセミコンシステムズ(株)
http://www.diasemicon.co.jp/
・Revolution IV
http://www.diasemicon.co.jp/n9/rev4/spec00.htm
[撮影協力:ツクモパソコン本店IIとFlip-FlapとPCiN秋葉原とパソコン工房秋葉原3号店]