1998年11月7日号 |
今週登場した台湾メーカーの製品は、EONtronicsのLilith Banshee(SGRAM)、GainwardのDRAGON4000(SDRAM)、DCSのW853(SDRAM)の3種類。いずれもAGP対応でメモリ容量16MBというスペックを持っている。どれも中心価格帯は15,000円前後ながら、最安値でみると13,800円や14,800円と、きわめて安い(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。中でもLilith BansheeはメモリにSGRAMを搭載し、大きくきれいなリテールパッケージに入っているうえ、3Dゲームのincomingがマニュアル付きで同梱されているという豪華さで、群を抜いてコストパフォーマンスが高い。在庫ショップも多数あるため、入手性も問題なし。2Dも3Dも高速な最新ビデオカードが、16MBのメモリを搭載して1万円前半でどこでも手に入るというのだから、まさに驚くべき状況だ。
実は価格が下がっているのは台湾メーカー製品だけではない。Creativeの3D Blaster Bansheeも一部ショップでバルク品の販売が始まり、PCI版が13,800円となっている(PCiN秋葉原)。AGP版も来週に入荷する予定だそうだ。Creativeの3D Blaster Bansheeは発売直後から頻繁にデバイスドライバのアップデートを行っているので、こうしたサポートに期待したい人はこちらを狙ったほうが良さそう。パッケージ版も今では価格が下がり、最安価格帯は16,700円~17,800円程度になっている(詳細は「その他のお買い得情報」参照のこと)。
激戦のビデオカードも、これからパーソナル用のハイエンドはRIVA TNT、それ以外はVoodoo Bansheeということで、しばらく固まりそうだ。
□EONtronics
http://www.eontronics.com/
・Lilith Banshee
http://www.eontronics.com/Product_Information/Video_Cards/Lilith_Banshee/lilith_banshee.html
□Gainward
http://www.gainward.com/
・DRAGON4000
http://www.gainward.com/products/dragon/drango4000.htm
□DCS(Acer Sertek)
http://dcs.sertek.com.tw/
・W853(PV-810)
http://dcs.sertek.com.tw/w853.htm
[撮影協力:ソフトクリエイトFM館とPCiN秋葉原とAZ’TEC]
M IIはもともと、6x86MXとは別ラインナップで300-GPからスタートしたシリーズだったにもかかわらず、10月には突如下位モデルのM II-266GPが登場。そして、最上位モデルのM II-333GPが先週ようやく出たというところにきて、今度はM II-233GPが登場。これで6x86MXとM IIとのラインナップに違いがほとんどなくなってしまった。M IIの新モデルについて、Cyrixから公式発表はまだ出ていないものの、現在出回っているM II-233GPの一部は国内の代理店から出荷された正規流通品で、きちんとそれを証明するスタンプもCPU表面に押されている。その代理店から「0.25ミクロンプロセスでの製造品です」とのアナウンスがあったと証言するショップもあるのだが、コア電圧が2.9Vと従来から変わっていないことを考えれば、代理店側の話は信じがたい。M II-233GPのほうが6x86MX-PR233より価格が安いというのも妙ではある。現地在住の人から寄せられた情報によると、韓国ではM IIの233GPは少し前から出回っていたそうだ。
確認できた在庫ショップは2店あり、価格は5,980円~6,400円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。動作クロックは66MHz×3の200MHz。ちなみに、ライバル(?)の6x86MX-PR233は6,400円~6,860円となっている。ロードマップがなぜか下に伸び始めたM II、次はM II-200GPか?
[撮影協力:PCiN秋葉原]
Socket 7マザーボードではいくつか製品があるものの、Slot 1マザーボードでメモリがオンボードになった製品はこれが始めて。しかし、この製品の凄いところは、メモリがオンボードという点だけではない。なんと、ベースクロックが66/75/83/100/103/112/133/144/150MHzと実に幅広く対応し、さらにPCIバスのクロックも各ベースクロック毎に変更できてしまうという優れものなのだ。PC 100メモリをオンボードにしているのも、高ベースクロックでメモリが確実に追いつくように、という設計思想なのかもしれない。実は、サンプル品の段階では設定できるクロックはもっと幅広く、117/129/138/148MHzなどという聞きなれないクロックにも設定ができたそうだ。
同店によると、この製品の反応がよければ、メーカー側も日本からのリクエストを聞くといっているとのこと。これぞまさしく「人柱御用達マザーボード」だったり…。なお、TWO-TOP秋葉原1号店でも、同じTMCのTI6VGA-B1という64MB PC 100メモリを搭載した製品が10日(火)ごろに入荷するそうだ。
□TMC(Taiwan Mycomp)
http://www.mycomp-tmc.com/
[撮影協力:Flip-Flap]
新しいCPUソケット「Socket 370」に関する情報が徐々に増え始めている。その証拠に、先週の台湾ENPC Technologyに続いて、今度は国内のショップもWeb上で写真の公開を開始している。
北海道・旭川のHAPPY-CATは、「情報のページ」の中で「新CPU情報」と題し、新型ソケットと、Intelの新型ソケット対応CPU、さらにSlot 1用の新型ソケット・ライザーカードとマザーボードの写真を公開中。ページの中ではSocket 370とは書かれていないものの、写真の新型ソケットにはしっかり「PGA 370」と刻印されているほか、Socket 7よりもピンが内周1周分多く、CPUの写真を見て実際に数えると計370ピンあるということからも、それが巷で言われているSocket 370であることは明らか。新型CPUはMMX Pentiumとまったく同じパッケージのPPGAだが、2次キャッシュ128KB内蔵という仕様や、Intelのロードマップから考えても新型Celeronであると推測できる。また、東京・西早稲田の高速電脳も、「情報ページ」の中で新型ソケット対応CPUとライザーカード、そして新型ソケット用に開発されているというCPUクーラー「風神 3rd試作品」(CoolerMaster製)の写真を公開している。ENPCの写真と違い、一部の写真はかなり鮮明でリアルな写真のため信憑性は高そうだ。
ここまで情報が出てくると、年末デビューの話にも思わず期待したくなってしまうところ。興味のある人はそれぞれのページで確認してみるべし。
□HAPPY-CAT
http://plaza18.mbn.or.jp/~happy_cat/index.html
情報のページ - 新CPU情報
http://plaza18.mbn.or.jp/~happy_cat/jyouhou.htm
□高速電脳
http://www.ko-soku.co.jp/
情報コーナー
http://www.ko-soku.co.jp/PVT.htm
サウンド系マニア待望のカノープス「DA-Port USB」が発売となり、ちょっとした人気を呼んでいる。これは光入力と光出力端子を2つずつ備えたUSB接続のデジタルオーディオインターフェースで、WAVEやMIDI出力はもちろん、リアルタイムMP3エンコーディングもできるという画期的な製品。このところのMP3ブームもあって、発売前からかなり話題になり、ショップにも問い合わせが多かったそうだ。入荷したのはどのショップも7日(土)午後で、入荷を待つための客で列ができていたショップもあった。どこも少量入荷で、次回入荷が未定のショップが多いため、欲しいという人は早めに確保したほうが良さそう。価格は21,800円~24,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。 |
440BXチップセット搭載のマザーボードもついに1万円割れ。あくまでも特価品ではあるが、EliteのP6BX-A+とNEC台湾の686BX03が9,800円で販売されている。さらに、UMAX UDBX-Aは10,000円だ(詳細は「その他のお買い得品」参照のこと)。現行最新モデルでさえ1万円前半があたりまえという今の状況では、特価品ではこうなるのが道理至極ではある。PCのパーツはとにかく安くなる一方。OSだけは例外だが。 |
汎用のソフトウェアDVDプレイヤーがやっと単体で販売開始になった。最近ではビデオカードに同梱されているケースもあるが、輸入品の場合は国別コードが日本用に設定できなかったり、単体販売されていてもビデオチップ限定という条件つきだったりしたため、それほど話題には上らなかった。今週はNOVACから「SoftDVD」、UEP Systemから「Software Cinemaster 98」という日本語版のソフトDVDプレイヤーが登場している。価格は8,000円前後(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。やはり要求するハードウェアスペックは厳しいものの、汎用で使えるというメリットは嬉しい。DVD-Videoのタイトルも10月から国内で大量に増えているので、一緒にチェックしてみてはいかが? |
CD-ROMドライブの高速化はまだまだ懲りずに続いているようで、ツクモパソコン本店IIでは、なんと48倍速CD-ROMドライブの予約受け付けを始めている。製品はAcerのCD948Eで、来週にも入荷するそうだ。スペックはまだわからないが、単純に考えるとCD-ROMの回転スピードが10,000rpmを超えている可能性もある。BTCも44倍速CD-ROMドライブの出荷を始めており、これも近々国内で販売される見込みだ。また、台湾の現地紙にはつい先日、あるメーカーが「50倍速CD-ROMドライブを開発中」という記事が出ていた。いまだに世界最速CD-ROMドライブの座を巡っては、メーカー間での熱い競争が繰り広げられているらしい。 |