1998年11月21日号

世界最速の48倍速CD-ROMドライブはいかが
CD-ROMの回転数はCheetah並みの「およそ1万」

AOpen CD948EAOpen CD948E
【パッケージ】【ドライブ】

 40倍速で足踏み状態だったCD-ROMドライブの世界最速記録が一気に48倍速へと前進した。AOpenが48倍速CD-ROMドライブ「CD948E」を発売したもので、現在アキバでは1万円前半の値がついている(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 CD948Eはデータ転送速度が実に最大7,200KB/sにも及び、CD-ROMの回転スピードは「およそ10,000rpm」に達している。

10,000rpmで回るCD-ROM

 AOpen CD948EはATAPIインターフェイスのトレイタイプCD-ROMドライブ。世界最速とはいえ、形状は特に何の変哲もなく、見た目は従来の製品とまったく同一のデザイン。唯一ほかとの違いを際立たせているのが、トレイ前面にマーキングされた「48x」の文字。もちろん、これは「48倍速」の意味。

 スペック的には48倍速ということで、データ転送速度の最大値は150KB/s×48=7,200KB/sにも達し、ドライブはこの高速転送に対応するためにUltra ATA(Ultra DMA/33)サポートとなっている。気になるCD-ROMの回転数については、不思議なことに外箱パッケージやマニュアルには一切記載がない。しかし、COMDEXの会場でAOpenに確認したところでは、「およそ10,000rpm」との返事だった。これが正しければ、ついにCD-ROMドライブもハイエンドHDDと同じ回転スピードにまで達したということになる。音や振動が気になるところだが、箱パッケージには10,000rpmにも対応できる振動対策システム「Dynamic Damping System(DDS)」が組み込まれていると誇らしげに書かれてある。

50倍速ももうすぐ

 KENWOODらが開発したマルチビーム方式(複数のトラックを同時に読み込む)などのアイデアを使えば、回転数を落としてもデータの読み込みスピードが稼げるとはいえ、こうした方式はコストの問題があって、まだまだ多くのメーカーは単純に回転数をあげる方向で高速化に邁進している。先日行われたCOMDEXの会場でも、11,000rpmでCD-ROMを読むという50倍速CD-ROMドライブが出品されていたほど。20倍速を超えたあたりから、「もうこれが限界」と言われていたのがウソのようだ。

 飽くなきCD-ROMドライブの高速化に「そもそもマーケットにニーズはあるのか?」という根本的な疑問がどうしても沸くところだが、このCD948Eについて言えば、値段が安いせいもあってか、事前に予約を取っていたショップに、実際に予約を申し込む人が現われたそうだ。いやはや、作るほうも作るほうだが、買うほうも買うほうだ。アキバではCD-ROMドライブも「ハイエンド」の名がつけば売れるらしい。このぶんなら、50倍速が出ても確実に売れそうだ。

□AOpen
http://www.aopen.com.tw/

[撮影協力:ツクモパソコン本店II]


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