1998年11月28日号 |
95MHz×4で動作するK6-2/380がデビュー
「26351」の新コアで、実売価格は24,000円前後
【2万円中盤が相場】 | 【K6-2/380】 |
【入荷!】 | 【販売中】 |
●やはり「26351」の新コア
出回っている実物を複数確認したところでは、やはりセラミックパッケージ上にマーキングされている数字は「26351」。つまり、いずれも新コアということになる。製造時期を示すデートコードは全てが「9844」('98年第44週)だった。「26351」のK6-2/300では、一部で製品型番にAMD-K6-2 300AFR-66」と「-66」という数値が付加された製品が確認されていたが、現在出回っているK6-2/380にこの数値はついていない。
新コアは「CXT」や「XT」などという名前でも呼ばれており、データシートによると、従来のコアからはWrite Allocate関連の仕様が変更されている。制御レジスタbitの位置変更とbit幅の拡張、さらにWrite Merge Bufferなどの機能が追加になっており、すでに一部マザーボードのBIOSではこれらがサポートされている。これによってパフォーマンスが若干アップするとも言われている。
●新コアのユーザーになるための注意点
ただし、Write Allocateを制御するbit位置が変更となっているため、新コアをサポートしていないBIOSのマザーボードで使用すると、Write Allocateそのものが無効となってしまい、逆にパフォーマンスが悪くなるという互換性問題も発生している。K6-2/380に限らず、新コアのK6-2を購入しようとしている人は、まずマザーボードのBIOSが対応しているかどうかを調べ、可能ならば新しいBIOSにアップデートしておく必要がある。すでに新コアを入手して使用中という人ならば、「Write Allocate Monitor II for Windows95/98」というM.Horiguchiさん作のツールを使うことで、現在使用中の環境で新コアK6-2のWrite Allocate設定が生きているかどうかを簡単に調べることができる。また、たとえこの場合に生きていなかったとしても、このツールで新コアのWrite Allocate設定を強制的にONにすることができ、さらに新機能の設定も変更できるので、いざというときには重宝する。
もうひとつ忘れてならないのは、K6-2/350デビュー直後に明らかになったWindows 95でのトラブル。AMDの説明によると、Windows 95側のコードの問題で「ソフトウェア・タイミング・ループの実行が通常よりも速すぎてしまう」ため、K6-2の高クロックタイプでブートすると、ある確率で確実に失敗するという。注意しなければいけないのは、これはK6-2/350だけの問題ではなく、「K6-2/350以上」で発生するということ。つまり、現在出回っているK6-2/380でも発生することになる。これについては、日本語Windows 95に対する修正パッチをマイクロソフトが配布しているので、Windows 95で使おうという人はサポート窓口に連絡して入手する必要がある。また、英語版については、今週になってからAMD自身がパッチのダウンロードサービスを開始しているので、英語版が必要な人はこれを利用しよう。なお、Windows 95 OSR2以前とWindows 98、Windows NTではこの問題は発生しない。
●Socket 7最速のK6-2/400も間近
パフォーマンス改善のための仕様変更で、いろいろと面倒な注意点が発生しているものの、これも「なんでもあり」という、いつものSocket 7らしさ。いろいろといじるのが楽しいというマニアにとっては、むしろ格好の材料と言えそうだ。なお、複数のショップの話によれば、K6-2/380と同時に発表されているK6-2/400も、近いうちに登場することになりそう。Socket 7で最速のCPUが欲しいというハイエンド志向の人は、もう少しだけ待とう。
□マイクロソフトサポート窓口一覧
http://www.microsoft.com/japan/support/supportnet/phonenumbers.htm#standard
□Write Allocate Monitor II for Windows95/98
http://member.nifty.ne.jp/Horiguchi/
□K6-2/350以上でWindows 95を使用する場合の不具合修正パッチ
http://www.amd.com/products/cpg/k623d/win95_update_k6.html
[撮影協力:PCiN秋葉原とパソコン工房秋葉原3号店]