1998年12月12日号

Diamondの携帯型MP3プレーヤー「Rio」がついにデビュー
取り扱いは大型店が中心で実売価格は27,800円

Diamond RioDiamond Rio
【Rioパッケージ表】【Rioパッケージ裏】
Rioデモ中在庫切れ
【Rioデモ中】【Rio在庫切れ】
RioありますRio完売
【Rioあります】【Rio完売】

 韓国・セハン情報システムの「mpman」に続き、ビデオカードやサウンドカードでおなじみのDiamond Multimedia Systemsからも携帯型MP3プレーヤー「Rio」が登場した。MP3に関しては著作権問題などまだ未整理な部分が多数残されている状況の中で、メジャーブランドから携帯型MP3プレーヤーが発売されるということで、ここにいたるまでには紆余曲折があったが、ようやく年末商戦ギリギリのタイミングで発売となった。取り扱いは大型店が中心で、実売価格は27,800円で横並びだ(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

ボーナス商戦に間一髪セーフ

 結局、Rio(PMP300)の国内での販売開始は12日(土)となり、ぎりぎりでボーナス商戦に間に合った格好。もとはアメリカで音楽業界団体から販売差止請求をおこされたことから発売がだいぶ遅れ(請求は棄却された)、国内でも予定が二転三転、直前にアナウンスされた10日(木)の発売予定も最終的には2日遅れになった。ボーナス支給日直後の土日から販売開始となり、まさにスケジュール的には間一髪セーフといったところだ。

 発売直後から「Rio」の反応は上々のようで、12日(土)夕方の段階ではほとんどのショップで売りきれの状態になっていた。なかには、T-ZONEミナミのように午前中で全て完売してしまったという例もある。このあたり、いかに注目度が高いかがうかがえる。

 MP3とは、PCマニア達には言わずと知れた高圧縮の音楽デジタルデータで、CD並の音質を確保したまま音楽を1分あたり1MB程度のデジタルデータに変換できる優れたデータ形式。高音質のまま小さなサイズのデジタルデータにできるとあって、音楽CDからMP3データ化して編集を施し、CD-Rなどのメディアに記録することがPCマニアの間では大流行中。また、悪い面では市販の音楽CDをMP3化してインターネットで配布するという違法行為が相次ぎ、問題になっている。デジタルデータによる音楽データの流通は、音楽ビジネスの将来を変えるとも言われ、いろいろな意味でMP3の注目度は高い。

気になるメモリ容量

 さて、そのMP3データを再生するRioは、ラジオのような形をした携帯型のMP3プレーヤーで、本体にはメモリを32MB搭載している。メモリの増設用には「フラッシュメモリカード」が用意されており、これはデジタルカメラなどで使われているスマートメディアそのもの。ただし、動作保証は純正品のみで、市販の他社製スマートメディアに関しては動作保証を行っていない。編集部で実際に動作させた範囲では、3.3Vの16MBと8MBの他社製スマートメディアが使用できた。ただし、あくまでもこれは増設メモリとして使用できるだけで、残念ながら直接パソコンなどでスマートメディアにデータを書いてRioに渡すということはできない。データはパラレルインターフェイスを介してパソコン側から転送する。また、Rioでスマートメディアを一度初期化すると、そのスマートメディアはデジタルカメラでは利用できなくなることがあるため、デジタルカメラとスマートメディアを共有することは考えないほうがいい。

 気になるのは、このメモリの容量。CD並の音質を確保するために128KbpsのビットレートでMP3データを作成すると、1分あたりのデータサイズは約1MBになる。ということは、32MBでは約30分しか入らない。また、スマートメディアは現在のところ最大容量の製品が16MBのため、これを足して48MBにしたとしてもCD 1枚分を収録するのは難しい(32MBのスマートメディアは来年発売予定)。ビットレートを落としてMP3データをエンコードすれば、データのサイズは小さくなってもっと多くの曲が収録できるものの、音質は犠牲になる。mpmanには、標準で64MBメモリを搭載した製品も用意されており、メモリ容量の点だけを見れば、mpmanの方が有利。mpmanはRioの登場に合わせて価格も安くなっているので(詳細は「その他のお買い得情報」参照のこと)、まさにRioにとってよきライバル。Rioには、標準で64MBメモリを搭載したバージョンや、コンパクトフラッシュに対応したバージョンの開発も期待したいところ。音質に関しては、T-ZONEミナミの4Fと7F、ツクモDOS/Vパソコン本館の4Fなどでデモ中なので、実際に自分で試聴してみるといい。

Rioの登場でMP3ブームはさらに過熱?

 Rioのメリットは、なんといってもDiamondから出たという点にあると言えそう。ワールドワイドで展開するDaimondから発売になったということは、今後の製品の安定供給とサポートには期待が持てる。一部マニアが中心だったMP3の世界が、一気に広がる可能性がある。

 デジタル入出力の機能を持ったサウンドカードがここ最近急増していることもあり、MP3の利用環境は確実に整ってきている。Rioの登場によって、MP3ブームがさらに過熱することになるのは間違いなさそうだ。

□Diamond Multimedia Systems/(株)ダイアモンド・マルチメディア・システムズ
http://www.diamondmm.com/
http://www.diamondmm.co.jp/
・Rio PMP300
http://www.diamondmm.co.jp/products/current/rio.html
http://www.diamondmm.com/products/current/rio.cfm

[撮影協力:ツクモパソコン本店IIT-ZONEミナミソフトクリエイトFM館]


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