1998年12月19日号 |
初のSocket 370対応マザーボードが2社から登場
ASUSは440LX、SUPERMICROは440BXチップセット採用
【ASUS MEL-M】 | 【サポートは…】 |
【SUPER 370SBA】 | 【PGA370の文字】 |
●方向性の違う2製品
TWO-TOP秋葉原1号店では、ASUSのSocket 370対応マザーボード「MEL-M」を16,800円で販売中。この製品は、YMF740C-Vサウンドチップと440LXチップセットを搭載したmicroATXフォームファクタの小型マザーボード。Socket 370対応Celeronと組み合わせる低価格PC向け製品という意味では、かなり順当なスペックと言える。マニアックなところでは、ベースクロックが最大83MHzまで設定できるというのがひとつの魅力になりそうだ。動作保証外のクロックでCPUを動かしたいという人ならば、もうすぐ発表されると言われているSocket 370対応Celeronの366MHzを使い、83MHz×5.5=約460MHz程度で運用できる可能性がある。
同店では「サポートを受けられる際はCPUもあわせてご持参ください」と張り紙をつけて販売中。実際にはSocket 370対応のCPUはまだ販売されていないため、購入者はCPUの登場を待ってから動作確認するしかない。まさに「人柱」専用パーツというわけだ。なお、同店によると、この製品のマニュアルには搭載チップセットが440LXではなく、440BXと誤って記述されているので、この点間違えないように注意して欲しいとのこと。
もうひとつのSUPERMICRO製「SUPER 370SBA」はプロサイド本店が扱っている。こちらはASUSと違い、440BXチップセットを搭載したATXフォームファクタの製品で、CPUソケット以外はいたって普通のスペック。マザーボード上のシルク印刷を見る限り、ベースクロックはジャンパで100MHz/66MHz/AUTOの3つから選択できるようになっている。66~100MHzの間の設定がないとすると、Celeron 366MHzを使ってクロックアップすると一気に100MHz×5.5=550MHzにまで達してしまうため、安定動作は難しそうだ。価格は17,800円。ただし、19日(土)の時点ではすでに売りきれとなっており、次の入荷は「年内中」の予定になっているそうだ。
●ソケットの大きさはSocket 7と同じ
さて、Socket 370のソケットそのものを見てみると、Socket 7と全体的な大きさがまったく一緒であることがわかる。ピン配置で言うと内周に1周増えるかたちでピンが増えているだけのため、一見するとほとんど違いはわからない。Socket 370とSocket 7のソケットの違いは、このピン数のほか、ソケットに書かれた文字にあり、Socket 370が「PGA370」、Socket 7が「Socket 7」と書かれている。ちなみに、Socket 370にSocket 7のCPUがささるかどうかを実験してみたところ、必ずCPUの一部のピンが浮いてしまって入らない構造になっていることがわかった。これは事故の防止にはなりそうだが、あまりにもソケット形状が似ているため、無理やり押し込んでピンを折る人も出てきそうだ。
●あとはCPUだけ
Socket 370を使ったPCを作るのに必要なパーツは、あと残るはCPUのみとなった。こちらは来年1月4日にCeleron 366MHzと400MHz発表が出るとの報道が出ていることから(米Computer RETAIL WEEK誌など)、入手可能な日もそう遠からずやってきそうだ。
CPUが出ていないのにマザーボードを買ってどうする?というのが普通の考え方だが、もし対応CPUがこのあとすぐ出てくるとなると、今販売中のマザーボードもその時点で一気に売れてなくなってしまう可能性も考えられる。Socket 370のPCをいち早く完成させたいという人なら、今のうちに入手しておくのがいいかもしれない。
□ASUSTek COMPUTER(ASUS)
http://www.asus.com.tw/
□SUPERMICRO
http://www.supermicro.com/
□Computer RETAIL WEEK
http://www.crw.com/
・Intel to Debut 400MHz Celeron on Jan. 4, Sources Say
http://www.crw.com/news/1998/weekending121898/dec17dig02.asp
[撮影協力:TWO-TOP秋葉原1号店とプロサイド本店]