1999年1月30日号 |
TWO-TOPによると、いずれもチップ上には「PC100 2-2-2」という記述があるものの、業者からの入荷段階で「PC125 CL=2」という条件で入荷しており、基板が最高品質のものを使っているためにマージンが大きく、テストでも125MHzで完全に動作するのはもちろん、150MHzでのテストも環境によっては通ることがあったそうだ。そのため、各店の店先には「外部クロック125MHz動作保証メモリー!!」「夢の大台!外部クロック150MHzも夢ではない!!」「DIYユーザー待望」など、やや興奮気味な内容の張り紙が出されている。同店常連のパワーユーザー達も一様に「感動して」購入していったそうで、このぶんだと「馬鹿売れしそう」とは担当者の弁。
マザーボードも今では150MHz台のベースクロック設定のできる製品が少なくなく、パワーユーザーの間ではいかにベースクロックを上げて高いクロックでCPUを動かすかが一番の関心事。最近ではCPUや周辺カードはともかく、メモリがネックになってクロックを上げられないケースが多いことから、確実にこの125MHz動作保証SDRAMは人気の的になりそうだ。
ただし、今回の価格は特別価格ということなので、この価格に魅力を感じる人は早めに入手に走ったほうがよさそうだ。また、125MHzの動作保証もあくまでもメモリ単体の話であって、PCのシステム全体での動作保証でないことに注意。もちろん、150MHzについてもあくまでも可能性の話であって保証はしていないので、やる場合は自分の判断と責任において行うこと。
□125MHz動作保証メモリ!(TWO-TOP)
http://www.twotop.co.jp/tuhan/memory/memory.html
SiS620は、Socket 7用のSiS530と似たスペックを持ち、チップセットにはAGP接続の3D対応ビデオ機能(SiS6326AGP相当)を内蔵してUltra ATA/66にも対応している。そのSiS620を採用したP6SEP-MeはmicroATXフォームファクタのSocket 370対応マザーボードで、EliteブランドのCMI8338サウンドチップも搭載している。このCMI8338はC-Media Electronics製のものと同一スペックのサウンドチップで、A3Dに対応し、SPDIF端子もマザーボード上に備えている。
P6SEP-Meは言わば低価格なオールインワンマザーボードという位置付けにあたり、実際に販売価格も10,800円(フェイス)とかなり安い。ビデオもサウンドも内蔵しているため、このあとはCPUとメモリさえ積めば、基本的なシステムがですぐにきあがってしまう。例えば、Celeron 300A MHzと64MB SDRAMをセットにしても約3万円。これだけ安いと、価格の面でSocket 7への強力な対抗馬となるのは確実。しばらく沈黙を保っていたSiSが一気に攻勢をかけてきたようにも見え、今後の製品や価格の動きに注目したいところだ。
□Elitegroup Computer Systems(Elite)
http://www.ecs.com.tw/
・P6SEP-Me
http://www.ecs.com.tw/ecs/ecs/p6sep-me/p6sep-me.htm
□Silicon Integrated Systems Corporation(SiS)
http://www.sis.com.tw/
・SiS620
http://www.sis.com.tw/products/pentium2/s620.htm
[撮影協力:フェイス]
ひとつはASUSから出たS370。このS370は、今のところアダプタ単体でCPUへの供給電圧を調整できる唯一の製品で、電圧は1.80V~2.60Vの範囲で設定が可能。1.80Vから2.10Vまでは0.05V刻みで、それ以降は0.1V刻みの設定になる。アダプタ側で電圧を変更する意味というのは、現状ではクロックアップ用としか説明ができず、ASUSにしては随分とあからさまな製品と言える。ただし、話題沸騰中のDual化の改造についてはこの製品ではできないことがすでに判明しており、パワーユーザー層に広く受け入れられるには、この点の改善が今後の課題になりそう。現在の製品はリビジョンが1.01となっているので、この番号が変わったときに再び注目が集まりそうだ。
もうひとつはPC CHIPS製のP-II CPU CARDという製品。実際には新しいといっても、すでに出まわっているEliteのSmartAdapterと見た目はまったく一緒で、おそらくどちらかがOEM元の同じ製品と推測される。EliteとPC CHIPSは'98年に提携を発表しており、これは十分ありうる話だ。SmartAdapterと同じということは、Dual化改造が可能というわけで、その意味では売れる要素は十分。そして最後はメーカー名不明のMP6。こちらは見た目はなんの変哲もない製品。Dual化などの可能性については今のところ不明だ。
このほかにも、まだメジャーなところから製品発表されながら、発売になっていない製品というのがいくつもあり、今後もしばらくは製品ラッシュが続きそう。価格や取り扱いショップなどの詳細は「今週見つけた新製品」を参照のこと。
□PC CHIPS
http://www.pcchips.com.tw/
・P-II CPU CARD
http://www.pcchips.com.tw/P-II%20CPU%20Card.html
[撮影協力:Flip-FlapとCOMTRADERとPC夢工房]
例えば、mircoATX用のデスクトップケースもそのひとつ。microATX用に出ているケースというと、これまでは全てタワー型で、microATX用ケースと言えばイコール「単に背が低いだけのタワーケース」という印象がぬぐえなかったが、ようやく小型のデスクトップケースも出てきた。デスクトップの小型ケースというと、すでにNLXがあり、ブック型PCのジャンルとして確立しているが、これの難点はマザーボードとケースとの互換性が乏しく、事実上セット品の購入が前提になることと、ノート用薄型CD-ROMドライブが必要になること、5インチベイが使えないなどの点が挙げられる。それが、microATX用デスクトップケースとなると、最近あふれるように出ているmicroATXマザーボードの中から好きなものが自由に選べ、なおかつ5インチベイも使えるので手持ちの部品を流用してすぐに小型デスクトップが作れてしまう。さすがに大きさはNLXほど小さくはないが、一般的なATXのデスクトップケースよりはだいぶ横幅が狭く、縦置きするにもちょうどよさそうだ。今週発売になったElite P6SEP-Meのような低価格オールインワンmicroATXマザーと組み合わせると、かなり安く小型PCが作れる。ケースの価格が8,980円(ツクモパソコン本店II)と安いのも魅力だ。
さらにクレバリーでは、まるでSCSIケースのように小さいユニークなキューブ型ケースも取り扱っている。このケースは、背を大幅に低くする代わりにやや幅を広げることで、ドライブベイの拡張性を高めてあり、microATX用でなおかつ際立って背が低いにもかかわらず、5インチベイが3つ、3.5インチベイは4つ(FDD用含む)もある。電源も230Wの容量があり、大きさ以外はほとんど普通のPCケースと遜色がない。これこそ、性能を落とさず小型化だけを追求したmicroATXの理想的なケースと言えないだろうか。価格が12,800円とmicroATX用ケースの中ではやや高いが、内容的な魅力からするとそれほど高くもないだろう。
「microATXなんて…」とお嘆きの貴方も、こんなケースの登場でmicroATXを再評価してみるのはどう?
[撮影協力:ツクモパソコン本店IIとクレバリー]
今ではSPDIF対応のPCIサウンドカードが何種類か存在していることもあって、見ることすら少なくなっているが、実はそのART-833-3Dの強力な新バージョンが突如登場している。今度の新バージョンは「ART-838-3D」という型番の製品で、SPDIFのIN/OUTは(INは内部コネクタ、OUTは外部のRCAジャック)そのままにPCIカードに進化したほか、Aurealの3DサウンドAPIであるA3Dにも対応、さらに4スピーカー出力にも対応している。きっちり今のサウンドカードのトレンドを取り込んできているわけだ。それでいて、価格も3,800円(Flip-Flap)と安い。
中身で大きく変わった点はサウンドチップ。ART-833-3Dに使われていたサウンドチップはC-Media Electronicsが開発したCMI8336(HT8336)もしくは3D Sound ProなどのOEMブランドで呼ばれるISA接続のチップだったが、ART-8338-3Dでは新型のCMI8338(HT8338)になっている。C-MediaのサウンドチップはマザーボードメーカーのPC CHIPSがよく採用することで知られているが、今週はPC CHIPSと提携を結んだばかりのEliteから、この新型CMI8338をオンボード搭載したマザーボードが同時に発売になっている。これらはマザーボード上にもSPDIFのコネクタが用意されている。
まだ音質やデバイスドライバの出来などに関する評価実績がなく、実力は未知数だが、ひょっとするとまた新たなブームを呼ぶことになるかもしれない。A3Dと4スピーカーとSPDIFに対応して約4,000円のこの格安PCIサウンドカード、今後のちょっとした注目株といえそうだ。
[撮影協力:Flip-Flap]
あるIntelの代理店はこう言う。「Celeron PPGA版はいままで注文が少なかったのに、先週は週明けから急にPPGA版ばかりの注文になってしまった」。そして、わかりやすいところでは、アキバから低価格なDual対応マザーボードがきれいさっぱりなくなってしまっている。代表的なところでは、2万円台のTekram P6B40D-A5などが、これまであちこちにあったにもかかわらず、今や売れてしまってほとんど店頭では見ることができない。実際に問い合わせも多いそうで、明らかにCeleron需要によるものと考えられる。ショップもこれを察知して、すばやいところでは、急遽GIGABYTE GA-6BXDやEPoX KP6-BSなどの価格の安いDualマザーボードを入荷し、このCeleron特需に対応している。逆に4万円台の高価なDualマザーはまったく動きがないそうで、安いCeleronを買いながら、マザーボードだけ高価なものにするということは誰もやらないらしい。
もっとわかりやすい例では、変換アダプタがほとんど常に「2個単位」で売れていくそうで、あるショップは店に並べたそばから瞬時に50個近くがさばけたという。逆に「2個単位でないと売れない」とも言え、先の50個が瞬時に売れたというショップでは、最後の1個だけになった時点でパッタリ動きがなくなってしまい、「2個ありますか」という問いに「最後の1個です」と言うと「じゃあいいです」と言われることがしばらく続いたという。この2個単位で売れるというのは、Celeron PPGA版も同じで、複数のショップが異口同音に語っている。
まさにCeleron PPGA版は、Slot 1→Socket 370変換アダプタの登場とDual化改造情報によって、アキバの売れ筋商品へ一気に踊り出た格好。これはある意味で「第3次Celeron」ブームと言ってもいいのかもしれない。
[撮影協力:COMTRADER]