1999年3月6日号 |
しかし、実物を見てまず驚くのがCPUのパッケージが元の旧型に逆戻りしていること。最近になってM IIは新パッケージがアナウンスされ、K6-2に似たフリップチップの新タイプがM II-333GPと300GPで出回り始めていたが、最新製品であるはずの366GPは金色の丘状突起が中央にある昔からの旧パッケージに戻っている。電圧も2.9Vで従来と変わっておらず、製造プロセスが変更されている製品なのかどうかも不明だ。また、Cyrixの親会社National SemiconductorのWebをチェックすると、2.2Vで100MHz×3=300MHzの「Mobile M II-366GP」というまったく異なる仕様の項目はあるものの、現在アキバに実在しているM II-366GP(Desktop?)に相当する製品の記述はどこにもない。CyrixのWebにも366GPに関する記述はまったくなし。ひとつ下のモデルであるM II-333GPの83MHz×3=250MHzと実クロックが同じというのも変と言えば変。そもそも、このM II-366GPはまだ正式には発表されていない製品であるにもかかわらず、ショップに並んでいるCPUは、「CX-JA」もしくは「CX-JB」のスタンプが表面に押された正規代理店経由の流通品…。いつものことながら、Cyrixの製品には謎な部分が多い。
M II-366GPはCyrix製CPUとしては現在最上位に位置するが、実売価格は9,000円前後といきなり1万円を割りこんでいる(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。安いといえば安いが、この価格帯は今ではK6-2/300~350もしくはCeleron 300A~366MHzとぶつかる激戦区でもあり、アキバのDIY市場ではなかなか苦戦しそうだ。
□National P/N M II - Cyrix M II Processor Enhanced High Performance CPU
http://www.national.com/pf/MI/MII.html
[撮影協力:Flip-Flapとツクモパソコン本店II]
スペックが物語るように、これはゲームユーザー向けに設計された「GAMEBOARD」というシリーズのラインナップの一つ。ベースは440BXチップセットを搭載したSlot 1対応マザーボードだ。このシリーズでは、ほかにもSavage4やVoodoo Banshee、そしてVoodoo 3+32MB SGRAMオンボード搭載のバージョンまで用意されており、このシリーズはなかなかの注目株。同店では3月末に入荷する予定で、予価は23,500円と安い。単品で購入しようとした場合、格安の440BXマザーボードと格安RIVA TNTビデオカードと組み合わせるだけでもこの価格に達してしまう。そのうえ、ゲームソフトやソフトウェアDVDプレーヤーもCD-ROMでバンドルされるというからコストパフォーマンスは抜群に高い。ベースクロックも最高133MHzまで上げられるのでマニア層にも受け入れられそうだ。現在同店では予約を受け付けている。
□GAMEBOARDs
http://www.powercolor.com.tw/products.htm
[撮影協力:COMTRADER]
とうとう個人でもMPEG2のエンコーダーが手に入る時代になった。MPEG2はDVD-Videoなどでも採用されている高画質/高圧縮の動画圧縮規格。カノープスのMPEG2リアルタイムエンコーダー兼デコーダー「MVR-D2000」がショップに出回り始め、158,000円~188,000円の価格で販売されている(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。ビデオ編集ソフトやオーサリングツールのバンドルはないものの、録画・再生を行うためのアプリケーションソフト「MPEG Station」や開発キットが付属している。DTVに興味のある人は要チェック。なお、対応OSはWindows NT 4.0のみで、DVD-Videoタイトルの再生はできないので注意。 □MVR-D2000(http://www.canopus.co.jp/press/mvrd2.htm) |
Ultra ATA/66対応HDDの製品が着々と増加中。今度はIBMから20.3GBのDJNA-352030と、22GBのDJNA-372200という2種類の製品が登場した。価格は前者が6万円台、後者が7万円台(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。特にDJNA-372200は容量が22GBである点と、Ultra ATA/66対応HDDでは初の7,2000rpm製品という点で要注目。まさにIDEではトップクラスの性能を持つ製品というわけだ。ただし、価格もトップクラスだが。
□DJNA-372200(http://www.ibm.co.jp/oemj/storage/product/35hdd7b/35hdd7bs.html) |
PCiN秋葉原では、ちょっと変わったSlot 1→Socket 370変換アダプタの入荷を予定している。工場出荷の標準状態でDual Celeronに対応しているほか、プラスチックカバーが取りつけられているためにPentium II用のリテンションキットでそのまま固定できるというユニークなもの。Soltekの製品で、製品名はSL-02A。これまでの製品では、Dual Celeronに対応させるには改造が必要で、かつリテンションキットが使えないために固定するのが難しいという面倒な面があったが、この製品はそれを一挙に解決している。予価は3,500円程度で、入荷時期は「2週間後ぐらい」とのことだ。
□SL-02A(http://www.soltek.com.tw/product/sl02a.htm) |
また新たな133MHz(CL=2)動作保証SDRAMが登場。今度はUSER'S SIDE本店が売り出したUSHIYAMA ELECTRONICSの「SPEED MASTER CL2」という128MB SDRAM。HYUNDAIの選別品チップ(HY57V658020ATC-10P)と、一部で評判の高い「C.C.G. ENG.」とマーキングされた基板が使われている。価格は24,800円。ほかのショップでも同じ製品を「高クロックに対応」として販売している例がこれまでにもあったが、133MHz動作保証と明確に数値を出して販売する例はこれが初めて。以前は「PRODEX」というブランドで販売されていた実績もある。 |