1999年3月20日号

Celeron 433MHzがいきなりリテール版で登場
外箱のデザインに若干の変化あり、価格は2万円前半から

Celeron 433MHz433MHzと400MHz
【Celeron 433MHz】【433MHzと400MHz】
価格表(1)価格表(2)
【価格表(1)】【価格表(2)】

 Celeronの最上位モデルであるCeleron 433MHzが販売開始となった。現在購入できるのはPPGA版のリテールパッケージのみで、実売価格は22,500円~26,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。正式発表を待たずしてのフライング販売のため、販売ショップは20日(土)の調査時点で計10店とそれほど多くはないが、週明けに行われると見られる正式発表後には大量に出回ることになりそうだ。

 今回のように、正式発表前の段階でバルク品より先にIntel純正リテールパッケージが出てくるという例は極めて珍しい。

SEPP版は今のところなし

 Celeron 433MHzは66MHz×6.5=433MHzで動作するCeleron最上位モデル。正規の仕様では、ベースクロック66MHzという一世代前のスピードを利用するものの、コアと同じクロックで動作するフルスピードの2次キャッシュを内蔵しているぶん、パフォーマンスはそこそこ期待できる。リテールパッケージの実売価格は安いところで2万円前半で、これはPentium II 350MHzやK6-2/450と近い。

 現在出回っているのはSocket 370用のPPGA版のみで、Slot 1用のSEPP版はどこにもない。このあとに出てくるのかどうかもわからず、この433MHzが初めてSEPP版のないCeleronになる可能性もありそうだ(少なくともDIY市場では)。そもそも、Celeronの既存モデルも市場ではSEPP版が消滅する方向にあり、アキバでの流通量も3月に入ってから特にバルク品で激減している。今週は300A MHzと400MHzのSEPP版リテールパッケージが姿を消すなど、すでにCeleronに関してはSEPP版は影が薄くなっている。もともとアキバでは、Slot 1→Socket 370変換アダプタが爆発的に普及した関係で、SEPP版へのニーズは今ではかなり低いというのが実情。その意味では、Celeron 433MHzにSEPP版が出なくとも、少なくともアキバ的にはなんの影響もなさそう。

パッケージデザインに変化あり

 Celeron 433MHzのリテールパッケージ(外箱)をよく見ると、若干デザインに変更が加えられているのがわかる。「Intel Celeron Processor」のタイトルのすぐ下にあるサブタイトルが、400MHzまでは「Designed for the Basic PC」となっていたものが、433MHzでは「Delivering Great Performance At An Exceptional Value」という内容に変更されている。

 この変更にどんな意図が込められているのかは不明だが、少なくともIntelが自らマーケティング的に使用していた「Basic PC」という言葉そのものが一般に浸透しなかったことを考えれば、「Basic PCのためにデザインされました」という内容は一般の人にとってほとんど意味不明の内容であり、「素晴らしいパフォーマンスを低価格で提供します」とわかりやすく変更されたことは好ましく、自然な成り行きと言えるのかも知れない。もっとも、日本国内ではどちらも英語であるという点で、わかりにくいことにかわりはない。

マニアには不人気?

 Intelの言うとおり、正規の仕様で使うことを考えても確かにコストパフォーマンスは高いのだが、もはや「Celeron=クロックアップ」という図式のあるアキバのDIY市場では、433MHzに対する注目度は低い。Celeronではクロックの内部倍率が固定化されているため、6.5倍速の433MHzを使うと、ベースクロックを上げてクロックアップしようとした場合にすぐにコアの動作限界を越えてしまうことが予想され、マニアは敬遠気味。普通に使ってコストパフォーマンスの高いCPUであっても、「それ以上」を求めるマニアにとってはあまり魅力がないようだ。

 アキバでのCeleronへの関心事は、今や、4月に行われるといわれている価格改定の話と、もっとも人気の高い300A MHzの出荷が継続されるのか終了してしまうのか、という点に集中している。もちろん、これはマニアックなアキバの大いなる特殊事情でしかないのだが。

[撮影協力:パソコン工房秋葉原3号店]


[ Back ]戻る