1999年3月27日号 |
Ultra ATA/66対応のIDEコントローラーPCIカード登場
対応ケーブル同梱の製品で、価格は1万円弱
【パッケージ表】 | 【パッケージ裏】 |
【Ultra66表】 | 【Ultra66裏】 |
【梱包内容】 | 【値札】 |
●PROMISEはIDEで有名
PROMISEといえば、CPUがまだ486全盛だったころからSIMMスロットを載せたIDEキャッシュコントローラーカードを製品化したり、IDEからE-IDEに切り替わる過渡期に、古いマザーボードでもE-IDEの大容量HDDを使えるようにするISAバス用E-IDEコントローラーカードを製品化するなど、IDEコントローラー関連のメーカーとして有名。'97年6月にはUltra66の前身とも言えるUltra ATA/33対応のPCIバス用コントローラーカード「Ultra33」を発売しており、ここ最近ではIDEでRAIDを実現する「FastTrak」がちょっとしたブームを呼ぶほどの人気になっている。同社はSCSI関連の製品も出しているのだが、こちらはあまり知られていない。
●手軽なアップグレード用に最適?
Ultra66はIDEで最大66MB/sのデータ転送を可能にするUltra ATA/66に対応したPCIカードで、Windows 95/98/NTに対応した付属のデバイスドライバをインストールすればすぐに使うことができる。これを使えば、PCIバスさえあればどんなマザーボードでもすぐにUltra ATA/66の環境になるというわけだ。
そもそも、対応HDDの入手が簡単になっているにもかかわらず、肝心なインターフェイス側の対応が大きく遅れているというのが今のUltra ATA/66の現状。Ultra ATA/66対応のIDEコントローラーを内包したチップセットがSiS620しかない状況で、Intel 440BXやApollo Pro、MVP3などといった現行で最新のチップセットを搭載したマザーボードでも対応できておらず、せっかく対応HDDを手に入れても、事実上の「宝の持ち腐れ」状態になってしまうのがオチ。それらを一気に解決してしまうのがUltra66だ。単体で購入すると3,000円近い80芯ケーブルも付属し、既存のIDE 2ポートを活かしたまま使えばIDEが4ポートとなり計8台のHDDが接続可能になるといったメリットもある。
Ultra ATA/33の転送限界を超えるHDDが存在しないので、Ultra ATA/66自体に意味がないという考え方もあるが、AGPなどがいい例で、規格というものは登場当初は常に無駄と言われるもの。このところIDE HDDはプラッタの記録密度向上やGMRヘッドの採用、回転数アップなどで短期間で性能が大きく上昇してきているのも事実で、将来への対応を見据えての導入や、誰よりも先に使用してみるという「人柱魂」を燃やして試してみるというのも悪くはなさそう。あるいは、Ultra ATA/33にすら対応していないような古いマザーボードを使ったシステムに、対応HDDごと導入してHDDまわりを一気に早くするという手もある。実のところ、これがもっとも現実的にメリットのある利用方法かも知れない。実際、PROMISEのWebで公開されているテスト済みマザーボードのリストの中にも、430FXや430HXといった古いチップセットを搭載したマザーボードが何種類か含まれている。
現在はソフトアイランド秋葉原店のみが販売中。このほか、USER'S SIDE本店でも近日入荷する予定とのこと。Ultra ATA/66に手を出したいという人は、今がいいチャンスだ。もっとも、多くのPCマニアたちにとっての本命は、Ultra ATA/66対応のFastTrakなのかもしれないが…(まだ製品発表すら行われていない)。
□Ultra66(PROMISE TECHNOLOGY)
http://www.promise.com/Products/idecards/u66.htm
[撮影協力:ソフトアイランド秋葉原店]