1999年5月22日号 |
「バーチャルチャネルSDRAM」とは、メモリセルと出力端子の間に設けられた複数の高速レジスタ(チャネル)を利用し、メモリ外部からのリード/ライト動作とメモリセルのリフレッシュなどの内部動作を並行処理することで、効率のよいデータ転送が実現できるというメモリ。これを製品として出荷したのはメルコで、64MBの「VC-64M」と128MBの「VC-128M」の2種類がラインナップされている。いずれも、最大動作クロックは133MHzでCL=2。実際に販売されているのを確認できたのは64MBの製品のみで、実売価格は2万円強(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。128MBの製品については、41,000円という予価を出しているショップがある。このメモリを正式にフルサポートしているのはMVP4チップセットで、今のところメルコ側の動作保証マザーボードとしては、先日発売されたばかりのMVP4チップセット搭載Socket 7対応マザーボード「AOpen MX59PRO」が指定されている。
この組み合わせによって、一体どの程度のパフォーマンスアップが期待できるのか、またどんな利用方法のときに最大の威力を発揮するのかなど、実用的なメリットの点では、実績がないためにまだ未知数。それゆえ、積極果敢な「人柱」には魅力的な製品と言えそう。K6-IIIの価格も下がり、最新MVP4チップセット搭載マザーボードも1万円半ばで買えるという状況から考えると、今がバーチャルチャネルSDRAMも含めてセットで試してみる絶好のチャンスかも知れない。
□バーチャルチャネルシンクロナスDRAM(NEC)
http://www.ic.nec.co.jp/info/vcm/index.html
□VC(メルコ)
http://www.melcoinc.co.jp/product/ram/vc.html
[撮影協力:ツクモパソコン本店とツクモパソコン本店II]
大量にスケルトンデザインの製品を投入してきたのは韓国のKANAM ELECTRONICS。独特のカーブを多用したデザインで「ズゴック(ガンダムのキャラクターに似ているため)」とも呼ばれているKN900シリーズに、青半透明と白半透明のツートンカラーを採用した「KN900T」を追加。さらに、真っ先にフロントパネル全面をスケルトンにして話題になったKN820シリーズに、ストロベリー、ライム、タンジェリン、グレープの4色が加わった。これで最初のブルーのモデルと合わせてiMacと同じ全5色が揃ったことになる。
そして、同社からは、デスクトップケースとして初めてのスケルトンデザインケースも登場。「KN810」シリーズの全5モデルで、こちらもKN820シリーズと同様にiMacと同じ全5色が用意されている。KN810とKN820シリーズは透明度も適度で、見た目の質感もなかなか良いので、見た目のデザイン重視という人にはいい候補になりそう。デスクトップのスケルトンPCを作りたいと考えている人なら、KN810シリーズが唯一の存在ということになる。
周辺機器も含めると、もはやPCの世界もスケルトンだらけ。マウス、USB HUB、キーボード、PC本体ケース、プリンタなど周辺機器もスケルトンでいっぱい。ディスプレイだけはスケルトンデザインがないと思いきや、新たにアドテックからボンダイブルーのスケルトンデザインを採用した15インチTFT液晶ディスプレイ「ADLTXG15SC」も発売になっている。これで、すべての環境をスケルトンにすることが可能になったというわけ。さぁ、誰かオールスケルトンPCに挑戦してみる?
それぞれの製品の実売価格については「今週見つけた新製品」参照のこと。
□KN-810 ATX-AT Convertible(KANAM ELECTRONICS)
http://www.kanam.co.kr/810.html
[撮影協力:ツクモパソコン本店とツクモパソコン本店II]
この製品で使われているRIVA TNT2はノーマルのタイプで、期待の高まっている高速版のRIVA TNT2 Ultraではないものの、ASUSというブランド力のためか、これまでに出ているRIVA TNT2搭載ビデオカードと比べても、売れ行きはかなり好調という。どのモデルも極めて在庫ショップ数が多いことから考えても、売る側の期待度はかなりのもののようだ。これらの製品には、3Dゲームタイトルが2本バンドルされ、今後オプションとして発売される3Dグラスと接続できるという特徴があるほか、RIVA TNT2でビデオキャプチャ機能を搭載した初めての製品という点もあって、マニア達の物欲をそそる要因の一つになったのかも知れない。
このほか、先週からバルク品の販売が始まったProlink MVGA-NVTNT2Aのリテールパッケージ品が新たに出回り始めている。メモリ32MB搭載で21,500円(PCiN秋葉原)と安いのが特徴。また、見た目で面白いのは、パッケージ(外箱)のデザインがCreativeの製品とソックリなことで、イラストのセンスはともかく、「3D」の文字やメモリ容量など定型文字の配置や配色をそっくり真似したかたちになっている。あまり知名度のないメーカーだけに、Creativeのブランド力を借りようということなのか、このほかにも、今週は同様のデザインを採用したAddonicsのRIVA TNT/Voodoo Banshee搭載ビデオカードも発売になっている。このあたり、ビデオカード市場の激しさを物語る現象と考えると、これはこれでなかなか興味深い(価格などの詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
気になるRIVA TNT2 Ultra搭載の製品については、早ければ来週か再来週には続々と出てくるという話も出ており、目が離せない状態だ。いずれにしても、RIVA TNT2シリーズを採用した製品は増えるばかりだ。
□AGP-V3800(ASUS)
http://www.asus.com/PressRel/99-04-16.asp
[撮影協力:ツクモパソコン本店IIとPCiN秋葉原とZOAとパソコンCity支店]
WorkPad C3はWorkPadをさらに軽量・薄型にした新モデルで、ボディ材質もプラスチックからアルミに変更されている。この改良によって、PDAにありがちな、おもちゃっぽさのようなものがなくなり、とても高級感ある製品になっているという点も魅力のひとつ。実際にショップに設置されているデモ機を触ってみれば、その質感の良さにきっと驚くこと間違いなし。標準でメモリ容量が2MBと少ないという点が気になる人は、PS/PLAZA WAKAMATSUとイケショップ モバイルプラザ(ブロックF2)が8MBに改造したオリジナルモデルを74,800円で販売しているので、検討してみるといい。
IBMは、このWorkPad c3用にPHS通信アダプタの開発も表明しており、今後のオプションやサードパーティからのユニークな周辺機器などの充実も期待できそう。モバイル機器はとにかく実際に手で触れ、その魅力を感じてみるのが一番。ショップに用意されているデモ機にまず触わってみることをおすすめする。
□WorkPad(日本IBM)
http://www.ibm.co.jp/pc/workpad/index.html
[撮影協力:PS/PLAZA WAKAMATSUとアイ・ツー Mobile専科 東京3号店]
RIVA TNTがオンボードになったマザーボードに続き、MicrostarからはVoodoo3 2000を搭載した製品が登場している。型番は「MS-6168」。440ZXチップセットを搭載したSlot 1対応マザーボードで、フォームファクタはmicroATX。サウンドチップにCreativeのES1373も搭載し、完全にゲーマー向け仕様となっている。ただし、現在出回っているのはビデオメモリの容量が8MBのモデルのみである点と、AGPスロットがなくビデオのアップグレードが事実上できないことを考えると、ゲーマー入門用というほうが正しいかもしれない。実売価格は26,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。 □MS-6168(Micro-Star International) http://www.msi.com.tw/product_guide/mainboard/data/6168.htm |
PC100メモリの価格暴落は止まらず。今週は128MB(CL=2)の最安値がついに11,000円を割りこみ、10,800円を記録した。このあとの価格も10,970円、10,980円と続き、確認できたところで11,000円以下の価格で販売しているショップは全部で4店も。このほか、128MB(CL=3)の「訳あり品」をジャンク扱いで9,000円の破格値で販売するショップまで現れている。「訳あり品」はあくまでイレギュラーな商品として除くとして、128MB(CL=2)のメモリの価格が1万円のラインに到達するまで、もうあと800円と迫っている(詳細は「メモリ最安値情報」を参照のこと)。 |