1999年5月29日号

Intelの統合型チップセットi810-L搭載マザーボードの販売開始
第一陣はBIOSTAR製のマザーボード

入荷しました!M6TWC
【入荷しました!】【M6TWC】

 Intelの最新統合型チップセットi810-Lを搭載したマザーボードがBIOSTARから登場した。「M6TWC」という型番で、実売価格は15,800円~16,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 COMPUTEX TAIPEI以降にも、続々と各社からi810シリーズを搭載した製品が登場する見込みだ。

i810はハブ型アーキテクチャを採用

 i810-Lを含むi810シリーズは、ハブ型アーキテクチャを採用したまったく新しいIntel製チップセット。これまでの、PCIバスにノースブリッジとサウスブリッジの2チップを接続するバス型アーキテクチャから、Graphics Memory Controller Hub(GMCH)とI/O Controller Hub(ICH)という機能毎にまとめられたハブ同士を高速バスで接続するハブ型アーキテクチャに変更され、チップ数はFirmWare HUB(FWH)も加えて3チップ構成となっている。エンドユーザーからすると、機能面では3D対応ビデオ機能とモデム・サウンド機能の統合、Ultra ATA/66対応、ISAバスブリッジの省略などが目立った特徴だ。

 実際にはGMCHとICHにはそれぞれ機能の違いによって2種類あり、この組み合わせによってi810DC100/i810/i810-Lという3種類のチップセットとしてラインナップされている。i810DC100は4MBのディスプレイキャッシュが利用可能なタイプで、i810はディスプレイキャッシュの利用できないタイプ、i810-LはさらにUltra ATA/66に対応していないタイプ。ディスプレイキャッシュとは3Dグラフィックスの処理を高速化するためのZバッファの領域として主に使われ、主要なビデオメモリは、UMA方式によってメインメモリと共有し、動的に容量が変えられる仕組みになっている。

第一陣はBIOSTARから登場

 BIOSTARの「M6TWC」は、ディスプレイキャッシュを持たず、Ultra ATA/66に対応していないi810-L搭載のSocket 370対応microATXマザーボード。i810ではISAバスブリッジがなくなっているため、この製品ではISAバス用のスロットがない(別のブリッジチップを追加することで、i810シリーズでもISAバスを使うことは可能)。代わりに、AMRスロットが用意され、ここにオプションのカードをさすことでモデムなどが利用できる。また、この製品には「LCD Daughter Card Subsystem」というコネクタがあり、液晶ディスプレイなどに向けたインターフェイスを取りつけることが可能。

 基本的にはCeleronを対象とした低価格PC用のシステムとはいえ、そのパフォーマンスのほどが気になるところ。特にビデオの機能は注目すべき点で、i740の後継となるi752のコアを使用し、DVD-Videoの再生支援機能をもつほか、2Dはもとより、3Dの性能も実用レベルに達しているとの前評判。これが本当だとすると、意外に「使える」PCが手軽に組めることになる。ディスプレイキャッシュを持たないものの、「M6TWC」は価格も安く、いろいろと自分の手で検証してみるという意味でも、手軽ではある。

6月から続々と登場か

 今のところi810シリーズを搭載した製品は、この「M6TWC」しか販売されていない。しかし、COMPUTEX TAIPEI後には続々とi810シリーズ搭載マザーボードが各社から出てくるといわれている。SiS530、SiS620、MVP4に続き、Intelからも統合型チップセットが投入され、PCの世界もローエンドからミドルクラスまで大きな変革が起きるのは確実。

 「M6TWC」は、そのi810の実力の一端を知るいいサンプルとなりそうだ。

□BIOSTAR
http://www.biostar.com.tw/
□intel810 Chipset(Intel)
http://developer.intel.com/design/chipsets/810/

[撮影協力:PCiN秋葉原パソコン工房秋葉原3号店]


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