1999年6月12日号

究極のスケルトンPCケース?台湾製「Super超頻之家」
スチールパイプ製のフレームと台だけで全て丸見え

展示中(1)展示中(2)
【展示中(1)】【展示中(2)】
パッケージ中身
【パッケージ】【中身】
LEDやスイッチ類COMPUTEX TAIPEI 99みやげ
【LEDやスイッチ類】【COMPUTEX TAIPEI 99みやげ】

 正真正銘のスケルトンPCケースが台湾からやってきた。その名は「Super超頻之家」。なんと、スチールパイプを利用したフレームのみのATX用PCケースで、中は丸見えでドライブベイすらついていない。ドライブやマザーボードは絶縁板の上に載せ、電源スイッチやLEDなどは付属の特殊な棒状パーツを使用する。

 アキバのショップ店員がCOMPUTEX TAIPEI出張時に光華商場で見つけて持ち帰ってきたもので、現在ツクモパソコン本店IIFlip-Flapで実物が展示されている。ツクモパソコン本店IIでは一部限定で販売も実施、このあとに再入荷する予定もあるという。

棒状のスイッチ類はアイデア秀逸

 「Super超頻之家」は台湾のSENFU(生富國際資訊有限公司)が発売している製品で、現地では「一目瞭然・完全透明」のキャッチフレーズによる広告も展開している新製品。

 PCケースといっても、実際には近所のホームセンターにもありそうなスチールパイプを使った単純な組み立て式の棚で、ドライブベイもなければ電源もなく、一見するとただの汎用棚にしか見えない。組み立てると、フレームのみの横長の立方体ができあがり、付属している2枚の絶縁板を使うことで2段式の棚に変身する。この絶縁板の上に、マザーボードや電源、ドライブ類を自由に配置するという実にアバウトなケースだ。2段のうち1段はマザーボードだけで占有されるため、もう1段に電源やHDDやCD-ROMドライブなどを適当に重ねて置くことになる。マウンタや固定用金具などは一切用意されていないので、振動で落ちたりしないよう十分注意して配置を決める必要がありそうだ。

 と、これだけでは本当に単なる「汎用スチールパイプ棚」になってしまうが、れっきとしたPC用ケースをうたった製品であることに間違いはない。横幅はATXマザーボードとピッタリ同じサイズに設計され、PCケースとして必要不可欠なスイッチやLED類も特殊な単体パーツとして付属している。このパーツの構造はなかなかアイデアとしては秀逸で、マザーボード上のジャンパピンに接続するためのコネクタに、スイッチやLED、スピーカーをそれぞれ一体化させた手作り品になっている。コネクタに1cm程度の短いケーブルを使ってLEDやスイッチなどをつなぎ、チューブでケーブル部分を隠したもので、これを1つ1つマザーボードに直接さしこめば、そのまま電源制御や状態確認が可能になるというわけ。これだけ製品化しても売れるのではないか、という人もいた。

 このケースは、「Super超頻之家PLUS」という増設キットを使うことで上に積み重ねていくことが可能で、接続デバイスを増やす場合や、周辺機器を載せる場合には重宝する。広告に出ているレイアウト例を見ると、一番下の段に電源やドライブ類を配置し、中段にマザーボード、上段にディスプレイを載せた例まで掲載されている。

どうせ開けっ放しのケースを使うなら…

 いつもマザーボードやドライブをいじりまわしてケースのカバーは開けっ放し、というような人にはちょうどいい製品。「少なくともショップのサポート担当者は必ず買うのではないか」とは、ある店員の弁。冷却に関しても、ケース内部のことは気にせず、クーラーやー扇風機など部屋自体の冷却でまかなえそうだ。

 ただし、電磁波障害対策などはされておらず、ちょっと間違えばスチールパイプと接触してショート、何かを落とせば即故障、といった大きなリスクがあるのも事実。使おうという人は、これらを全て納得済みの上で使おう。ツクモパソコン本店IIでは、現在5,980円で少量販売中。このあとにも再入荷する予定で、拡張用の「Super超頻之家PLUS」も同時に販売する予定とのこと。Flip-Flapは店頭のショーケースに展示して「需要調査中」との張り紙をつけている。

□Super超頻之家(SENFU)
http://www.senfu.com.tw/Super.htm

[撮影協力:ツクモパソコン本店IIFlip-Flap]


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