【 1999年10月9日号 】

CreativeからGeForce 256搭載ビデオカードが登場
9日から各ショップで一斉発売、黒いパッケージが目印

黒いパッケージ呼びこみ実施中
【黒いパッケージ】【呼びこみ実施中】
3D Blaster GeForce 256(表)3D Blaster GeForce 256(裏)
【3D Blaster GeForce 256(表)】【3D Blaster GeForce 256(裏)】
ANNIHILATORお待たせしました
【ANNIHILATOR】【お待たせしました】
本日入荷売り切れ寸前
【本日入荷】【売り切れ寸前】

 注目のビデオチップ「GeForce 256」を搭載したビデオカードがついに発売となった。真っ先に製品を投入してきたのはCreativeで、アキバの各ショップには32MB SDRAMを搭載した「3D Blaster GeForce」が一斉入荷した。

 宇宙空間をイメージしたような黒いパッケージが目印で、実売価格は3万円前後となっている(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

ジオメトリエンジン内蔵の「GPU」

 GeForce 256は8月末に発表されたNVIDIAの最新ビデオチップ。従来のコンシューマー向け3D対応ビデオチップと違い、今までCPU任せになっていたジオメトリ演算までビデオチップ側で処理できるというのが特徴で、具体的には3Dオブジェクト描画時の座標変換(Transformation)と光源計算(Lighting)をサポートする。これは「ハードウェアT&L」と呼ばれ、3D API側はOpenGLがすでに対応しているほか、Direct Xでも先日リリースされた最新の7.0でサポートされている。GeForce 256が従来のレンダリング処理に加え、ジオメトリ演算もサポートしたことで、3Dに関する大部分の処理をビデオチップ側で一手に処理できるようになり、CPU側の負荷は大幅に軽減されることになる。こうしたことから、NVIDIAはGeForce 256を単なるビデオチップではなく「Graphics Processing Unit(GPU)」と呼んでいる。

 このほかにも、256bitのコアとメモリバスインターフェイスを持つことで搭載最大メモリ容量が128MBまであることや、レンダリングエンジンがRIVA TNT2の倍となる4パイプライン設計になっているなどの改良点もある。

アキバでの売れ行きは「そこそこ」

 リテールパッケージのデザインは、暗闇の宇宙空間をイメージしたシックなもの。表面には太陽光線で青白く浮かび上がる星(地球?)が描かれ、製品名などの文字も同様のイメージで描かれている。一貫してリテールパッケージに統一性あるデザインを採用してきた3D Blasterシリーズでは珍しい例で、CreativeもNVIDIAと同様に「これまでとは違うアドバンテージがある」ことを印象付ける戦略をとっているようだ。

 アキバでは、8日(金)の段階でフェイスが販売を始めていたほか、ほかに多数のショップが店頭や店内で「9日(土)発売」を予告し、実質的には9日(土)から一斉発売というかたちになった。注目度の高い製品だけに、9日(土)はあちこちのショップの店頭で「GeForce入荷しました」といった内容の貼り紙が見られ、中にはわざわざ店員が店先でパッケージを持って「GeForceが入りました」と呼びこみをするショップや、店頭ワゴンセールで販売するショップも現れ、久々の大物商品に売る側もやや興奮気味の様子。

 売れ行きの方はというと「そこそこ」のようで、商品棚に並べる前に指名買いする人が現れたという話や、開店後すぐに完売したという話がある一方、最新ビデオカードの発売時にしては売り切れ店が少なく、比較的おとなしめという印象も受ける。これは初回の出荷量がかなり多かったという事情との関係もありそうで、供給量が豊富なことから結果的に競い合って買うほどの状況にはならなかったようだ。ただし、初回出荷分以降の予定がハッキリしていないという話もあり、どうしても早めに入手したいという人はこの連休の間にショップへ足を運ぶのが良さそうだ。

 今のところはまだ、DirectX 7.0に対応したゲームやベンチマークなどGeForce 256の真価を発揮するアプリケーションが皆無というのが実状とはいえ、これから徐々にネット上で公開されていくであろう対応ソフトをすぐに試せるという楽しみはある。誰よりも先に新しい3D新技術とクオリティを体験するために、いまのうちに「準備」しておく、というあたりがパワーユーザーにとっての現実的な購入目的になるのかもしれない。また、ハードウェアT&Lの有効性に関してすでに条件が整っているOpenGL環境に期待している、という人も少なくなさそうだ。OpenGLでのベンチマーク結果については、OpenGL対応のビデオカードに関する情報を掲載している「3D GRAPHICS EDGE」で公開されているので参考にしてみるといいだろろう。なお、NVIDIAからは、ハードウェアT&Lの性能を見るために「Tree Mark」というソフトが公開されているので、「即効性」に期待している人ならまずはこれを試したいところだ。

「3D Blaster Annihilator」と「3D Blaster GeForce」

 ちなみに、製品名についてはCreativeの本社から「3D Blaster Annihilator」との発表がなされているが、国内では「3D Blaster GeForce」という名前が使われることになっている。現在出回っているリテールパッケージにも「3D BLASTER GeForce」とだけ書かれ、「Annihilator」の文字は入っていない。ただし、同梱されているCD-ROMには「3D BLASTER ANNIHILATOR」と印刷されているので、このあたりは予備知識として頭に入れておこう。

 さて、GeForce 256がアキバのハイエンド・ビデオカード市場を席巻するのかどうか。まずは第一陣の「黒いパッケージ」の動きに注目だ。

参考:[速報版] 8日(金)の状況

□3D Blaster GeForce 発売開始のお知らせ(クリエイティブメディア)
http://www.creaf.co.jp/press/990921-geforce.shtml
□GeForce 256(NVIDIA)
http://www.nvidia.com/geforce256.nsf
□Tree Mark(NVIDIA)
http://www.nvidia.com/products.nsf/htmlmedia/treemark.html
□3D GRAPHICS EDGE
http://home.att.ne.jp/yellow/masahiko/edge/

[撮影協力:秋葉帝TWO-TOP秋葉原1号店WAVE EYE秋葉原店BLESS]


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