ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
SHARPのパーソナルワークステーション「X68000」シリーズと、1980年代後半のソフトハウス「エニックス」編
~永久保存版 80年代マイコン大百科~
2018年7月3日 06:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 80年代マイコン大百科」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、懐かしのマイコンたち!!編からSHARP「X68000シリーズ」編と、ボクたちを虜にしたソフトハウス編から1980年代後半の「エニックス」。
なお、書籍版では画像はモノクロ(電子書籍 Kindle版はカラー)だが、本記事ではカラーの写真を掲載している。
- 懐かしのマイコンたち!! -SHARP「X68000シリーズ」- -
1987年という、80年代の終わりも見えてきた頃に登場した“パーソナルワークステーション”X68000は、まさに“夢”が詰まった機種だった。
それまでのパソコンが非力ながらも頑張ってアーケードゲームの移植作品を動かしていた中、それをX68000はスイスイとやってのけたのだから(もちろん開発者の血の滲むような努力があったが)当然だろう。それまで普及していた8ビットパソコンと比べるとオバケのようなスペックで、夢を実現させられるハードとして欲しがった人も多いはずだ。
また、“マンハッタンシェイプ”と呼ばれたツインタワーのスタイリッシュな外観デザインも、それまでのパソコンにはない輝きを放っていた。
ソフトラインアップも充実しており、マイコンソフトやシャープ、SPSなどがアーケードからの移植度が非常に高いタイトルを出していた。また、その強力なハードスペックを活かし、CG制作機としても使われていた側面も持つ。
日本メーカーによる、最初で最後の68000系コンシューマ向けパソコンはこの後、さらなる機種を発売していくことになる。
- ボクたちを虜にしたソフトハウス・80年代後半編 -エニックス- -
多種多様なラインアップから次第にビックタイトルへ集中
プログラムコンテストを開催し、ユーザからのゲームを募っていたエニックスだが、広告では徐々にその影を薄めていく。
85年から86年にかけては、コンテスト作品以外に多種類のゲームが発売されている。『ポートピア連続殺人事件』が好評だった堀井雄二氏の、それに続くアドベンチャー第2弾『軽井沢誘拐案内』や、人工知能シミュレーションゲームと銘打った『TOKYO ナンパストリート』、アドベンチャーゲーム『エルドラド伝奇』など、ちょっとHな方面に展開したタイトルも存在感があった。
その後は流行に合わせるかのように、アニメーションやマンガを原作とした「ウイングマン」シリーズ、『北斗の拳』などのソフトを発売。
また、『地球戦士ライーザ』『ジーザス』『アンジェラス』『セイバー』のように、アニメっぽいキャラたちが活躍するゲームも数多く占めるようになる。
しかし、この頃ファミコンで「ドラゴンクエスト」シリーズを大ヒットさせていたエニックスは、程なくしてパソコンゲーム市場から撤退していくことに。