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2010年08月07日
Intelの6コアCPUで常用4GHzを狙ってみた
Intelの6コアCPUを4GHz(※OC動作)かつ静音クーラー環境で常用可能なのかテストしてみました。
テストに使用したのは「Core i7-980X Extreme Edition」と「W3680(※ES品/スペックはCore i7-980Xとほぼ同等)」。真夏日が続いていますが、この熱い中、4GHzで安定して動作するのでしょうか……。
今回、CPUは代理店の「旭エレクトロニクス」から貸し出してもらっています(OC動作了承済)。
テストに使用したPC環境は以下の通り。
□テストPC環境
・CPU Core i7-980X EE(3.33GHz,6コア) / Xeon W3680(3.33GHz,6コア)
・CPUクーラー Thermalright AXP-140 + 1,200rpm 12cmファン
・マザーボード GIGABYTE GA-X58A-UD5(X58+ICH10R)
・メモリ Crucial Ballistix DDR3 PC3-12800(DDR3-1600/XMP) 2GB×3枚
・ビデオカード MSI R5850 Twin Frozr II (Radeon HD 5850)
・ストレージ WesternDigital WD740ADFD(74GB/10,000rpm)
・OS Windows 7 Ultimate(64bit)
・温度計測ソフト Core Temp
Xeon W3680(ES品)ですが、Core i7-980Xと同じく、動作クロック倍率の変更が可能。Core i7-980Xとの違いは正式に動作をサポートしているマザーボードが少ないという点くらいなようです。
※注意
・この記事を読んで行なった行為によって生じた損害は、AKIBA PC Hotline!編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。 ・構造などに関する記述は編集部が使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません。 |
静音クーラーで4GHz常用の壁は厚かった
4GHzでの動作ですが、お手軽に常用とはいかない感じ。
テストした個体の動作電圧(CPU Vcore)は、Core i7-980Xが定格1.19375V、Xeon W3680(ES品)が定格1.23750V。個体的にはCore i7-980Xの方が優れていそうな感じです。ステッピングはどちらもB1なので、ロットなどによりアタリハズレがあるのかもしれません。
4GHzでの動作ですが、どちらも定格電圧ではOS起動不可。Core i7-980Xは電圧1.21Vを越えたあたりからOSの起動が可能になり、負荷をかけても安定したのは1.30625V。Xeon W3680(ES品)は1.26VあたりからOSの起動が可能になり、安定動作可能になったのは1.33750V。
4GHz動作時(高負荷時)の温度ですが(室温は26℃前後)、今回の環境ではCore i7-980Xが80℃前半~90℃位、Xeon W3680(ES品)の方は80℃後半~90℃前半といった具合。
安定動作は可能だったものの、今回のテスト環境では温度的に常用はほぼ無理かな~と……安心とは言えない温度ですしね。高回転のファンを使用すれば温度は下がると思われますが、4GHz動作と静音性を両立させるのはなかなか困難かもしれません。結果的には、冷却性能が高いクーラーがあれば空冷でも4GHz常用可能といったところでしょうか。
4GHz常用はCPUクーラーを買い換えることがあればまたテストしてみようと思います。
3.6GHzなら定格電圧動作可能
個人的に、CPUは動作温度が定格時とあまり変わらない範囲で使用したいので、定格電圧でどこまでクロックが伸ばせるのかも一応テストしました。ちなみに、電圧を変更しなければOC動作でも定格動作と発熱量はそれほど変わりません。
で、試したものの、定格電圧ではそれほど伸びず、Core i7-980X(1.19375V)もXeon W3680(ES品)(1.23750V)も安定動作したのは3.6GHzまで。それ以上となるとどちらも電圧をかけないと安定動作しませんでした。
ただし、どちらも負荷をかけた際のCPU温度は定格時とほぼ変わらない温度(Core i7-980X 65℃前後 / Xeon W3680(ES品)70℃前後)だったので、この程度のOCであればお手軽に常用できそうです。
・おまけ XMP対応メモリは設定が超簡単
今回XMP対応メモリ(Crucial Ballistix)も初めて使ってみたのですが、「これは便利!」とちょっと感動しました。
メモリは設定項目がかなり多く、OC動作させる場合、詳しい知識がないと良い設定数値を探るのが大変だったりします。XMP対応メモリの場合、XMPを有効にするとレイテンシだけでなく、電圧なども含めてメモリ関連の項目が自動で設定されるので全く手間がかかりません。
ただし、ベースクロック(Core iシリーズだとBCLK)を変更してCPUをオーバークロックをする場合、メモリ側も同期している場合はメモリクロックがXMPの設定値とずれて役に立た無くなります。また、モデルによってはXMPの数値がイマイチ(性能が発揮されない数値や、起動が困難な数値)が設定されている可能性がある点、限界性能を出すにはやはり手動で設定する必要がある点などの弱点もありますが……。
まあ、微妙な点はあるものの、メモリをお手軽にOC動作させたい場合には便利な機能です。