週刊3Dプリンタニュース

アキバで3Dプリンタを使える工作スペース「創造空間ナノラボ」訪問記

〜国土地理院が「地理院地図3D」サイト公開、3Dプリンタ用データもアリ〜

 今回の週刊3Dプリンタニュースは、3Dプリンタを自由に使える秋葉原の工作スペース「創造空間ナノラボ」の紹介と、国土地理院が日本全国の3D地図サイトをオープンしたという話題についてお届けする。

「1回100円から+2時間500円」の格安3Dプリント牛丼サンボの向かい

創造空間ナノラボの立て看板。牛丼サンボの向かいで、パーツショップが並ぶ中にあるため、アクセスも便利だ
創造空間ナノラボの店内。10名程度なら一度に入れそうだ
工作スペースの利用案内。500円/2時間で、ドリンクバーも飲み放題である
3Dプリンタの利用案内。15gまでは100円。以降は5gごとに+50円という破格の安さだ
中央のテーブルに設置されているのが、最新のSolidoodle 4である
左が第3世代のSolidoodle 3G、右が第2世代のSolidoodle 2G。Solidoodle 3Gのほうが

 3Dプリンタという言葉が雑誌やテレビなどでよく取り上げられるようになり、ヤマダ電機やビックカメラなど、パーソナル3Dプリンタを展示販売しているところも増えてきた。しかし、3Dデータを持ち込んで、3Dプリンタによるセルフ出力サービスを利用できる場所はまだ珍しい。今回訪問した「創造空間ナノラボ」は、店内に設置されている3台の3Dプリンタを利用できる、工作スペースである。

 創造空間ナノラボは、秋葉原に2011年2月末にオープンした工作スペースであり、牛丼サンボ向かいの3Fにある。料金は、1人につき500円で2時間利用でき、延長料金は30分につき100円と非常に良心的だ。その料金の中には、工作に必要な各種工具やPC、タブレットなどの貸し出し、100V電源、ドリンクバーサービスなどが含まれる。パーツの買い出しなどでの途中退席も可能で、貴重品を除く荷物を外出時に預かってくれるサービスもあるので、PCを自作する場合など、パーツを何回かに分けて買いに行く場合なども便利だ。

 創造空間ナノラボを運営する株式会社インフォコアでは、昨年夏にSolidoodle社の3Dプリンタの導入と検証を行い、十分なノウハウを積んだということで、昨年12月に、ナノラボの機材の一つとしてSolidoodle社製3Dプリンタを設置し、利用者に開放した。現在、ナノラボに設置されている3Dプリンタは、Solidoodle 2G、Solidoodle 3G、Solidoodle 4がそれぞれ1台ずつで、合計3台となっている。Solidoodle 4は、Solidoodle社の最新製品でカバーに囲われており、より安定した出力が可能だ。

 ナノラボのセルフ3Dプリント出力サービスの最大の魅力は、なんといっても価格が非常に安いことだ。3Dプリンタの基本料金は1色100円/15gまでで、以降は5gごとに50円かかる。たとえば、50gのものを作っても、料金はわずか450円しかかからないのだ。また、フィラメントの色も7色前後用意されているが、色を変えず場合は、100円/10gとなり、以降は5gごとに50円かかる。3Dプリンタで出力された物体はかなり軽いので、30gもあれば、かなりの大きさのものを出力できる。もちろん、3Dプリンタの利用料金とは別に、前述した500円/2時間という基本料金はかかるが、それをあわせても、他のセルフ3Dプリント出力サーヒスに比べて、格段に安い。この値段なら、自分で3Dモデリングしてみたので出力してみたいという人でも、気軽に利用できるだろう。素材はABSとPLAから選択でき、3Dプリンタの使い方がよくわからない場合でも、スタッフが親切に教えてくれる。また、ABSの表面の積層跡を溶かして目立たないようにする溶媒なども用意されており、希望者は追加料金を払わずに、積層跡を消す後加工を行える。

 その他、レーザーカッターや3Dプロッタ「MODELA」などの機器も設置されており、希望者は使うことが可能だ(料金は応相談)。工具や計測機器も充実しているほか、オリジナル電子工作キットやパーツなども販売されており、「ものづくり」が好きな人にとっては、まさに理想の店といえるだろう。今後は、3Dプリンタの活用ワークショップなども開催したいとのことだ。

Solidoodleの出力例
Solidoodle 4での出力中の様子
ナノラボスタッフが3Dプリンタで製作したモデルガンのパーツ
ナノラボオリジナルのロボットキットも販売されている
デジタルテスターやArduinoなどのパーツも販売されている
貸し出し工具も充実している
セルフサービスのドリンクバーコーナー
こちらもドリンクバーコーナーで、お湯も用意されている
3Dプリンタで出力されたものを、アセトンを使って表面を滑らかにしたもの
店内には3Dプロッタの「MODELA」も設置されており、こちらも自由に使える
レーザーカッターも設置されており、別料金を払うことで利用可能だ
レーザーカッターの出力例

国土地理院が日本全国の立体地形図データを公開フルカラーでも出力OK

地理院地図3Dのトップ画面
3Dで見たい場所を選んで、「この地図を3Dで表示」をクリックすると、3D表示が行われる。自由に拡大・縮小や回転などが可能なほか、高さ方向に倍率をかけて強調することもできる
「3Dデータをダウンロード」をクリックすると、このようなダウンロード画面が表示されるので、必要なファイルをダウンロードする
ダウンロードしたSTLファイルをMakerWareに読み込ませたところ

 先週の週刊3Dプリンタニュースで、国土地理院が噴火後の「西之島」を作れる3Dデータを公開したニュースを取り上げたが、さらに国土地理院は3月19日に日本全国の立体地形図を見ることができるサイト「地理院地図3D」をオープンした。

 地理院地図3Dは、2通りの楽しみ方が用意されている。一つは、日本全国の任意の場所を2D地図で表示させ、その後3D地図表示に変換するという方法で、もう一つは、各地方測量お勧めの場所の3D地図がギャラリーとして用意されているので、それを眺めるという方法だ。どちらの方法でも、ブラウザ上に表示された3D地図は、自由に拡大・縮小や回転などを行うことができる。さらに、任意の場所を表示させた場合は、3Dプリンタで出力するための3Dデータを無料でダウンロードすることも可能だ。ダウンロード可能な3Dデータは、一般的な3Dプリンタ用のSTLファイル、フルカラー3Dプリンタ用のVRMLファイル、ブラウザで自由に拡大・縮小や回転などを楽しむためのWebGL用ファイルの3種類である。

 Webブラウザでの3D地図の拡大・縮小、回転などは、サクサク動き快適だ。地理の勉強用としてはもちろん、富士山や高尾山など、自分が登ったことのある山を3Dプリンタで出力して、じっくり眺めるのも面白そうだ。

(石井 英男)