パワレポ連動企画

今オススメするコンパクトATXケースの温度や動作音、拡張性をチェック

【パワレポ連動:徹底ベンチで分かった! 用途別ベストパーツ(19)】

DOS/V POWER REPORT 2016年11月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年11月号」の総力特集「主要8ジャンルの人気・注目製品を一斉検証! 徹底ベンチで分かった! 用途別ベストパーツ」を掲載する。

 第19回目では、4種類のコンパクトなATXケースに実際にPCパーツを組み込んだ状態で各部の温度や動作音、拡張性などをチェックする。結果を踏まえて用途別のオススメ製品も紹介しよう。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年11月号は全国書店、ネット通販にて9月29日(木)に発売。特別企画は、見た目も機能も結構違う?「“Anniversary Update”で何が変わった? Windows 10最新事情」、わずかな掛け金で賢くリスク回避「知らないあなたはきっと損をしている!「パーツ保証制度」活用のススメ」、高価な機器を買わなくても雰囲気は楽しめる「スマホを取り付けるだけでめくるめく360°の仮想世界へ! 激安VRグラス、こんなにあります」を掲載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は、2大小冊子「VRゲーム対応から多画面構築向きまでGeForce、Radeon搭載製品が勢揃い!最新ビデオカードカタログ 2016」と「持っててよかったが必ず見付かる 自作力強化アイテム60」。あると便利なことがあるアイテムを一挙掲載。


-徹底ベンチで分かった! 用途別ベストパーツ-
温度や動作音、拡張性をチェック 今オススメできる用途別PCケース


ATXの新潮流となるか?アンダー50cmクラスの実力者たちPCケース編

 今も昔も自作PCのケースはATX規格が主流。しかし、大型PCケースは置き場所に悩むし、重いのでメンテナンスもしにくいという側面もある。

 今回は、奥行きと高さが50cm未満と比較的小型ながら、ATXマザーボードを収納できるPCケースの中から、さまざまな用途に最適なモデルを探し出してみよう。

各部温度をチェック

 温度と動作音の検証では、可能な限りマザーボードのファンコネクタにファンを接続し、Fan Xpert 3で制御したときの数値を掲載している。ファンコントローラを搭載するモデルもあるが、最小回転数で運用した場合は、おおむねFan Xpert 3の標準設定時と同じだ。また比較対象として、2010年のベストセラーとなったバランス型PCケース「Define R3」の標準設定時の数値を追加した。

SilverStone Technology
Redline SST-RL05
総合的な冷却性能に優れる
ファンの回転数を調整した状況でも、安定した冷却性能を示した

 CPU温度がもっとも低いのは、Redline SST-RL05とS340 Razer-SPECIAL EDITIONの最大設定時で62℃。そこで両ケースの標準設定時のCPU温度を比較すると、Redline SST-RL05のほうが4℃も低かったため、こちらを1位とした。14cm角ファンを3基装備し、両ケースと同じようにエアフローに優れるSHA-DG7000-Gが続く。

 GPU温度がもっとも低いのは、Eclipse P400Sの最大設定時で64℃だ。以下Z9 NeoとSHA-DG7000-Gが65℃で続く。CPU温度が低いRedline SST-RL05も66℃(最大設定時)と僅差で続いていることを考えると、総合力で考えると、冷却性能がもっとも優れるのはRedline SST-RL05と考えてよいだろう。

CPU温度(ベスト3+比較対象)
GPU温度(ベスト3+比較対象)

動作音をチェック

NZXT
S340 Razer-SPECIAL EDITION
標準設定時の静音性に優れる
冷却重視型にも見えるが、ファンの回転数を低くすることで動作音はかなり小さくなった

 アイドル時の動作音がもっとも小さかったのは、S340 Razer-SPECIAL EDITIONの標準設定時で34.8dB。また高負荷時の動作音が40dB前後というのもこの組み合わせだけであり、総合性能で1位とした。続くのはRedline SST-RL05とCarbide Quiet 400Q Compact Mid-Tower Caseで、35dB前後と非常に静かに動作する。いずれもファンの回転数は400~500rpmだった。

 ちなみに静音PCのマストアイテムだったDefine R3は、標準設定でアイドル時34.2dBと、S340 Razer-SPECIAL EDITIONをやや上回る静音性。

動作音(ベスト3+比較対象)

基本的拡張性をチェック

 ここではストレージの搭載可能数やケースファンの数、水冷ラジエータの最大サイズといった基本的な拡張性を比較した。

 小型化に伴うしわ寄せが明確に現われているのは、3.5インチHDDの搭載可能数である。一般的なATXケースでは、前面近くにずらっと3.5インチシャドーベイを並べることが多いが、コンパクトATXケースでは作業性への配慮や大型ビデオカードの対応もあり、そうした構造を採用しないことが多い。

 そのため、3.5インチHDDの搭載可能数がもっとも多いCore 2500、SHA-DG7000-G、Z9 Neoであっても最大4基だ。サーバーとして使いたいなら、5~10TBの大容量HDDを選びたい。2.5インチSSDは、Z9 Neoが最大8基と2位グループの5基を大きく引き離している。

 標準の搭載ファンが飛び抜けて多いのは、Z9 Neoだ。12cm角ファンを各所に5基も装備し、CPUやGPUの冷却性能も高い。次点はSHA-DG7000-Gで、こちらも14cm角ファンを3基も搭載する。

 搭載できる水冷ラジエータに関しては、DS 230、Carbide Quiet 400Q Compact Mid-Tower Case、Eclipse P400Sの3モデルが前面に36cmクラスを装備できる。大型水冷キットを組み込みたい場合にはこうした項目もしっかりと確認しよう。

3.5インチHDDの搭載可能数ベスト3
2.5インチSSDの搭載可能数ベスト3
ファンの標準搭載数ベスト3
搭載可能な水冷ラジエータのサイズベスト3
用途別オススメ製品はこれだ!

【検証環境】

CPU:Intel Core i5-6600K(3.5GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial CT2K4G4DFS8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×4)
ビデオカード:ASUSTeK ROG STRIX-GTX1070-O8G-GAMING(NVIDIA GeForce GTX 1070)
SSD:Samsung SSD 850 EVO MZ-75E500B/IT(Serial ATA 3.0、3D TLC、500GB)
電源:Corsair RMx Series RM550x(550W、80PLUS Gold)
CPUクーラー:サイズ 虎徹
OS:Windows 10 Pro 64bit版
室温:27.5℃
暗騒音:32.4dB
アイドル時:OS起動10分後の値
高負荷時:OCCT 4.4.2 POWER SUPPLY テストを10分間動作させたときの最大値
各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.29で、CPU はCPU TemperaturesのPackage、GPUはGPUのTemperaturesの値
動作音測定距離:ケース正面から約20cm


[Text by 竹内亮介]


DOS/V POWER REPORT 2016年11月号は9月29日(木)発売】

★総力特集「主要8ジャンルの人気・注目製品を一斉検証! 徹底ベンチで分かった! 用途別ベストパーツ」
★特別企画「“Anniversary Update”で何が変わった? Windows 10最新事情」「知らないあなたはきっと損をしている!「パーツ保証制度」活用のススメ」「スマホを取り付けるだけでめくるめく360°の仮想世界へ! 激安VRグラス、こんなにあります」
★連載「最新自作計画 ~9万円で作る今ドキMini-ITX PC~?」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録小冊子「VRゲーム対応から多画面構築向きまでGeForce、Radeon搭載製品が勢揃い!最新ビデオカード カタログ 2016」「持っててよかったが必ず見付かる 自作力強化アイテム60」(雑誌のみ別途付録、電子版は巻末に収録)
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